ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

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ソーシャルワーカーの専門職としての価値とは

2008年06月23日 | 社会福祉士
 私は、ソーシャルワークで、人々に対する専門職としての価値は重要であると認識しているが、それのみを過度に強調することには弊害が大きいと考えている。ソーシャルワーカーの価値は他の専門職と全くかけ離れたものではなく、程度の差こそあれ、他の専門職の価値とさほど大きな違いがないと思える。医療でも、当然、利用者への尊厳の保持が強調され、現在はインフォームドコンセントの重要性が指摘され、利用者の自己決定が重視されているからである。

 ただし、このことは、ソーシャルワークの価値が大事でないと言っているのではない。間違いなく、大事であることを前提にしてのことであるが、ソーシャルワークは価値の世界に入り込むことで、知識や技術といった専門性が疎かにされることがないようにとの警告である。さらに厳しく言えば、他の専門職に比べて、知識や技術が十分に成熟していないことを自覚すべきではないかということである。

 先般、医療の領域で倫理学を学んでいる2人の研究者と食事をさせて頂いたが、専門職の価値と自らの専門職独自の知識や技術を駆使して仕事を実施していく中で、価値と知識・技術の関係について議論した。すべての専門職は、利用者の尊厳というすべての人々の人格に備わっている絶対的な価値を実現していくことにあり、そのために、自らの専門職と専門性と価値観を活用するとの話を聞いて、なるほどと納得した次第である。

 専門職の価値としては、ソーシャルワークであれば、(社)日本社会福祉士会の倫理綱領であったり、バイスティックの原則といったものがある。また、医療であれば、生命倫理である、①自律・自己決定原則、②利用者に幸福を与えられるような善い行為である善行原則、③利用者への害を避ける無危害原則、④人々を公正・平等に扱う原則といったものがある。これらは、基本的には類似した価値である。

 ソーシャルワークについていえば、独自の知識・技術や価値でもって、ソーシャルワークが捉える「人間像」がイメージできると考える。すなわち、人間のどこにソーシャルワークが捉える課題を見いだし、その人間とどのように解決していくのかという観点でもって、ソーシャルワーカーの捉える人間像が作られるのかなあ?と漠然と考える。結果として、ソーシャルワークは医療と類似しているが、ニュアンスの異なる価値をもつことになると思える。

 これは、医学も同じで、生命倫理と言った価値に加えて、知識や技術の体系を兼ね備えて、医学が捉える「人間像」が出来上がっているのではないだろうか。結果として、すべての人間を支援する専門職が捉える「人間像」に共通するものが、他の一切の価値を超える尊厳ある存在としての人間像ではないのだろうか。

 いずれにしても、ソーシャルワーカーは、人間をどのように捉え、どのように支援していくかの、人間像を学生に教育できることが、価値と知識・技術を超えて、到達しなければならないテーマのように思える。それが、食事を一緒にさせていただいたお二人からすれば、人間に対する尊厳といった絶対的価値なり倫理に相当するのであろう。


 
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4 コメント

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介護支援専門員とケアマネジャー (どりーむ)
2008-06-24 22:05:35
白澤先生へ

先生のブログを読ませて頂き、ほとんどは励まされているのですが、ときどき、介護支援専門員(あえて、ケアマネジャーとは書きません)としての私は、なにを支えにしているのだろう・・・と不安になるコトがあります。

私の名刺には、事業所の意向で看護師・介護支援専門員と記載されています。しかし、看護業務は行っていません。逆に、福祉関係の教育関連の就職を探そうとしても、社会福祉士の資格がないことがネックになりそうです。確かに、介護支援専門員は、高齢者支援を中心に(自己)学習はしていても、社会福祉全般を学習している訳ではないので、それもそうだよな・・・と思ったりしています。

そうすると、介護支援専門員は、どこで、誰に教育されるのか、根っこをどこにおろせばよいのか・・・。私が、社会福祉士の資格をもてば、このような悩みはなくなるのか・・・。以前、「資格では仕事はしない」といったことを書かせても頂き、そのことと矛盾しているようにも思うのですが、今、ここで、しっかりと行くべき道を求めていかなければ、介護支援専門員はケアマネジャーになれないように思ったりしている、今日このごろです。
日にちを間違えました (どりーむ)
2008-06-24 22:08:13
本当は、25日付けのブログにコメントした買ったのですが、間違えてしまいました。申し訳ありません。
悩みは尽きないものです (白澤政和)
2008-06-24 22:40:31
 コメント、有難うございました。ご無沙汰ですね。

 社会福祉士からみると、看護師はうらやましいと思います。なぜなら、仕事の内容が社会によく分かり、業務独占の部分があります。

 ただ、日本での看護職は、アメリカ等に比べ、生活面を支える視点が弱く、身体面に焦点が当たっていると思います。そのため、社会福祉士の資格があればと、思われるのでしょう。

 アメリカでは、看護師はもっと生活支援の視点が強いのですから、どりーむさんも、アメリカ型の看護師を目指せば、介護支援専門員の仕事と看護師は密接につながり、すばらしい仕事ができると思います。

 一方、多くの資格をとって、マルチの仕事をすることも、一つの生き方だとは思います。

 あせらず、じっくりと考えてください。
ありがとうございます (どりーむ)
2008-06-24 23:56:26
白澤先生へ

早速、お返事、ありがとうございます。
ブログは、朝に夕に、読ませて頂いています。

今日のことを書こうかどうしようか、数日迷っていたのですが、書かせて頂いて良かったです。ありがとうございました

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