アイスを食べ終えた俺達は、避暑地としてタカの家へ図々しくも上がりこんだ。タカの家は、2階建のどこにでもあるような家で、学校から2駅ほど離れたところにある。ちょっと市内からは離れていて、郊外にあたるんだけど、今日は俺の家に行くわけじゃないし、まあ、タカの家で落ち着こう、ということで。
タカの部屋は2階にある。
ちょうど部屋の窓から見える位置に木の枝が伸びていて、緑の葉が少し弱くなった日の光に当たって、キラキラと輝いていた。
「しかし、見かけずによらず、片付いてるな~、この部屋」
アキラが感嘆の声を挙げた。確かに、タカからは想像できないけど、部屋は清潔に保たれている。うかがわしい種の本やそういった類のモノは一切見当たらなかった。
「タカだって、やるときはやるじゃん」
葵が意味のわからないほめ方をする。
それから、タカとアキラはテレビゲームを始めてしまった。
あまりゲームを好きじゃない俺と葵は、見る側に徹したのだが、見るだけ、というのもなかなか面白い。
そんなかんじで時間はあっという間に過ぎていってしまうのだが、人生もこんな感じなんじゃないだろうか。見ているだけで過ぎていってしまう人生。さみしいな。もっと行動的になろうじゃないか。見る側じゃなく、どうせなら見られる側になりたいな。
「おい、俺にもやらせろ」
「おう、かわるよ。ほれ。」
なんかの、戦闘機のゲームみたいだった。
開始10秒。俺の戦闘機は煙をあげて撃沈した。
どうやら、まだしばらくは、見る側にいないとダメらしい。
また葵と二人で後でゲームを眺める時間が始まった。
「ねえ、さっきの男の子、誰なんだろうね」
「あ~。うちの学校の制服だったけどな。見たことないな」
「ちょっと、気になるね。ふふ」
「なんだ?一目ぼれか??」
「そんなんじゃないけど~、ほら、正体が気になるじゃん。なんか、謎に包まれてる感じがするし♪」
それは、葵がただあいつのことを知らないだけなんじゃ・・・・
そんな感じであっという間に夕方になって、まだ一応春なわけだから暗くなるのは早いし、暗くなったら肌寒いわけで。
俺達はタカにさよならを言って、家をあとにした。
さっきまで輝いていた葉っぱは、浴びる光をうしない、しんなりしていた。
まるで、スポットライトを浴び終えた後に、舞台裏でぐったりしている役者みたいに。
誰でも、いつでも見られる側ってわけにはいかないんだな。
タカの部屋は2階にある。
ちょうど部屋の窓から見える位置に木の枝が伸びていて、緑の葉が少し弱くなった日の光に当たって、キラキラと輝いていた。
「しかし、見かけずによらず、片付いてるな~、この部屋」
アキラが感嘆の声を挙げた。確かに、タカからは想像できないけど、部屋は清潔に保たれている。うかがわしい種の本やそういった類のモノは一切見当たらなかった。
「タカだって、やるときはやるじゃん」
葵が意味のわからないほめ方をする。
それから、タカとアキラはテレビゲームを始めてしまった。
あまりゲームを好きじゃない俺と葵は、見る側に徹したのだが、見るだけ、というのもなかなか面白い。
そんなかんじで時間はあっという間に過ぎていってしまうのだが、人生もこんな感じなんじゃないだろうか。見ているだけで過ぎていってしまう人生。さみしいな。もっと行動的になろうじゃないか。見る側じゃなく、どうせなら見られる側になりたいな。
「おい、俺にもやらせろ」
「おう、かわるよ。ほれ。」
なんかの、戦闘機のゲームみたいだった。
開始10秒。俺の戦闘機は煙をあげて撃沈した。
どうやら、まだしばらくは、見る側にいないとダメらしい。
また葵と二人で後でゲームを眺める時間が始まった。
「ねえ、さっきの男の子、誰なんだろうね」
「あ~。うちの学校の制服だったけどな。見たことないな」
「ちょっと、気になるね。ふふ」
「なんだ?一目ぼれか??」
「そんなんじゃないけど~、ほら、正体が気になるじゃん。なんか、謎に包まれてる感じがするし♪」
それは、葵がただあいつのことを知らないだけなんじゃ・・・・
そんな感じであっという間に夕方になって、まだ一応春なわけだから暗くなるのは早いし、暗くなったら肌寒いわけで。
俺達はタカにさよならを言って、家をあとにした。
さっきまで輝いていた葉っぱは、浴びる光をうしない、しんなりしていた。
まるで、スポットライトを浴び終えた後に、舞台裏でぐったりしている役者みたいに。
誰でも、いつでも見られる側ってわけにはいかないんだな。