師匠のつぶやき

笑鄰会の主宰者 小林碧雲師匠が、
書道に関係あることないことを問わず
折りに触れて感じたことをつぶやいていきます。

「タテ書き」と「ヨコ書き」について

2014-12-01 16:20:56 | 日記
一般に表装された掛軸には、タテ長のものが多いが、ヨコ長のものもある。
 この2~5文字のヨコ形の掛軸は、一般に右から左へ書かれている。今は、左から右へ書いても良いので、そういうものが増えてきた。
 この間、毎日NPの『書の美』に島谷弘幸氏(東京国立博物館副館長)の一文の中に「宝蓮華」の文字を右から左へ書かれた江戸時代中期の作品の説明があり、最後に「余談であるが・・・」とことわって、これは『横書き』ではなく、実は一行一字詰めの『縦書き』であると書いてあった。
 又、最近の左から右へ書かれた『横物』が、本来の意味の『横書き』なのであるという。
 私は、右から書こうが、左から書こうが、「横書き」であろうと思っていた一人なので、右から書く「横書き」は一行一字詰めの『縦書き』とは思わなかった。
 もし、今後このような手本を書く場合は、「一行一字詰め」としての余白を利用する『縦書き』にしなくてはいけない。心して、書かなくては、と思っている。

 皆さんは、この意味を理解していただけたでしょうか。
 勉強になりましたよネ。