シネ・リーブル神戸にて。
(監督)熊澤尚人
あんなに音漏れのするとこには住みたくないなー、
というのは、単なるやっかみでしょうか。
もっと、音そのものへのこだわりがあってもよかったのでは?
個人的な好みからいえば、最後はすれ違ってほしかった。
あれじゃあ、あまりに出来すぎというか、べたすぎる。
浮いた感じの谷村美月も、またよろし。 . . . 本文を読む
これまでの福岡氏のエッセンスが詰まった、
いわばベスト版的な内容なのだが、
やっぱりその語り口に読まされてしまう。
本書の末尾も末尾、福岡氏の訳出により近刊なる
ライアル・ワトソン『エレファントム』から引かれる
あるエピソードとそこに載る伊藤若沖『象鯨図屏風』との
「符号」には、「驚き」とか「感動」とかいろんなものを
ぐるぐるっと巻き込んだ「凄さ」があって、
これは若沖の「凄さ」というべきかもし . . . 本文を読む
テアトル梅田にて。
(監督)ジャ・ジャンクー
四川省成都に巨大国営軍事工場「420工場」の閉鎖、
そこに働いていた人へのインタビューと
「物語」を組み合わせた擬似ドキュメンタリー。
物語の強度においては『長江哀歌』が勝るが、
『四川のうた』はその細部が素晴らしい。
まずは構図。固定が基本なのだが、
いずれもカチッと決まっていて、とても惹かれた。
そして、なにより音楽。
その入るタイミング . . . 本文を読む
①
抜群に面白かったのが、『文藝2009年夏季号 特集:穂村弘』での、角田光代との対談「恋することと 恋について語ることと 恋が終わってから語ること」。ダークな角田光代全開で、むしろ面白いを優に越して怖い(笑)。
②
『ユリイカ 特集 クリント・イーストウッド』(09年5月)での蓮実重彦と黒沢清の対談。
《小津の特徴というと、静かだとか固定ショットだとかいう話になるけれど、被写体としての役者の . . . 本文を読む
『あたしちゃん、行く先を言って―太田省吾全テクストより―』行程1
京都芸術センターにて。
囲み舞台で、役者の動きに合わせて観客も動いたりと
これまでにない趣向も取り込むも、
「行程1」というだけあって、まだ煮つまった感じはないものの、
「行程2」を経ての本公演を大きく期待させるものではあった。
でも、それ以上に、驚きと興味を持ったのが、しおりに記された
《新しい演劇をつくりたいと思っている . . . 本文を読む