歯科に関する四方山メモ

歯科医学に関わること、主に歯内療法・歯周治療関係を中心にメモ的に集めていきます。

インプラントは歯内療法の一部ですby アメリカ歯内療法学会

2017-06-25 21:48:36 | 歯内療法
なんか数年前に小耳にはさんだような気もするんだけど、すっかり忘れて調べてなかった。

こちらにアメリカ歯内療法学会(AAE)のガイドラインやポジションペーパーが見られるんですが、このリストの中のScope of Endodontics: Dental Implants(歯内療法の範疇:デンタルインプラント)というのがありましてpdfはこちら
直リンして良いものかどうかわからないけど。
この一文目がすこぶるショッキングw
「Placing of dental implants is within the scope of practice of endodontics. (デンタルインプラントの植立は歯内療法の臨床の範囲内です)」
歯があってこその歯内療法なのに…これじゃぁ「歯無い療法」じゃないか(←これが書きたかった)。
後は色々書いてあるけど、この考えに至った経緯を言い訳がましく(不適切?)書いているような印象。

自分の関わる歯内療法の勉強会で往々にして見られたのは「インプラントの施術に関心が大きくなるあまり、歯内療法で保存できる歯でも抜歯されてしまうのではないか」と言った素朴な(この形容詞が正しいのかどうか)議論でした。
ぶっちゃけてしまえば色々勉強されてる先生の診断基準ではそのような心配は実際杞憂に過ぎないんですよね。

そういう議論をウン十年している間にインプラント治療への信頼感は増してきて「特殊なんだけど過去ほどもはや特殊ではない」という感じにはなってきた、ということなんでしょうね。これが2013年のペーパーだから日本の意識がザックリ10年遅れてるとしてオリンピックが終わって数年経つ頃にはインプラントが「一般的な歯科治療」として認知されてるんでしょうかね。いや「一般的な歯内療法(の一部)」…これは無理だろうな。

でも正直言って、AAEの感覚というかコンセンサスとして「歯内療法の専門医が手掛けるインプラント症例」が具体的にどういう
ものか示してほしいもんです。って不勉強なだけでどこかにあるのかな。

アイオワ州での補綴治療に関して

2017-06-20 23:49:21 | 歯科全般
久々に普通の投稿。

日本の歯科臨床環境は年々変化している。
例えば自分が大学を卒業し免許を取った26年前、CAD・CAM的な補綴物は研究室レベルでは存在していたように思う。
しかしその適合性等の評価は散々なものだったように記憶している。

最近どこかの歯科医院のホームページで「コンピューターで読み取って削り出すので、適合もピッタリ」といった記述を見かけ、(自分も同様の実感を持っているのだが)改めて技術の進歩と普及を実感したり…

ただ、最新技術の日常臨床への導入は概して日本の場合は「保険診療の存在」や「日本独自の薬事体系があり海外メーカーの直売が少ない」こと、結果「導入コストが高い目になり、その結果導入件数が当初少なめで、導入コストが下がるのに時間がかかる」等々の背景があり、アメリカに比べて導入が遅い目になっている。が、確実に後追いではあるけれど導入されている。
つまり、現在のアメリカの歯科臨床環境を眺めれば十年後かそこらの日本の状況が予想できる、かもしんない。とか思ったりして。

ということでこの記事。
The Extent and Scope of Prosthodontic Practice in Iowa アイオワでの補綴臨床に関して。

調べ方としてはアンケート形式で、アイオワ州の996の一般歯科医院のうち調査に応じた289の医院からの回答を分析したものとなっている。
回答者の年齢は28歳から78歳で56.3%は個人開業とある。
3か月以内に上下総義歯をセットしたことがあるものは68.1%、部分床義歯では88.9%。
同じk3か月以内にインプラントの関わる補綴物をセットしたものは76.4%、インプラント埋入の外科処置も行ったものは11.6%であった。
20%近い医療機関で印象用デジタルスキャナーが具備されていた。
(ミリングマシーンに関しては無料で読めるAbstractでは具体的な数字は記載されていない…)

*****

アメリカは結構な格差社会なのもあると思うけど、現在でも上下総義歯の需要が相当あるのには驚きました。
また専門医制が確立しているからか、インプラント関連の補綴物をセットする医院が必ずしもインプラントの埋入までは手掛けていないんですね。ざっと計算しなおすと、インプラント補綴する医院の85%くらいが埋入は外注、という計算になるような。
自分も外注しているのですが、こういう方法がポピュラーになると患者さんに取ってもインプラント治療が敷居の少し低い選択肢になると思うのですが、日本もそういう方向に行くのでしょうか。

デジタルスキャナーに関しては…アメリカでも「ちょっと普及し始め?」というくらいの数字ということになりますか。

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久しぶりなので「文章を書くこと」にどうも乗り切れないな。。とか思いつつ。

こんどこそ

2017-06-14 23:51:06 | Weblog
二つ前の投稿から9年半も経ってしまった。

その間色々なことがあったけど、職場の引っ越しをしたり子供が成長したり自分が年を取ったり。
去年ようやくマイクロスコープを導入したり、念願のアメリカ旅行を決行してシュルツミュージアムに行ったり。

もう一度行けたらなぁとも思うので、英語の勉強…の一環でまた英語の文献を読もうかな、と思いつつ。
最近は要旨の斜め読みばっかりだけど。
ここも再開すれば一つの動機になるかな?

たぶん一週間以内に何か投稿…できたら良いなぁ。

セラカルLC

2014-01-09 23:50:44 | 歯科全般
随分久しぶりの投稿はこのセメント。

モリムラが扱ってるビスコ社のセラカルLC
覆髄専用セメントという限定的な用途しかないものの、去年の5月の発売以来使用していますが、今のところすこぶる印象が良いです。深い窩洞での修復処置でも経過は安定していますし、直接覆髄でも術前が冷水痛程度の誘発痛のみで露髄時の出血が軽微な場合は一ミリ径そこそこの広さで露髄しても安定した経過をたどっています。
正直、これのおかげでかなり抜髄症例も減ったように感じます。

久々に

2014-01-03 23:28:51 | Weblog
ものすごい放置してたけど、今年は唐突にココを続けたくなったので、こっそり再開するつもり。
次の投稿はいつかちょっと未定だけど。一応予告。

横浜市瀬谷区歯科医師会のホームページで・・・

2007-12-28 10:52:32 | Weblog

患者さんで横浜市瀬谷区出身の方がおられまして、正月帰省されるので念のために歯科救急を調べて欲しいと頼まれた。んで、http://www.kdent.net/sda/kyujitu/kyujitu.htmと横浜市瀬谷区歯科医師会のサイトに書かれているのをチェックして、プリントアウトして患者さんに渡そう…と思ったら、印刷物を見ると中央にマル秘のマークが。こういうところにそんな電子透かしを入れるのってアリですかね?
このまま渡すけど、かっこ悪いと思う。


科研製薬、来年初から歯周組織再生剤P3開始

2007-11-17 09:24:16 | 歯周治療
お久しぶりです。
かなーり忙しいので放置してましたが…
久々に歯科的に良いニュースがあったので記録がてら。
#このニュースはコレの続きの話になるんですよね。

***** 以下ココから引用 *****

2007年11月13日(火)
科研製薬、来年初から歯周組織再生剤P3開始
 科研製薬は、bFGF塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を使用した歯周組織再生治療剤「KCB-1D」について、今後の開発計画を明らかにした。フェーズ3は08年1月から09年10月に実施する予定。同剤の中でもっとも強い歯槽骨の再生作用を示す「KCB-1D0・3」製剤群をプラセボ群と比較。患者数は、プラセボ40例対同剤120例の計160例。10年3月の承認申請を目指す。KCB-1Dのピーク時売り上げ予測は100億円。
 [医療/ライフサイエンス] 

***** 引用終わり *****

健保適用なるのか、なるとしたらいつなのか(ならないと使用すると混合診療になっちゃうので)その保険での適用条件はどうなるのかとか色々湧き上がる疑問はありますが…

頭痛防止のマウスピース

2007-02-23 09:17:45 | 歯科全般
目的が頭痛防止なので歯科とは直接関係できるかどうか…
なんだけど、こんなマウスピースがアチラでは流行ってるようで。
http://www.headacheprevention.com/index.htm

なんかTMJにも応用できるとか・・・なんだけど。

自分は患側の小臼歯部でロールワッテ噛んでもらうんで症状が治まる場合も多いなぁと感じてまして、ロールワッテ数十本渡して経過観察ってのも多いけど。

これくらいなら日本にも入ってくるかな?
それともやっぱり薬事でブロックされるかな?

顎態模型?

2007-02-19 09:40:20 | 歯科全般
昨日なんとなくこれを一冊買ってきたんですよ。

そしたらイキナリ四歳の娘に「ありがと♪」と奪われたのですが。
そこそこよくできてますよ。
歯の形は全然イイカゲンですが。

という訳で改めて三冊買って来ました。

とにかく190円は安いです。

アットレー購入→失敗…

2007-02-15 18:57:09 | 歯科全般
値段に釣られて@tray(アットレー)なる印象用トレーを購入しました…

んで、使用するために滅菌したのですが…



これ、オートクレーブ使用不可だったんですね。
コートされたプラスチックがボコボコになって出てきました。

今日びオートクレーブできない商品が売られていることにビックリしました。

後で確認したら上のサイトにもパンフレットにも一応「オートクレーブできません」と断り書きはありますけどねぇ。。



「オートクレーブできません!!」



やっぱこれくらい書いてくれないと。


でもこれ最大の温度60度なんですよ。
うちの食洗器でも70度で洗えるってのに。
普通の弁当箱でもそれに耐えられるってのに。



ホントにホントに本気で驚きました。

皆様も購入前には十分ご確認を。