昨日までイギリスからのお客様がきていた。それなりに走り回った三日間。
クリストファーは15歳。
駅でたくさんのイギリス人少年の中から、彼がお宅にステイするクリストファーと、紹介された時に安堵を覚えた。
クリクリの金髪で背が高いが、目を見て話すと、優しい。
我が家の玄関でたどたどしく靴を脱いでいる様子を見て、ああ、違う文化で育ってきたんだ。
と、改めて気づく。逆に言うと、それくらいの時しか違いを感じない。
私の中での子供と言うやつの十羽ひとからげ感が、国籍をも超えてきていることに、我ながら驚いた。
お土産にくれたフォートナム&メイソンの紅茶の缶の包みからも、ビッグベンの3Dパズルからも、いい香りがする。外国の匂い。
一緒にいると必ず気分が良くなる。クリストファーもお土産も、しかり。きちんと英国紳士の国ってやつなのだ。
クリストファーに、彼用に箸と茶碗を用意して、家族の一員。これは帰りに渡してお土産になる。
部屋は、只今受験生で個室を仕様している次女が2日間だけ明け渡してくれる。あ、の、次女が掃除に奮闘していた。ありがたい。
我が家での2日間は子供たちとなにも特別なこともせずすごした。
そして、そこには定例通りのキョウちゃんが混じっている。
2日めの夕食には、夫の店に寿司を頼んだ。
「寿司かぁ!オレ魚アレルギーなんだよなぁ」
キョウちゃんは叫ぶ。
いいから!今日はクリストファーが主役!
ウナギをイェールと言って、イギリスでも食べることをクリストファーに教わる。
よく考えると、イギリスの事はなにもしらない。
ビートルズ
ミスタービーン
ピーターラビット
ハリーポッター
ああ!レンタルビデオ屋さんで借りた、大好きなコメディ『ITクロウド』もイギリスのものだった!
とにかく、ハチャメチャな英語で話しかける私に、クリストファーは優しく落ち着いた対応で
「アイ」
と言ってくれる。
アイはイギリス英語だと思ったら、
日本語のhaiのhを発音しないで、アイになるようだ。
とにかく、私はワーワー話しかけて、長男があきらめ顔で、きちんと話してくれる。
ハチャメチャ英語が私は恥ずかしくない。
本当はテレパシーでも手話でもいい。
残念ながら、それらよりは英語の方が広まっているので、私も頑張ってよくわからないけど英語を駆使しているだけの話。
でも、込み入った話は、ちゃんと英語を勉強している長男に負ける。悔しい。
三日目はクリストファーの団体が東京観光するのにホストファミリーもついて行っていい事になっていた。
19人のイギリス少年の団体である。
そこに混じったキョウちゃんと私は、人生最大の面白い日を過ごす事になったのだった。
続く。
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