介護と福祉、医療を考える

前文京区議会議員の鹿倉泰祐です。
介護難民・医療難民が生まれるのは何故か。
介護と福祉、医療について考える。

衆議院選挙 各党公約 ②医療制度

2012-12-06 17:07:31 | Weblog
 衆院選の医療政策について各党の公約をまとめました。
基本的な論点は、国民皆保険制度と地域医療を確保するという社民党・共産党、消費税を前提として医療制度の現状維持を図る民主党・自民党・公明党、医療崩壊につながりかねない「混合診療」の解禁を行うという維新の会・みんなの党という争点になっています。


社民党 国民皆保険制度の堅持、地域医療の確保を掲げる

 地域医療の確保、特に、救急・産科・小児科・麻酔科などの医師不足の解消、医師や看護師など医療従事者の労働条件の改善と人材育成、がん対策、肝炎対策、難病対策、後期高齢者医療制度の廃止、70―74歳の医療費の窓口負担割合1割の据え置き、国民皆保険制度の堅持と市町村国保への公費投入、混合診療の解禁を求めるTPPに反対すること等を公約としている。どの政策も医療難民の発生を防ぐために取り組むべき課題となっている。

民主党 後期高齢者医療制度廃止の公約違反が続く

 国民健康保険料の5割軽減、2割軽減の対象者を拡大とするが、国保の運営を都道府県単位化とするのみでは、財政危機にある国保への対策が不十分となる。地域の医師不足、看護師不足への取り組みにしても、政権党として公費投入が明記すことが必要ではないのか。また、2009年の衆院選マニフェストに引き続き、後期高齢者医療制度の廃止を掲げているが、3党合意を前提として実現をめざすでは、今回も公約違反となるのではないだろうか。

自民党 消費税増税か医療崩壊か

 医療保険制度については、社会保険制度を基本としているから、現在の制度を大きく変えることはない。しかし、公費負担の財源は消費税としているので、その消費税増税が実現しなければ、小泉内閣と同様の医療費の自然増も削減するという政策となる可能性が大きい。
医療制度の基本的な考え方は、医療保険制度の財政基盤の安定化、保険料負担の公平の公平確保、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化、真に必要な医療の提供を挙げているから、国民には消費税の更なる増税か「医療崩壊」かという選択を迫るものといえる。

公明党 公約の実現可能性は自民連立政権で低下

 国民健康保険と協会けんぽへの公費投入拡大による財政強化、高額療養費制度の見直し、ワクチン助成やがん対策の強化・促進、難病対策、再生医療、救急医療基本法の制定、医師不足地域の解消、18歳まで医療費負担1割等の公約を掲げているが、自民党・公明党との連立政権を前提とすれば、医療費抑制の下でのこれらの公約の実現可能性は相当低くなると考えるのが自然ではないだろうか。

日本未来の党 公約は準備不足
 
 後期高齢者医療制度の廃止と、国民皆保険の堅持、医療保険制度の一元化を掲げた。

日本維新の会 国民皆保険制度の崩壊につながる医療ビジネス化?

 「骨太2013-2016」は、現状認識として、医療の持続可能性に対する不安を表明し、基本方針では「受益と負担を均衡させる」とし、公約ではないとする「政策実例」では、「適正な保険料の設定・適正な給付」としている。問題となるのは、経済財政の「政策実例」で、「診療報酬点数の決定を市場に委ねる制度へ」、「混合診療の解禁」を明記した。これらの政策実例は、アメリカの医療ビジネスがモデルと考えられ、実行されれば国民皆保険制度を崩壊させる直接の引き金となる。

共産党 窓口負担軽減で医療崩壊を立て直す

 医療費の窓口負担を引き下げ、医療崩壊を立て直すとしている。子どもの医療費を国の制度として無料化、現役世代は2割、高齢者は1割の負担とする。他、国保料の軽減と診療報酬の引き上げと医師・看護師の増員をすすめるとしているが、公約としてはあまりに単純化すぎるのではないのか。

みんなの党 「混合診療」の解禁は保険診療の崩壊を招く

 医師数の増や「医学部・メディカルスクールの新設を解禁」、医療行為を認められた看護師「ナース・プラクティショナー」資格の導入、健康保険制度の段階的な一元化・運営のブロック単位化、医療保険の月収上限の撤廃を掲げている。「混合診療の解禁」は、医療費の増大・保険診療の崩壊につながる可能性がある。

新党大地 地方の医師不足を解消。

国民新党 消費増税に賛成する条件の一つに「増税分の用途は医療、福祉、介護、子育てをはじめ社会保障・年金制度の充実と国民皆保険制度を維持するために限定化」を挙げたている。

新党日本 なし