映画、本、たまに舞台。

観たり、読んだりしたものの備忘録。

おと・な・り

2009年05月28日 | 映画
シネ・リーブル神戸にて。 (監督)熊澤尚人 あんなに音漏れのするとこには住みたくないなー、 というのは、単なるやっかみでしょうか。 もっと、音そのものへのこだわりがあってもよかったのでは? 個人的な好みからいえば、最後はすれ違ってほしかった。 あれじゃあ、あまりに出来すぎというか、べたすぎる。 浮いた感じの谷村美月も、またよろし。 . . . 本文を読む

福岡伸一『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』(木楽舎、09年2月)

2009年05月21日 | 
これまでの福岡氏のエッセンスが詰まった、 いわばベスト版的な内容なのだが、 やっぱりその語り口に読まされてしまう。 本書の末尾も末尾、福岡氏の訳出により近刊なる ライアル・ワトソン『エレファントム』から引かれる あるエピソードとそこに載る伊藤若沖『象鯨図屏風』との 「符号」には、「驚き」とか「感動」とかいろんなものを ぐるぐるっと巻き込んだ「凄さ」があって、 これは若沖の「凄さ」というべきかもし . . . 本文を読む

四川のうた

2009年05月19日 | 映画
テアトル梅田にて。 (監督)ジャ・ジャンクー 四川省成都に巨大国営軍事工場「420工場」の閉鎖、 そこに働いていた人へのインタビューと 「物語」を組み合わせた擬似ドキュメンタリー。 物語の強度においては『長江哀歌』が勝るが、 『四川のうた』はその細部が素晴らしい。 まずは構図。固定が基本なのだが、 いずれもカチッと決まっていて、とても惹かれた。 そして、なにより音楽。 その入るタイミング . . . 本文を読む

最近の雑誌で、印象に残ったもの。

2009年05月14日 | 雑記
① 抜群に面白かったのが、『文藝2009年夏季号 特集:穂村弘』での、角田光代との対談「恋することと 恋について語ることと 恋が終わってから語ること」。ダークな角田光代全開で、むしろ面白いを優に越して怖い(笑)。 ② 『ユリイカ 特集 クリント・イーストウッド』(09年5月)での蓮実重彦と黒沢清の対談。 《小津の特徴というと、静かだとか固定ショットだとかいう話になるけれど、被写体としての役者の . . . 本文を読む

地点上演実験Vol. 2

2009年05月13日 | 舞台
『あたしちゃん、行く先を言って―太田省吾全テクストより―』行程1 京都芸術センターにて。 囲み舞台で、役者の動きに合わせて観客も動いたりと これまでにない趣向も取り込むも、 「行程1」というだけあって、まだ煮つまった感じはないものの、 「行程2」を経ての本公演を大きく期待させるものではあった。 でも、それ以上に、驚きと興味を持ったのが、しおりに記された 《新しい演劇をつくりたいと思っている . . . 本文を読む