はせがわ鍼灸院

はせがわ鍼灸院 疾患について

白内障

2008-09-07 00:40:26 | 眼科疾患
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白内障

M・T 男性
67歳 自由業

65歳の時、初めて「五十肩」になり、先生に治療していただき、ほぼ全快いたしました。水平にもならなかった肩が、
今では不自由なく生活できるまでになりました。また、「65歳でも五十肩ですか」という、私のぶしつけな質問にも
ご丁寧に説明いただき、病気に正しく向き合うことが治療の第一歩だということを知りました。さて、今回は、白内障について
お聞きします。最近、視力が衰え、室内では気づかなかったのですが、外にでてみると見えにくいのです。治療法をお教えください。

Mさん、五十肩が全快したのは、ご自分でも一生懸命に取り組んでおられたから、ほぼ3ヶ月で完治したのですよ。
「65歳なので、六十肩と名付けてください」とMさんがおっしゃって、二人で大笑いをしたことを昨日のことのように覚えています。五十肩は60代、70代でも発症しますし、一度なったから二度はならないと油断なさらず、普段からよく肩を動かすように心がけてください。(注・「五十肩」治療に関しては、別項目で詳しく記述していますのでそちらをご参照ください)

さて、白内障についてですが。
Mさんがおっしゃるように、室内ではよく見えるのに、外の明るいところでは見えにくく、また、夜になるとよく見えたりします。
「白内障」とは、目に中でレンズの働きをしている水晶体が濁り、モノが見えにくくなります。
驚ろかせるつもりはありませんが、世界的に見ると、白内障は失明原因の一位になっています。
日本では人工レンズ手術が有名ですが、ほとんどの患者さんは、「まだ手術の必要は無い」という状態が主流のようです。
ですから、手術をすすめる眼科医がいたら、セカンドオピニオン(もう一つ別なお医者さん)に診ていただき、手術の必要があるかどうかを確認なさるといいと思います。
費用もさることながら、手術という心理的負担も大きいですからね。

ある女性患者さんで、白内障の手術をすすめられ、そのストレスから「顔面神経麻痺」になった方もおられます。
(注・「顔面神経麻痺」は20代及び、50代の女性が多いのです。原因は不明ですが、私は心理的負担(簡単に言えばストレス)が大きく左右しているのでしょう。こちらも「顔面神経麻痺」の項目で詳しく記述していますので関心のある方はご参照ください)

話を「白内障」に戻します。
患者さんの訴えで多いのは、「何を見てもかすんで見える」、「すりガラスを通して見ているみたい」などのほかに、「モノが二重、三重に見える」や「メガネで調節してもピントが合わない」といった声もあります。
しかし、痛みや、かゆみも無く、充血することもありません。ただ、視力が落ちてくるので、「年なのかなあ」と思ってしまうようです。
白内障は、早い人で30代から始まり、60代で50%、70代で60%、80代になるとほぼ100%と、加齢とともに増えていきます。
この疾患の原因である「加齢」以外ですと、紫外線やタバコ、さらに、糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド剤の服用などがあげられます。
一般的に、白内障は水晶体の周辺部から白濁し始め、次第に中央部分に浸潤してきます。

レンズの働きをしている「水晶体」は、一度濁ると元には戻せません。
鍼灸治療では、まず身体全体の健康を調整し、心と身体の安定をはかります。
そして、白内障の進行を遅らせ悪化を防ぐのです。ほとんどの患者さんが、「視野が明るくなった」、「眼の疲れが取れた」とおっしゃいます。
針治療の順番は、まず、目の周辺(といっても、中国のように直接、眼球に打ったりしませんのでご安心ください)では、「さん竹(さんちく)」(眉毛の内側)、「客主人(きゃくしゅじん)」(目尻の外側)などに、顔面用の極細の針を用います。痛みは全くといっていいほどありません。
後頚部では「風池(ふうち)」(後ろ髪の生え際、外側)、肩の中央からやや頚部寄りにある「肩井(けんせい)」などを選穴します。
昼間は、モノがギラギラして見づらく、イライラも募っているはず。肘の上部にある「曲池(きょくち)」、背中の肩甲骨の下、背骨寄りにある「かくゆ」というツボで疲れ、ストレスを取り除きます。
足では、「太衝(たいしょう)」(足の親指と人差し指の間、上方の骨がクロスするところ)などを選穴します。

白内障は、加齢とともにやってくる眼科疾患。それだけ長生きしたと思い、ゆったりとした気持ちで向き合い、治療を続けられることをお勧めします。


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緑内障

2008-09-07 00:39:56 | 眼科疾患
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緑内障

E・R子 女性
45歳・主婦(パート勤務)

最近、子供たちとバトミントンをしていたら急に羽ボールが視野から消えてしまい、ショックを受けました。
以前から、目がかすむことがあり、気にはなっていたんですが、そのままにしていました。年齢のせいにしていたのですが
メガネを作り直すために検査をしたら、眼圧が少し高いといわれました。緑内障になると視力が落ちてしまうと聞き不安になりました。中国医学で治るのでしょうか?

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まず、緑内障とはどんな病気かを理解しましょう。
私たちは様々な情報を目を通してキャッチします。その情報は、視神経を通じて脳に送られます。
その視神経が何らかの原因で障害を受け、視野が欠けるなどの症状がでるのが緑内障です。

メールをいただいたR子さんには、眼科で検査を受けてもらいました。すると、視神経乳頭のへこみが大きいので緑内障になっており元のようには見えないとのことでした。
緑内障には、眼圧が急に上がり頭痛が起きる「閉塞(へいそく)隅角緑内障」と
慢性的に眼圧が少し高い「開放隅角緑内障」があります。
R子さんは視神経乳頭の凹みが大きく、開放隅角緑内障です。

この疾患は、視野があまり欠けないうちに治療をするのが望ましいのですが、厄介なのは初期には自覚症状がほとんど無いことなのです。
視野が欠けていっても中心点が見えていれば視力は下がらないし、例えば右目に症状があっても、左目がカバーしてしまうので、少しくらい見えにくくても気づかないのが普通です。

視神経を傷害するのは、眼圧が高くなりすぎること。
目には栄養分を運ぶ房水が流れていますが、眼圧が高くなるのは、この房水が流れすぎたり、排水が悪かったりするせいなのです。
眼圧を下げるため、点眼薬や手術などの治療を施しますが、視神経が一度傷つくと元には戻らないのです。
つまり、西洋医学の治療は「それ以上、視野を失わないこと」を目的に行われるのです。

R子さんは視野を失っただけでなく、以前のような活発な生活をしていく自信まで失くしてしまいました。
主婦業をこなし、二人の男の子を高校と大学に通わせ、パートをし、お友達と楽しく旅行に行かれていたR子さん。
すっかり落ち込んでしまいました。

中国医学では、眼科疾患は目の周辺だけでなく、頚部、肩背部、下肢(足)などに刺鍼します。
基本的には、身体全体の血液循環を改良し、良好な精神状態をキープできるようにします。

患者さんの証(疾患の重症度)によって、刺鍼する部位は変わりますが、R子さんの場合は、パートが細かい伝票整理ということもあって、目がとても疲れやすくなっています。
ですから、使用したツボは、目の周りでは、「攅竹(さんちく)」(左右の眉毛の内側)、「絲竹空(しちくくう)」(眉毛の外側)など。
頚部では、「天柱(てんちゅう)」(後ろ髪の生え際)、「風池(ふうち)」(「後ろ髪の生え際の下、首の僧帽筋の両外側」など。

下肢(足)では、文字通り目の治療穴である「光明(こうめい)」(足の外くるぶしの上5寸)を中心に、その下の「陽輔(ようほ)」、「足三里(あしさんり)」(むこうずねの骨の外側、膝から下6~8cmのところ)、「太衝(たいしょう)」(足の親指と人差し指の間の上方、二つの骨のクロスする陥凹部)などです。

顔面は毛細血管が密集しているので、刺鍼は0番か1番の超細の針を使用しました。
週2回の通院治療で視力が少しづつ回復しています。ある程度の目標に到達すると、週1回の通院治療、さらに月1回の治療に変えていきます。

費用、時間、そして、心の負担、この三つをできるだけ軽くしていただきたいので、視力回復程度を明確にして、そのつどインフォームドコンセントを行っています。



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飛蚊症

2008-09-07 00:39:38 | 眼科疾患
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飛蚊症

N・H子 女性
49歳 主婦

約半年前から、目の前に黒い虫のような斑点が現れ、いずれ取れるだろうと思っていたのですが、最近になって
その黒い斑点が2つ、3つと増えてきました。夜、車を運転していて、光が目に入ったりすると、光のスジのように
きれいによこぎります。黒い斑点が増えてきているので不安です。

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H子さん、お返事が遅くなり、申し訳ありません。
あなたの眼科疾患の病名は「飛蚊症(ひぶんしょう)」といいます。

眼球の大部分は硝子体というゼリー状の組織が占めています。(いわゆる、目の玉の中身ですね)
この硝子体は外から入る光は、角膜、水晶体(レンズの働きをしているところ)、などを通り抜けて、硝子体を通過し、網膜で映像化します。
この硝子体が何らかの原因で濁ると、その影が網膜に映り、虫が飛んでいるように見えるのです。

硝子体は常に容量を一定に保っていますが、加齢などにより硝子体の中のゼリー状のものが液体に変化し、隙間があいて不均一になり、これが網膜に影となって映るのです。

飛蚊症にはいくつかのタイプがありますが、最も多いのが「硝子体剥離」です。
実は私自身、この5月から飛蚊症に罹っていました。
「硝子体剥離」は、本来、硝子体とその奥の網膜はぴったりとくっついているものなのですが、ゼリー状の硝子体は老化や近視眼で収縮し、くっついているものが離れてしまうのです。これが、硝子体剥離です。

この硝子体剥離は老化(と思いたくないですが、仕方ありませんね)現象として起こり、強度の近視の場合は必ず起こります。
また、目を強打したときも起きるそうです。

たいていの場合(私もそうでしたが)、最初は一つの大きな黒い輪のようなものが見え、やがて、いくつかの黒い点に散っていきます。

私は、飛蚊症と気づいた時、「あちゃ~!」と一瞬落ち込みましたが、すぐに、「これは自分で様子を見ながら治療していけるチャンスだ」と思いました。
5月初めに、左目に黒い点が5つありました。
治療ポイントは、眼科疾患に共通しているのですが、視神経、眼底部など、目の周辺や頚部などの血流を改善することです。

考えてみれば、今年初めから相当無理をしていたように思えます。
特に、2月3月は睡眠3~5時間が続き、休みの日にも授業に備えてのレジメ作りなどの作業に追われていて、肩こりもひどく、腰痛もあり、患者さんには「ウォーキングぐらいはやってくださいね」と言いつつ、自分は満身創痍で仕事漬けだったのです。
そのツケが回って来たのだと思います。

さて、治療家自身への治療です。
目の周辺は、「緑内障」、「白内障」、「網膜黄斑変性症」などと同じツボです。
頚部は、しょっちゅう首周りは自分で針を打っているので(ものすごい肩こりです)、後頚部は手を後ろに回して、「天柱」、「風池」、「完骨(かんこつ)」など。
問題は、肩を含めた背部、腰部が打てないことです。(太っていて、手が後ろに回りにくいと言う噂もありますが・・・)。
そこで、下肢(足)のツボが重要になってきます。
私は患者さんと同じ条件で治療したかったので、週に2回の治療と決めていました。
そこで、足への刺鍼は2パターンを考えました。

Aパターン→「親指と人差し指の間にある「太衝」と「光明」に刺鍼する。

Bパターン→「太衝」の少し先にある「行間(こうかん)」と「光明」のやや下にある「陽輔(ようほ)」に刺鍼する。

これを交代で打っていきました。
結果、どちらのパターンが効果があったのか分かりませんが、黒い点は1つになりました。
週2回、3ヶ月の治療でほぼ完治の状態です。
ずいぶん見やすくなり、目の疲れを感じなくなり、ずっと黒点が気になっていたストレスからも解放されました。

あとの黒点1つは残してあります。
実験的に、顔面(目の周辺)に刺鍼するのをやめ、下肢(足)だけの治療で黒い点が取れないかを試してみたいのです。
患者さんの中には、どうしても顔面に刺鍼するの抵抗がある人がおられるので、そのような試みをやってみようと思ったわけです。

飛蚊症には、大部分を占める「硝子体剥離」のほかにいくつかの症状があるので説明をしておきます。

「生理的飛蚊症」・・・病気ではなく飛蚊症を感じる場合があり、胎生期に消失すべき硝子体の中の組織がそのまま残って飛蚊症と感じるものです。

「網膜裂孔」・・・網膜の萎縮変性している部分を硝子体が引っ張って生じるのが「網膜裂孔」です。網膜剥離の前兆の場合があり、早急な手術の必要があります。
その手術後の経過を見て、芳しくない状態である時、鍼灸治療が有効に働きます。

「硝子体出血」・・・糖尿病や高血圧のように目の中で出血して硝子体に入り込むと飛蚊症と感じることがあります。まず、糖尿病や高血圧などの元の疾患の治療が先決です。

このように、飛蚊症には様々な症状があり、目というデリケートな部分ですので、治療には細心の注意を払い、まず、専門医の意見を聞き、疾患をよく理解し、自分の症状に合った治療を受けられることをお勧めします。


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夏の冷え症

2008-09-07 00:39:13 | その他の疾患
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夏の冷え症

34歳・女性
N・Hさん

夏になると手足が冷たくなり、冷え性で悩んでいます。
肩もガチガチになり、ひどくなると吐き気や下痢を伴います。
もう、高校生の頃から続いています。まだ自分じゃ若いと思っていたのに、もう「おばん」なのでしょうか。
解決法はあるんでしょうか?

冷え性に悩んでいる女性は多いようですね。夏の冷え性の最大の原因はエアコンの冷房によるもの。
実は、男性の私も、夏のエアコン冷房は大の苦手です。喫茶店など、一時間以上、いるところでは必ず、
セーターや上着は手放せません。
さて、冷え性に関して面白いデータがあるので、参考までにご紹介します。
エスエス製薬が2004年4月に女性千人を対象に、夏場に感じる冷えの実態調査をしています。
その「冷え性白書」によると、冷房による冷えを感じる割合は、全体の77%!!
しかも、年代が若くなるほど、夏の冷えに悩む傾向が強いことが分かりました。
「人工的な冷えで不快」、「体調が崩れる」といった意見が多かったそうです。
ですから、N・Hさん、まだまだお若いということですね。

さて、本題に入ります。実は、冷え性の原因は、西洋医学ではほとんど解明されていません。
ここまでのこの文章で「ヘン」なことにお気づきでしょうか?「冷え性」としているのは西洋医学の観点からです。
専門医もほとんどいなく、「冷え症」ではなく、「冷え性」といて紹介されているのも、病気として扱われていないからです。

東洋医学の立場から「冷え症」を解明していくと、おそらく「ウン、そうだ」、「私も!」と言う方がたくさんいらっしゃると思います。
「冷え症」とはまず、「体内で熱を作る量が減り、続いて、血行障害で熱の運搬がスムーズにいかなくなり、その結果、手足をはじめ体の各所に冷えを感じるようになります」。
冷え症が比較的若く、働いている女性に多いのは、不規則な食事やダイエット、胃腸機能の低下、運動不足により、「熱」が作られていないから。さらに、ストレスによる自律神経系統の失調、低血圧での血行不良などが女性に顕著なためです。

といって、手をこまねいている場合ではありません。対策をバッチリ、行いましょう。
まず、「食事」。夏でも温かく消化のいいものを選ぶことが大切です。
私が、冷え症の患者さん、ダイエットをされている患者さんに、バカの一つ覚えのように(言い方が乱暴でススミマセン)
「夏こそ、鍋料理!」と言っているのは、よくご存知でしょう。
朝食に温かいスープや、(ダイエットの方には)具沢山の味噌汁をおすすめしていますね。
朝は体温が低く、代謝機能も落ちていますから。
そして、首周辺やお腹は冷気を避けてください。人間の、体には脳や臓器を優先して一定の体温に保とうと血管を調整する仕組みがあります。首周辺やお腹が冷えそうになると、この仕組みが働いて、血管が収縮して(特に、末梢の血管)、その結果、手足が冷たくなるのです。

さて、N・Hさんの悩みの一つである、「冷えすぎて、吐き気や下痢」の症状が起きる点について。
吐き気は、上に書いたように、胃に優しい食べ物で調整してみてください。最近の若い皆さんのファッションは「スゴイ」ものがありますね。冷気充満の居酒屋で「ヘソ出しルック」、涼しい商店街で「背中おっぴろげファッション」や「胸元がらあきファッション」をよく見かけます。こまめに、温かくして、体を守ってあげてください。
そして、「下痢」についてですが、下痢は、非感染性とその他に大別されます。夏のクーラー病の下痢は非感染性下痢だと思われます。やはり、冷たいものを飲みすぎたり、体が冷えていたりすると身体が疲労し、腸菅での水分の吸収がうまくいかず、便が固まる前にお「押し出される」状態ですね。

鍼灸治療では、全身を調整するツボ(「足三里」など)へ刺鍼し、まず全体をなめらかな状態に戻します。
そして、へその上方にある文字通り「水分(すいぶん)」というツボや、へそとみぞおちを結んだ中央の「中かん」、さらに、
ヘソの横方にある「天枢(てんすう)」などのツボを使い、刺鍼、置鍼(ちしん・鍼を数分間ツボに刺した状態で置いておく治療法)
、場合によっては「お灸」を据えたりして、治療します。
N・Hさん、昨年の夏にメールをいただいておきながら、返事が遅くなってしまい申し訳ありません。しかし、その後来院されたN・Hさんは、上記のような治療でおよそ2ヶ月で、長年の「夏の冷え症」が改善されました。
夏の冷え症で悩んでいる皆さん、治療だけに頼らず、生活改善で、ずいぶんと冷え症は緩和されます。
夏の鍋料理で、汗をかきつつ、冷たいビールをぐぐぐっ(っと、これがいけない!!!)。皆さん、気をつけて!


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片頭痛

2008-09-07 00:38:38 | 頭痛・目眩い
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片頭痛
 
48歳・女性
A・N子 主婦

以前から頭痛持ちで、特に、天気が崩れる頃にズキズキと左のこめかみの辺りが痛み出します。
いったん片頭痛が始まると2~3日は気分が悪く、何もする気が起きません。主人には申し訳なく思っているのですが、
自分の意思に反して身体が動かないのです。ウォーキングなどの運動をしても良くなる気配がありません。
このまま一生、片頭痛に悩まされるのかと思うと余計に憂鬱になってしまいます。どうぞ。お助けください。

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頭痛に関しては、日本では「たかが頭痛」という概念が定着し、周りの理解がなかなか得ることができませんね。
「なまけ病」とみなされるので、心身ともに疲れ果て、治るものも治らなくなっているのが現状です。
まず、片頭痛の正しい知識から整理していきましょう。
片頭痛はれっきとした「治療すべき病気」なのです。

頭痛は、他の病気が原因で起こる頭痛と、頭痛そのものが原因で起こるものとがあり、「片頭痛」は後者です。
その特徴をアトランダムの列挙しますと

・周期的に襲ってくる

・動くたびにズキンズキンと激しい痛みがある

・その痛みで家事や仕事に集中できない(吐き気をもよおす)

・運動をすると余計に痛みが増す

・光がまぶしく感じる(頭痛が起きる前に視界がチカチカする)

などです。
上記の症状に2~3、該当するようなら片頭痛の可能性が高いといえるでしょう。

気をつけなければならないのは、「片頭痛の見逃し」です。
「緊張型頭痛」とよく似た症状なのですが、これの原因は肩こりや首こりです。
この緊張型頭痛は、確かにしんどい頭痛ですが、日常生活に支障は出ません。

しかし、「片頭痛」は最近まで医師の方にも誤解があって、「片頭痛そのものが病気」という考えがありませんでした。
そのため、ほかの病気を疑ったり、検査をしても何も出ないので「異常なし」とされてきました。

さらに、「片」と書くので、頭痛の片方だけが痛むと考えがちですが、実際に片方だけが痛いという患者さんは約半分に過ぎません。

片頭痛は遺伝的要素が大きいとされ、完全に予防できる方法が無いのが現状です。
頑張ろうとしているN子さん、片頭痛は立派な病気なのです。
頑張りすぎず、早めの治療をお勧めします。

東洋医学の治療としては、片頭痛は体の他の部分に何かしらのトラブルがあり、その信号として捉えます。

アナタの身体のエネルギー不足なのか、アレルギー疾患が原因なのか、ホルモンバランスの崩れなのか、自律神経失調症からの不定愁訴なのか、あるいは、それらが二重、三重に重なっているのか、を診ます。

ツボとしては、「頭痛なのだから頭だけ」を選穴するのではなく、頭部から、上肢(腕)、そして、下肢(足)へと下りていきます。

頭部のツボとしては(患者さんの愁訴によって当然大きく異なりますが)、「太陽(たいよう)」(目尻と眉尻の延長線上の交差点)や「百会(ひゃくえ)」(頭の中央。両耳から頭頂に向かった線上)、頚部では「風池(ふうち)」(後ろ髪の生え際の下。首の僧帽筋の両外側)を使います。

手では、「合谷(ごうこく)」(手の親指と人差し指の骨がクロスする、人差し指側の陥凹部)。
足では「太谿(たいけい)」(内くるぶしとアキレス腱の間)、「太衝(たいしょう)」(足の親指と人差し指の上方、骨のクロスするところ)などを選穴します。

たかが頭痛、されど片頭痛、です。QOL(生活の質)を保つためにも、まずは片頭痛の正しい理解からはじめ、自分自身の症状をよく見極めてください。

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網膜色素変性症

2008-09-07 00:37:59 | 眼科疾患
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網膜色素変性症

S・H江 女性
68歳・主婦

私は横浜に住む主婦ですが、母の目のことでご相談したくメールいたしました。母は我慢強い人なので肩こりや、膝痛などは「放っとけば治る」と、なかなか病院にも行きません。しかし、最近、暗いところで見えにくくなり、さすがに心配した私の顔を立てて眼科に行ってくれました。そうしたら、「白内障」と「網膜変性症」と診断されました。白内障に関しては多少なりとも知識はあるのですが、「網膜変性症」は初めて聞く病気なので驚きました。一体、「網膜変性症」は治るのでしょうか?母は姫路に住んでおりますので、そちらの治療院がいいかと思い、ご相談させていただきました。

「網膜変性症」は進行性の眼科疾患なので、すぐにお母様のS・H江さんに来ていただき、インフォームドコンセントをし、同意を得ましたので、横浜の娘さんにも連絡して病状を説明し、こちらも同意を得ましたので、網膜変性症の治療に取りかかりました。

網膜変性症は、眼球の内膜の網膜という光を感じる膜があり、この網膜の細胞の遺伝子に異常があり、モノを見る機能が下がっていく、進行性の病気です。
まず、少しずつ暗いところでモノが見えにくくなります。そして、視野が狭くなるのが分かるようになります。
進行性の眼科疾患ですから、視力も下がり始め、ようやく異常に気づくのです。

ただし、ほとんどの患者さんは、必要最小限の視力は保てるので、生活をする程度は保障されています。
そして、厄介なのは、遺伝子レベルの疾患なので、西洋医学での治療はほとんど無いのが現状です。

S・H江さんは白内障も併発されていました。これは、網膜変性症には白内障が合併することが多いせいです。
日常生活では、網膜に最も悪いとされている紫外線を避けることが大切です。
メガネも紫外線カットのものを使用し(できればS・H江さんにお勧めしたのですが、光をカットする遮光メガネなど)、車に乗られる時も、UVカットの窓ガラスのものがいいでしょう。そして、目の疲れを少しでも和らげるため、読書好きなS・H江さんには拡大鏡を使っていただいています。

さて、鍼灸治療での網膜変性症の治療法ですが、白内障や緑内障の治療法とほぼ同じです。
網膜黄斑変性症、網膜色素変性症、緑内障など、眼科疾患はほぼ共通した針治療となります。
もちろん、患者さんによって選穴は異なってきますが、顔面(目の周囲)、頚部、背部、下肢(足)と、順に刺鍼していきます。
証(その病気の重さ)によって、目に対して「栄養が行き渡らない」症状を探り出します。
中国医学的なポイントは、ストレスからおきやすい「肝鬱気滞」、消化器官がちゃんと機能しない「脾の運化失調」、気力や体力の衰えからくる「腎気不足」などが原因と特定します。(S・H江さんは、これらすべてが当てはまっていました)

顔面(目の周囲)、頚部(首)、背部、などのツボは他の眼科疾患とほぼ同じです。
下肢(足)に関しては、私が腰痛治療や冷え症などでも使うツボである、「三陰交(さんいんこう)」(足の内くるぶしの上三寸(手の指で親指以外の4本分の幅)の陥凹部)、脾経という経絡上にあり、女性器疾患や血行不良などに用いる「血海(けっかい)」(膝のやや内側、少し太腿に上がったところ)などを加えます。

網膜変性症をはじめ、網膜裂孔、網膜はく離、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞症など、なかなか西洋医学では困難とされている眼科疾患は、愛知県の一宮にある「千秋針灸院」の春日井先生が日本でも有数の「眼科専門鍼灸治療」で実績を上げておられます。(今年の鍼灸学会で「眼科疾患の鍼灸治療について、実証例を学会発表されます」
このたび、春日井先生の「千秋針灸院」さんと提携治療院とさせていただきました。
眼科疾患ほど、生活に密着した疾患はありません。また、これらの疾患に悩んでおられる患者さんの多いことは社会問題となりつつあります。
当「はせがわ鍼灸院」でも、これからも真剣に眼科疾患と取り組んでいきたいと思っています。


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尿漏れ

2008-09-07 00:37:34 | その他の疾患
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尿漏れ

W・Y子 女性
45歳・主婦

尿漏れでご相談します。二人目の子供を産んでから、尿が漏れるようになりました。
最近では、友人七人との食事会で笑った途端に尿が漏れ、下着もズボンもびしょ濡れになり、とても恥ずかしい思いをしました。
それ以来、外出するのも億劫になり、知らず知らずのうちに目でトイレを探すようになっています。
恥ずかしくて誰にも相談できません。よく、新聞などで「尿漏れが多い」と紹介されていますが、私の周りにはそんな人はいないようで、一人悩んでいます。こんな尿漏れに鍼灸治療はあるのでしょうか。藁にもすがる思いで、ご相談しました。

_____________________________________

跳んだり、はねたりの運動だけでなく、笑ったり、くしゃみをしただけで尿が漏れる。この尿漏れは成人女性の4人に1人が経験しています。
ですから、Y子さんの食事会での尿漏れは、きっとアナタ一人ではなかったはず。「実は、私も・・・」と心ひそかに思っていた友人がいたはず。それくらい、「尿漏れ」で悩んでいる人は多く、誰にも相談できずにいるのです。

尿漏れは、尿道や肛門の締りや緩みをつかさどる「骨盤底筋」が、妊娠や出産、老化などで弱ったために起こります。
女性に多いのはこのためで、さらに、男性に比べ、尿道が真っ直ぐで短いことも関係しています。

尿漏れは尿失禁ともいい、ほぼ3種類に分類できます。

お腹に力が入った時に漏れる「腹圧性尿失禁」は、女性の尿漏れの7割を占めています。
尿意をこらえきれずに漏れる「切迫性尿失禁」は、1割。あとはその混合型です。

尿漏れで相談に来られた方の話を伺うと、その問題が我々男性には想像もつかない点にあることが分かりました。
「外出先では、いつもトイレのある場所を無意識で確認する・・・」
「常に緊張しているので、イライラが募り、つい子供に八つ当たりしてしまう・・・」、などなど。
つまり、尿漏れは、身体だけでなく、心にも大きな苦痛を与えているのです。

あるデータでは、出産経験者の4割、四十歳以上の半数が尿漏れの経験があるそうです。
さて、「尿漏れ」防止法ですが、3つの方法があります。

一)「薬で尿漏れ防止」
  交感神経に働きかける薬で、尿道を締めたり筋肉を収縮させる方法です。
  しかし、種類によっては、血圧が上昇したり、便秘や眠気を誘発したりといっ  た副作用があります。
  エストロゲン剤では、子宮ガンなどの発症率を高める恐れもあると、専門医は  指摘しています。

二)「尿漏れ防止体操」
  日本コンチネンス協会が薦める「骨盤底筋体操」です。
  1・全身の力を抜き、足を肩幅より広めに開く
  2・呼吸を止めず、肛門や膣を3~5秒間締め、10秒休む
  3・肛門や膣を締めたり、緩めたりを10~20回繰り返す
  立っても、座っても、どんな姿勢でも、いつやってもいいそうです。

三)「鍼灸で尿漏れ治療」
  尿漏れの個人差が大きいので一概には言えませんが、今までの平均的な鍼灸治  療では、「足三里」、「太衝」に置鍼(鍼を浅く刺したまま5分~10分程度  置いておく)。そして、「三陰交」(足の三つの陰経がクロスする重要なツ   ボ)のお灸をします。このお灸は「安産のお灸」とも言われ、女性器周辺を緩  やかに刺激を与える効果があります。
  腰部では、お尻の割れ目のところ、仙骨の上に「次髎(じりょう)」というツ  ボがあり、男性では前立腺肥大に効果があるツボですが、女性の尿漏れ防止に  適しています。

  これら、鍼灸治療は上記の「尿漏れ防止体操」と平行してやっていただきたい  のです。(身体にいいことは何でも取り込みましょう!)

余談ですが、女性の尿漏れが社会問題化している一つの現象として、尿を吸収しやすいパッドを販売しているユニチャームの調べでは、01年以降、毎年約2割ずつ尿漏れ用パッドの市場が大きくなっているそうです。

さらに驚くべきことに、筋力低下や冷え性のためか、十代でも尿漏れを訴える女性が増えています。
一人で悩まず、専門医などに相談されるといいでしょう。


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むち打ち

2008-09-07 00:37:02 | その他の疾患
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むち打ち

I・T 男性
34歳 会社員

車で営業に出ていて、横から来た車に当てられ、むち打ちになってしまいました。
右からの衝突なので、右の首や手の痺れがあります。すぐに病院に行きレントゲンを撮ってもらいましたが、返ってきた答えは「異常なし」でした。しかし、このむち打ち以来目がかすみ、見えにくくなっています。上司からはサボっているように思われ、散々です。整形外科にしばらく通いましたが、あまり効果はなく、友人から針をすすめられました。少しずつ視力も落ちてきているように思います。針で治るものでしょうか?

Iさんのように車に衝突され、頭や首を打撲したあとに、首の痛みや手の痺れなどの症状が表れた場合を、「外傷性頚部症候群」と呼びます。
これがいわゆる「むち打ち」、もしくは、「むち打ち症」です。
目がかすむといった症状は、しばらくたってから始まったと思われます。

この「外傷性頚部症候群」は、早い話が、首の骨の捻挫が原因で起きます。
レントゲンでは異常は見つからないのが特徴です。
なぜ目がかすむのか・・・それは、首は脳に近く、自律神経が固まっており、目がかすみ、
ひどくなると、めまいも伴い、自律神経の症状がでます。
また、副交感神経が異常に興奮すると、目の屈折は近視化し、水晶体の調整力が低下して目がかすむのです。

治療穴は、後頚部では、「天柱(てんちゅう)」(後ろ髪の生え際のしたのツボ)、「風池(ふうち)」(天柱の外側のあるツボ)や、右側が痛むときは、右の「完骨(かんこつ)」(風池のさらに外側のツボ)など。
背中の、「肩井(けんせい)」(肩のほぼ中央部のツボ)など。
首の筋肉はとてもデリケートですので、細かく「圧痛点」を探し、緊張して血流の悪くなった筋をほぐしていきます。
さらに、「合谷(ごうこく)」(手の親指と人差し指の骨のクロスする、やや人差し指側の陥凹部)への置鍼(浅く刺したままそのツボにとどめて置く刺鍼法)しておくと、目の疲れ、めまいなどがとれていきます。


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リウマチ

2008-09-07 00:36:21 | その他の疾患
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リウマチ

Y・M子 女性
67歳 主婦

先日、急な腹痛で病院に行ったら、血圧が最高80、最低50、とショック状態になっていました。
すでに、胃に穴が開いており、危険な状態でした。その原因が、長年患っていたリウマチ疾患の薬のせいだと知らされ、余計にショックを受けました。
リウマチに罹ってから12年、年々、悪くなっているような気がします。針で治療法はあるのでしょうか。

_____________________________________

M子さん、さぞ、ご苦労なさったことでしょう。
リウマチは、免疫機能の異常から、関節が炎症を起こすので、身体のあらゆる関節が痛む病気です。特に、朝の手のこわばり、手足の関節では左右対称に起こります。
さらに、微熱や、身体のだるさ、食欲不振と、全身に不調が表れるのでやっかいですね。

男女比は1対4と女性に多く、進行すると、関節の軟骨が破壊され、関節の隙間がなくなるので、骨自体が壊れ、関節が変形します。

私の治療を受けていらっしゃるHさん(62歳)は、40歳の時に、ある日突然全身が重く起き上がれなくなり、お医者さんから「関節リウマチ」と診断され、抗リウマチ剤の服用を勧められ、三年間服用しましたが効果は無く、二・三年ごとに薬を切り替えて服用していますが、それでも関節の破壊は進み、缶ジュースのフタが開けられないほど指の骨は曲がり、膝や股の関節も痛み、ついに自分では動けなくなり、ご主人に連れてこられました。

問題は、抗リウマチの薬の副作用です。
承認されている11種類の薬は、それなりの効果はあるものの、炎症を抑え、関節破壊を防ぐ作用は弱く、患者の3~4割にしか効果はないと言われています。また、発疹、下痢、から、腎臓や肝臓の障害などにいたる副作用があります。 

そして、同じく、関節リウマチで治療に来られているS美さん(59歳)は、長年の鎮痛剤としてステロイドを使いすぎたため、骨がもろくなる「骨粗しょう症」になり、圧迫骨折により、身長が12センチも低くなってしまっています。

ステロイドは、一般によく使われる鎮痛剤ですが、その副作用は骨粗しょう症のほかに、白内障などの眼科疾患、心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすく、糖尿病や感染症にまで影響があるとされています。

こう書くと、まるで薬を目のカタキのしているようですが、効果が表れてラクになる患者さんと、逆に、関節破壊を食い止められず、悪化の一途をたどる人に分かれるのも事実なのです。薬は上手に付き合わないと、副作用に悩まされることになりますね。

リウマチは、痛みが全身の関節で四六時中起きるので、ベッドから起き上がれなくなったり、なにより、精神的に暗くなり、将来に対しての不安に悩まされ続けます。

リウマチ性疾患大半を占めるのが関節リウマチで、30歳代~40歳代にピークがありますが、十代や六十代の発症もザラです。
患者は人口の1%程度といわれていますが、制定年間1万5千人が新たに発症しています。そして、長期経過は人によって異なりますが、十年・二十年の間に筋力低下や関節性変形が生じ日常生活に支障をきたすようになります。

原因は、はっきりとはしていませんが、免疫機能が自分の身体の成分に対して抗体を作ってしまう異常で、自己免疫疾患といわれています。
これはまさに、免疫性や自然治癒力を活性化する鍼灸治療の対象疾患です。

昭和大学医学部の久光正教授がマウス実験で、関節炎を発症させ人間のツボの命門(めいもん)に針をしたら、有意に症状が抑制されたというデータもあります。

鍼が免疫に絶大な効果があるとされていますが、関節リウマチには上記のHさんやS美さんのように、少しずつ効果が表れているのも事実です。

患者さんによって、同じ関節リウマチでもツボの選穴は異なりますが、Hさんは、細かく関節のいたるところに極細の鍼を刺鍼していきます。S美さんは、身体全体の気のバランスを整えることを主眼にしています。


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うつのサイン

2008-09-07 00:35:44 | 心の病
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うつのサイン

K・D 48歳
男性 会社員

以前から、肩こりがひどく針治療に行っていたのですが、一向に回復しません。最近では、肩から首筋にまで凝りが広がり、
左右のどちらかの半身が痛むのです。腰痛は、学生時代にテニスをしていたので、その頃からありましたが、特に最近、ひどくなっているように思えます。頭痛もあります。
ひょっとして、内臓や血管に問題があるのかとも思い専門医に相談したり、頭部のCTを撮ったりしたのですが、何も問題はありませんでした。肩こりから、このように全身に痛みが広がることはあるのですか?

_____________________________________

Kさん、お返事が大変遅くなり、申し訳ありませんでした。できるだけ早くお返事したかったのですが、H・Pの「疾患データ」のまとめに時間がかかり、今に至ったわけです。

肩こりから全身に痛みが広がり、とても不安な状態で働いていらっしゃるKさん。
内臓や血管に原因があると思われるのも不思議ではありません。
しかし、Kさんの「痛み」の原因は「こころ」にあると思われます。
家族関係や、会社でのお立場、交友関係など、様々な要素を考えなくてはなりませんが、それらのいずれかが(あるいはそれらの複数が)Kさんの精神的ストレスとなっていると思われます。

「痛み」はそのサインなのでしょう。おそらく、Kさんは軽い「うつ病」の状態であると思われます。

一度、心療内科か、精神科のクリニックを受診されることをおすすめします。ご自分の疾患を確認し、それと向き合うことが、病気を治す第一歩なのですから。
まず、「うつ病」について少しお話させていただきます。

よく、「うつ病は心の風邪」と言われますが、そんなに軽いものではありませんし、簡単に治るものでもありません。
うつ病は「脳の疲労」です。考えすぎて、脳が混乱し、疲れてしまい、うまく機能しなくなった状態です。
脳が疲労すると、どう決断するかに時間がかかり、同じ考えがグルグルまわり、堂々巡りをしだします。
その間、記憶力や集中力も低下し、テンションを持続する「気」が衰えてしまい、やる気がなくなるのです。

ここで一度整理しますが、「うつ病」は大きく分けて2つに分類できると思います。
一つは「大うつ病で、もう一つは軽度のうつ症状がでている「気分変調症」です。
大うつ病はれっきとした病気ですが、気分変調症は「うつ病」に近い症状で、いわゆる「グレーソーン」に位置します。
大うつ病がブラックだとすれば、気分変調症はブラックに近いグレーというわけです。
このグレーが健康に近いほどホワイトに近く、大うつ病に近いほどブラックに近いグレーになるわけです。

私も含め、このグレーゾーンにいる人が7~8割程度だと思います。
大うつ病になれば抗うつ剤(SSRIなどの選択性セロトニン再取り込み阻害薬)が必要です。
グレーゾーンの私たちは、不眠が続くようなら導眠剤、気分が不安定なら安定剤など、うまく薬とお付き合いできるといいですね。

軽度のうつ症状である「気分変調症」の特徴は、まず、朝の調子が悪い。夕方には元気になるが、一日持続しない。
何事にも、興味が無くなり、喜びを感じることが少なくなります。笑顔が消えてしまうのです。
後ろ向きで考えるようになり、自分を責めるようになります。
寝不足で疲れているのに、早朝覚醒(朝早く起きてしまい、そのまま寝られない)になり、身体のあちこちが痛み出します。
この、身体の痛みは、あるときは左半身に、あるときは右半身に、といったカンジで移動します。

これらの「うつ症状」の「サイン」を見逃さないようにしないと、限りなく「大うつ病」に近くなるのです。
気分変調症のうちに早めに治療をすれば、元気という「気」を取り戻せます。

私の治療院では、「うつ症状」を3つのカテゴリーに分けて治療しています。

1)「肝気うっ血型」(いつまでもクヨクヨ考えて、気分はイライラしている人)
  もう過去のことなのに、こだわり続け、物事を後ろ向きに考えてしまう。
  脈は弦を弾くような感じ。
  頭痛、不眠が常にある。 胸や脇腹が痛い。 唾が粘っこく、ため息が多い。
  治療穴・「風池(ふうち)」、「神門(しんもん)」、「内関(ないかん)」、「太衝(たいしょう)」など。
     (ツボの位置は他の項目で詳しく説明していますのでご参照ください)

2)「腎虚型」(身体がだるく、胸騒ぎがして眠りが浅い人)
  頭が重く、耳鳴りがして、眠りが浅く、夢ばかり見る。
  脈は細く速い。
 のどが渇き、足腰がだるく、生理痛がひどい(男性の場合、インポテンツ)
  治療穴・(「肝気うっ血型と同じツボを用いますが」、生命エネルギーが不足しているため、さらに
        「心兪(しんゆ)」(第5胸椎の横、脊柱起立筋の中央)、「腎兪(じんゆ)」(第2腰椎の横、脊柱起立筋の中央)、
        「太谿(たいけい)」(内くるぶしとアキレス腱の間、陥凹部)、などを加えます。

3)「気血不足型」(しんどくて、何もする気が起きない人)
  特に朝は何もできず、動くこともしんどい。顔色が悪く、青白い。
  脈は細くてかすかに触れる程度。
  呼吸も浅く、寝ていても起きている感じがする。 口数が少なく、感情が出せなくなっている。
  治療穴・(「肝気うっ血型」、「腎虚型」に加え)
        「合谷(ごうこく)」(手の親指と人差し指の間の骨がクロスする少し上の、人差し指側の陥凹部)、
        「安眠(あんみん)」(首の前部にある胸鎖乳突筋の頭の乳様突起の下)、など。

人からは「なまけ病」と思われる「うつ症状」ですが、家族には自分の症状をきちんと話し、理解を得ることが大切です。頑張りすぎず、自分なりのペースが作れるといいですね。

また、夫や妻、両親など、周りの人が発している「うつ症状」のサインを見逃さないように注意する必要があります。人前では元気に振る舞い、独りになると落ち込んでいる「仮面うつ症状」の人がとても多いのです。  

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強迫性障害と引きこもり

2008-09-07 00:35:09 | 心の病
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強迫性障害(と、引きこもり)

たけお 男性
22歳 学生

私は子供の頃から潔癖症で、自宅以外の扉のドアノブが触れませんでした。
常に、世の中が汚染されていると思い込み、電車の中ではつり革も触れず、マスクをして空気を吸わないようにしていました。
外出する時は胸がドキドキし、気分が悪くなることもしばしばでした。精神科の治療を受け、外出の時のドキドキ感はなくなりましたが、まだ、ドアノブに触れたり、つり革や、公衆トイレを使うのには抵抗があり、苦労しています。
将来に対して不安で仕方ありません。こんな私でも、治るのでしょうか。

_____________________________________

告白しますが、私も子供の頃は強迫神経症でした。大学時代、アパートで一人暮らしを始めたのですが、ドアの鍵が気になり、何度も施錠したかどうかを確認したのを憶えています。
小学生の頃は、自分のカバンの中に盗聴器が仕掛けられているのではないかと疑って何度も何度も調べたり、大人になっても、水道の蛇口から漏れるポタポタという音が気になり眠れなかったり、母親以外の人が握ったおにぎりが食べられなかったり、(そのくせ、コンビニのおにぎりは食べられるのですが)、超神経質で、いろんなことが気になってしょうがない自分自身を持て余していました。

そんな私ですが、鍼灸治療家として歩み始めてから、様々な疾患に接し、それを理解することによって、気持ちに余裕ができ始め、自然と「普通の人間」になっていきました。ずいぶんと、ココロがラクになってきたのです。

直木賞作家の奥田英朗さんの「空中ブランコ」という作品に、強迫性障害になった人物が登場します。
この人物は、学会の発表の場では「欽ちゃん走り」で登場してみたくなったり、義父がカツラであることを人前でバラしたくなる衝動に駆られたり、バカげているとは分かっているのに抑えきれない自分を持て余しているのです。

これに対する治療法は、さすがに物語なので、ちょっと???・・・と思いますが、「空中ブランコ」をお読みいただき、参考にしていただきたいと思います。

この、強迫性障害の患者さんと、非常によく似た症状を持つのが「引きこもり」の患者さんです。
なかなか理解できない病気には、私たちはどうしても「遺伝的要素」を真っ先に思い浮かべてしまいますが、それ以上に、育った環境が人格を形成していることを忘れがちです。

性格形成は、まず体質遺伝があって、その後になされるので、後発的なものです。
従って、身体と精神は少しの狂いから生じるもので、そのゆがみの性格を形成した親と、性格を形成して成長している本人自身が自己確認しなければ、一生かかっても治らないものだといえるでしょう。

しかし、強迫性障害も引きこもりも、鍼灸治療によって大幅に改善されます。
ただし、身体と精神とのバランスが大切なので、治療する側と、治療を受ける側との、コミュニケーションは必要欠くべからざるものですね。
強迫性障害と引きこもりの2つのパターンとその治療穴を紹介しておきます。

1)「肝気うっ血型」(いつもイライラしているタイプ)
  このタイプは、過去にとらわれくよくよしている。 精神が抑圧されため息が  多い。 胸やわき腹が痛い。動悸がおきやすく唾がネバネバしている。
  眠りが浅く夢ばかり見る。

  治療穴は後頚部では「風池(ふうち){(後ろ髪の生え際の下、僧帽筋の両外  側)、上肢(腕)では、「神門(しんもん)」(手首の小指側)、「内関(な  いかん)」(手首の横紋中央から肘に向かい上2寸)、など。下肢(足)では  「太衝(たいしょう)」(足の親指と人差し指との間、二つの骨がクロスしる  ところ)など。

  この「肝気うっ血」型がさらに悪化していると「肝火上炎」といい、消化器官  の脾胃(ひい)が虚損している場合があり、その時は、「足三里」や「上巨虚  (じょうこきょ)」などを加え、生命エネルギーを補います。

2「心脾虚損型」((やる気が起きなく、食欲もないタイプ)
 このタイプは、神経も磨り減っており、なにもやる気が起きない。そんな自分が 信じられず、受け入れられない。
 不眠、寝てもすぐに目が覚めてしまう。 物忘れが多く、集中力が持続しない。
 顔色も悪く、舌の色は薄く白い場合が多い。 疑い深くなり、涙もろくなり、し かし感情を出すのがヘタ。

 治療穴は「神門」、「内関」を中心に、背中の「脾兪(ひゆ)」(第11胸椎、 きょく突起、両側の脊柱起立筋の中央)や、下肢の「足三里」や「三陰交(さ  んいんこう)」(足の中央の骨の内側、うちくるぶしの上3寸のところ)などを 加えます。


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網膜黄斑変性症

2008-09-07 00:34:25 | 眼科疾患
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網膜黄斑変性症

赤穂市に住む男性
64歳・自営業

以前から、家の柱や桟がゆがんで見えていましたが、特に痛みがあったわけではないので、そのままにしていました。
最近になって、片目で見ると、黒ずんだように見えるので眼科に行くと網膜黄斑変性症と言われ、レーザー治療を受けましたが視力は回復しません。
新聞も読みにくくなってきています。何かいい治療方法はありませんか。
__________________________________________________________________________

網膜の中心部分を黄斑部といいます。この部分の下に新生血管という弱い血管ができ、そこが出血してしまうのが網膜黄斑変性症です。
これは進行性の疾患で、出血を繰り返すうちに視野の中心部が見えにくくなる網膜の病気です。
アメリカでは失明の原因の第一位を占めており、食生活の欧米化が進むのに伴い、日本でも増加しています。

赤穂市に住む男性が受けたといわれるレーザー治療は、正確にはレーザー光治療(光線力学療法)という治療法で、病変部にレーザー光を照射して、新生血管を焼くもので、病変部分のみの治療なのです。

しかし、網膜黄斑変性症の根本的な治療が必要な眼底周辺の血流改善にはなっておらず、悪化する可能性もあります。
この男性の、レーザー光治療後も視力回復に至っていない原因はここにあると思います。

西洋医学にも、東洋医学にも、長所や欠点はありますが、特に眼科疾患には細心の注意が必要です。

レーザー光治療(光線力学療法)は新生血管が中心部に及ぶ場合に選択すべき治療法です。
確かに、治療は数日の入院で済みますが、視力低下の可能性もあり、新生血管発生の可能性が変わらないため、再発や、もう片方の目にも発病する可能性があります。
網膜黄斑変性症には萎縮型と滲出型とがあり、レーザー光治療では萎縮型には無効です。

逆に、東洋医学(中医学)では、「眼窩(目玉周辺の窪み)」に針を打つことがあり、紹介する患者さんの写真(後日、掲載)のように、ある治療院で「眼窩」に刺鍼したため、必要以上の腫れができてしまっています。
中国では「眼窩」に刺鍼することが多いのですが、効果は大きいのですが、このような事故が起きるのも事実です。



写真の患者さんのような例は稀です。これは、もう、鍼灸治療家の治療法と、治療技術と、リスクマネージメントの問題でしょう。
「はせがわ鍼灸院」では、患者さんの心理的負担と、リスクを考慮して、「眼窩」には刺鍼しないことにしています。
これは「緑内障」「白内障」などのすべての眼科疾患についても同じです。

治療法は、目の周辺の血流を改善し、眼底部分の炎症を治めることを目的とします。
従って、目の周辺も、「眼窩」に針を打つことはなく、眉毛の両端の「攅竹(さんちく)」、「絲竹空(しちくくう)」など。
後頚部、背部、下肢(足)などで、ツボは「緑内障」や「白内障」などとほぼ同じツボを選択します。

ちなみに、写真の「眼窩」を打たれて腫れを生じた患者さんは、腫れが引くまで2週間を要しました。治療は、腫れが引いてから行い、上記の治療法で、当初は週2回の通院治療を3ヶ月続け、視力回復の兆しがみえた4ヶ月目から週1回の通院、6ヶ月目からは月1回の通院治療をしています。視力は左(0.1以下)が(0.4)にまで回復しました。

もちろん、眼科医での視力検査は定期的にやっていただいています。
西洋医学、東洋医学を問わず、患者さん御自身が納得されるまで説明を繰り返し、インフォームドコンセントとコンセンサスをきっちりやることが、「視力回復」という目的達成への最大の近道だと思っています。

目の周辺の血流改善という、回り道のようで、実は最も確実な効果をあげ、しかも副作用のない中医学の治療法は、多くの眼科疾患の関係者に注目されています。
愛知県一宮市の「千秋針灸院」の春日井先生のように、数多くの実証例をお持ちの優れた治療家とも連携しつつ、眼科疾患の難病と向き合っていきたいと思っています。


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ドライアイで目以外の症状が

2008-09-07 00:33:42 | 眼科疾患
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ドライアイで目以外の症状が

noriko 女性
神戸市 事務 32歳

最近、年のせいか目が疲れて困っています。仕事で、パソコンを使うことが多く、できるだけ目薬をさすようにしていますが
それでも、目だけではなく、肩こりや腰痛もひどいのです。眼科医に行ったのですが、「ドライアイですね」と簡単に言われ、
目薬を貰っただけで終わりです。鍼灸で治す方法はあるのでしょうか?

_____________________________________

パソコンは、私たちの生活でなくてはならないものになっていますね。
仕事に、遊びに、パソコン画面との「にらみ合い」は、これからますます増えていくのでしょう。

京都府立医大のデータですが、パソコン関係の仕事従事者10250人にアンケート調査した結果、4人に3人に「ドライアイ」の疑いがあると診断されました。
昔の事務の仕事といえば、デスクに向かい、ひたすら電卓を打って計算し、帳簿付けが多かったようですが、今は、ひたすらパソコン画面とにらめっこ。
私もそうですが、パソコンの画面を暗くしてできるだけ目への負担を軽くしているつもりなのですが、焼け石に水状態のようです。

さて、疲れ目の話から始めましょう。この「疲れ目」の要因は、目の酷使です。
長時間のパソコン作業、読書、精密な作業、などが長時間続けば疲れ眼になります。
また、全身疾患や肉体的、精神的疲労から疲れ目になります。と同時に、疲れ目から全身疲労になり、さらに内臓疾患にまで及ぶことがあります。

たかが、「目」の疲れ。されど、「目」の疲れ、とでも言いましょうか。
まさに、「目は体の調子のバロメーター」なのだと思うのです。
鍼灸師として、眼科疾患に特に注目している私としても、たかがドライアイと、放っておけない問題なのです。

まず、「ドライアイ」という疾患の説明をさせてください。
ドライアイとは、涙液の分泌が少なかったり、涙が流されないよう目の表面の油層が足りなかったりして、目が乾燥する状態です。

いま、涙液と書きましたが、この涙液は目にはとても大切な働きをします。涙液はまばたきをするたびに出て、目にまんべんなく行き届かせ、目に入っているゴミなどを洗い流したり、殺菌したり、また、栄養分を運んだりします。

そして、まばたきについてですが、その働きは分かりやすく言いますと、「車のワイパー」だと思ってください。
通常、まばたきは1分に約20回繰り返します。しかし、読書では7回になり、パソコン操作では5回程度に減るのです!!!

眼科の権威である慶応大学医学部の坪田一男教授によると、目の疲れの原因の6~7割が「ドライアイ」、3~4割りが「目の調整能力異常」によるものだと発表されています。

坪田教授はドライアイについて次のような警告も発しています。
「目が乾けば疲れるし、それがストレスとなり、ストレスは更に涙を出しにくくする」と。
教授は続けます。「疲れ目は、慢性疲労につながる」と。ココが重要です。

メールをくださったnorikoさん、決して「年」のせいではありません(笑)。norikoさんのように、ドライアイが女性に多いのは、涙液や目の油層を形成するのが脂質で、この脂質を分泌する「マイボーム腺」は男性ホルモンに支配されており、この分、女性は働きが弱いのです。

話がちょっと難しくなりましたので、家庭でもできる「ドライアイ対策」をお教えします。
これをすれば「ドライアイ」が相当、緩和されます。
その方法とは、「泣く」ことです。

東京工業大学の感性工学を研究しているグループが行った実験で、私も「やっぱり!」と、思わず膝を打ったデータがあります。
複数の女子大生を対象に感動的なドラマを見せ、その気持ちと脳波の変化を測定したのです。

その結果、ドラマに感動しても、涙が流れる瞬間まではストレスの度合いが上がっていくのですが、涙が流れた瞬間にストレスの度合いが下がっていったのです。
つまり、涙をこらえると、ストレスの度合いが上がり、落涙した瞬間にストレスがとれるのです。

この、面白い実験を裏付ける科学的根拠としては、東邦大学の生理学の有田秀穂教授の「涙と自律神経」についての説明が分かりやすいので付け加えます。
「感動は一見、交感神経が支配する気持ちの高ぶりや興奮に思えるが、落涙の瞬間は交感神経優位から、副交感神経優位にスイッチが切り替わった証拠」と、発言されています。

涙腺を支配しているのは、自律神経のうちの、気持ちを落ち着ける副交感神経なのです。
これは、泣く時に繰り返されるリズム、笑う時のリズム、丹田呼吸法(ヘソ下にある重要な部分で、ここに力を入れてする呼吸)のリズム、などと同じで、ストレス解消に働いています。

さて、ドライアイをはじめとする、疲れ目、それに伴う肩や首のこりの鍼灸治療法ですが、肩こりとは、一般に首の付け根から肩甲骨にかけてのこりと、首筋や背中に広がる痛みを含みます。

疲れ目から、過度のストレスや疲労で筋肉の緊張が進み、乳酸などの老廃物が筋肉中にたまって、首筋を中心としたあたりの神経を刺激するので、筋肉にこりや痛みが生じます。

疲れ目には「攅竹(さんちく)」、「絲竹空(しちくくう)」などの、眉毛の両端のツボを用いるのが一般的ですが、目と眉毛の中間の延長線上にある「太陽(たいよう)」は、置鍼(鍼を浅く刺してしばらく置いておき、血流を改善する刺鍼法)すると、めがウソのようにスッキリします。

肩こりには、首を前に曲げたときに出っ張る首の骨と、肩の端を結ぶ線上にある「肩井(けんせい)」、後頭部にある「風池(ふうち)」、「天柱(てんちゅう)」、背中側では肩甲骨の内側に沿った「こうこう」、「はくこ」というツボ、さらに、肘の重要なツボである「曲池(きょくち)」などを使います。

今もパソコンに向かっている私は、防腐剤の入っていない目薬を差しつつ、後頚部の「天柱」、「風池」にはちゃんと置鍼しています。
いま、午前2時30分。
今日(というか、昨日)は午前10時半からパソコンを打っていますから、もう、16時間もやっていることになります。
と思うと、急に疲れが出てきました。
限界を通り越して肩も首もバリバリ。
こーゆーことをやっているので「飛蚊症」にも罹ってしまうのでしょうね。
皆さん、気をつけましょう!(←「おまえじゃ!」って?失礼しました)


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IT眼症が目を襲う

2008-09-07 00:32:57 | 眼科疾患
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IT眼症が目を襲う

山下 女性 36歳
福崎町 派遣社員

3年前からパソコンの業務に就きました。半年後から目の疲れがひどくなり、そのうち肩こりや腰痛も出始め、夫から「うつ症状がでている」と言われました。すぐに眼科に行き診てもらったら「ドライアイです」と言われ、点眼薬をもらいましたが、目の疲れはひどくなるばかりです。派遣先を変えてもらおうかと思いましたが、今はどこへ行ってもパソコンを使うからガマンするしかないと言われますます落ち込んでいます。単なる「ドライアイ」とは思えません。針治療で治るものなのでしょうか?

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山下さんに限らず、私たちの生活や仕事はパソコンなくしては成り立たなくなっていますね。
目の疲れや、痛み、そして肩こりに腰痛、さらに進んで、うつ症状・・・これらの症状はパソコンによって引き起こされた「IT眼症」と呼ばれています。
吐き気や頭痛などの症状がでても、目に関係があるとは分かりにくく、人知れず悩んでいる方がとても多いのです。

ひと頃は、「VDT症候群」とも言われましたが、日本眼科医会が「IT眼症」と統一して研究を始めています。
その「IT眼症」の主な症状を3つのカテゴリーにまとめてみました。

1) 目の症状
目の乾き・視力低下・眼精疲労・涙の減少・目の痛み
2) 体の症状
肩こり・首こり・体のだるさ・背中の痛み・関節痛
3) 神経の症状
頭痛・めまい・吐き気・不安・うつ

山下さんの症状はほとんどすべて、これに当てはまりますね。
そして、この「IT眼症」は、パソコンを仕事に使っているほとんどすべての人に関係しています。
この最も有効な方法は、最後に述べます。しかし、ほとんどの人が「がっかり」します。ま、最後までお読みください。

「ドライアイ」については、その項目で記述しましたのでここでは省略しますが、オフィスで働く人の4分の3がドライアイの疑いがあります。
IT眼症は文字通りIT(情報技術)に関しての疾患。目は長時間、パソコン画面と書類との往復を余儀なくされています。
つまり、30~50センチの距離の往復で脳をフル活用しているわけで、この脳が疲れるとピントを合わせて近くを見る時の調節がうまくできなくなります。
当然、まばたきの回数も4分の1に減少し、涙が蒸発しやすくなり、目がゴロゴロして痛くなり、眼球に傷がつく可能性も高くなります。
特に、コンタクトレンズをしている人は、普段から涙が目全体に広がりにくい状態になっているので要注意です。

そして、ここ数年のIT技術の進歩で、目を取り巻く環境はさらに複雑になっています。
電車の中で必ず見かけるのが、携帯メール。あのメールのやりとりで小さい画面を凝視し、目の負担を大きくしています。
電車の中の明るさが変化している状況での目の酷使は、想像以上の眼精疲労を強いています。

本来、人間は生まれたときは遠視の状態で、7~8歳までに正常な視力を得ます。25歳前後まで近視が進み、45歳前後から老眼が始まります。今までは、この25歳から45歳の間に近視でも度が進まない「安定期」とされてきたのです。
それが、この25歳を過ぎても近視が進む例が増えているそうななのです。

かけがえのない「目」へ悪い影響が忍び寄っています。
まず「パソコン」、様々な「ストレス」、子供から成人まで夢中になっている「携帯電話&ゲーム機」など、人類はかつてない目の使い方をしているのです。

さらに、北里大学では、「シックハウス症候群」の原因と「IT眼症」との関係に着目しています。
接着剤などに使われるホルムアルデヒドなどの化学物質は「シックハウス症候群」の原因物質として知られていますが、これらの物質が目にも作用し、「IT眼症」と同様の症状を起こすことを発表しています。

さて、「IT眼症」の最も有効な解決法は、「目を休めること」です。
やはり、「がっかり」しましたか? しかし、思い当たるところも多々あることと思います。
60分作業なら10分休む(最低5分でも!)。この繰り返ししか、有効な方法はありません。
いまやパソコンは生活必需品です。使うのをやめればいいでは解決になりませんが、付き合い方を見直す必要があるようです。
目を休める時間を確保することが、自分の目を守る最善の策です。

山下さんへの治療は「眼科疾患」で使用するツボとほぼ同じです。
肩こりや腰痛に関しては、そのつど、ツボを探り、コリをほぐしていきました。
週に1度の通院で、4ヶ月で眼精疲労は取れ、いまは、月に2度の通院で肩こりと腰痛の治療を加え、目と体と心のメンテナンスをしています。

山下さんは、60分を一つの区切りとして、5分休むという「山下ローテーション」を確保し、上司の「目」をかいくぐりながら眼精疲労を回避し、ドライアイを防ぎ、ストレスをためないようにペットの犬を飼い始めました。
便利さの代償が「IT眼症」ですが、ガマンするだけでなく、工夫次第ではうまく付き合うこともできるのです。


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逆子治療

2008-09-07 00:32:05 | 女性疾患
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逆子治療・逆子矯正率65%以上

B・N子 加古川市
主婦  34歳

いま、二人目の子供を妊娠中の9ヶ月です。医師から、逆子だといわれ、妊娠7ヶ月からずっと「逆子体操」をしていますが、
戻りません。医師からは、帝王切開を覚悟してくださいといわれました。
助産婦さんから、逆子体操より鍼灸治療の方が効果が高いといわれました。
針の治療は受けたことがありません。どのような治療なのですか。お腹の子に影響はありませんか?

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N子さん、おそらく週に2~3回、産婦人科に通われ、あのつらい「逆子体操」をなさっているのですね。
夏は本当につらい体操ですよね。(冬は冬で大変だそうですが)
初めての鍼灸ということなので、いくつかの角度からご説明しましょう。

まず、逆子についてですが、もう、ご存知だとは思いますが、改めて確認しておきましょう。
子宮内の胎児は通常は、頭部が子宮口の方に位置しているので、分娩の時、頭部から生まれてきます。
これを「順位」といいます。
しかし、全分娩の約5%が逆子での分娩です。
胎児の足、または臀部が子宮口に向いている場合があり、それを「骨盤位」といいます。
確認は、触診でもできますが、超音波診断を使えば、より確実に分かります。
100人の妊婦さんがいれば、そのうちの5人が逆子で産まなければならない、ということです。

逆子分娩で問題なのは、早産しやすい、分娩に時間がかかる、赤ちゃんが仮死状態で生まれてきたり、何より怖いのが鎖骨骨折を起こすなど、正常分娩に比べて危険性が高いお産になります。

N子さんがやっておられる「逆子体操」とは、逆子の矯正法で、母親が「胸膝(きょうしつ)位」という体位をとったり、直接お腹の上から手で胎児を回転させる「外回転法」などがあります。しかし、「胸膝位」は有効性に、「外回転法」は安全性に、それぞれ疑問視されています。

さて、中国医学の鍼灸では、逆子治療は「お灸」のみを用います。
足の小指の先端外側にあるツボ「至陰(しいん)」に、チクッとする程度のお灸を5壮(個)程度、すえるだけです。

逆子の矯正確立については、逆子治療のデータを取り、公表されている東邦大学医学部付属大森病院産婦人科によりますと、妊娠7ヶ月では90%の成功率、妊娠9ヶ月では42.5%の成功率だそうです。

これは、鍼灸師では至極当然の成功率です。むしろ、逆子が矯正されたあと、そのままにして連絡されないお母さんが多いので、東邦医大では、その分を失敗率として数字を組み込んでいると思われます。
つまり、鍼灸院での逆子治療の成功率は、遥かに高いということです。
「はせがわ鍼灸院」では、2010年5月現在で妊娠7~8ヶ月では矯正成功率は82%、妊娠9ヶ月になると矯正成功率70%台になります。

なぜ、「至陰」にお灸をすえるだけで逆子が矯正されるのでしょう。
そもそも、「至陰」というツボは、陽が尽き陰気が起ころうとして陰経に入るため「至陰」と名付けられました。
「陰陽」理論で言いますと、女性、右は「陰」なので、陰に対応する右足を中心に元気にすると子宮の機能が大幅にアップし、そのために逆子矯正が可能になるといわれています。

逆子矯正に使うツボとしては、先ほどの「至陰」のほかに、「三陰交(さんいんこう)」(足の内くるぶしの上3寸、指4本分)なども用います。
逆子の灸は副作用がまったく無い、優れた治療法の一つです。
週に2~3回の治療で、しかも身体に負担が無く、短時間で済み、矯正確立が非常に高いのです。

私の個人的な話で恐縮ですが、ある妊娠さんから、「頑張って矯正体操をしたが全然効果が無く、あと3日で10ヶ月目になる」と、電話がありました。
あと3日で妊娠10ヶ月?!さすがの私も妊娠10ヶ月の妊婦さんの逆子矯正の経験は無く、正直に「ちょっと遅すぎます。自信ありません」と、申し上げたのですが、それでもその妊婦さんは「悔しいんです。もっと早くお灸で矯正できると分かっていたら、あんなきつい体操なんかしなかったのに」と。

そして、とりあえず「お灸で逆子治療をやってみよう」という話になり、すぐに大きなお腹を抱えて来院されました。
二人目の赤ちゃんで、十年ぶりの妊娠だそうです。

「これが成功したら、きっと私たち世界新記録ですね」と言いながら、「至陰」、「三陰交」に各5壮ずつお灸をしました。
二日後に予約され、帰られました。
そして、二日後、予約の時間になってもそのお母さんは現れません。「さすがに無理だと、諦められたのかな」と思っていたら30分遅れで来院され、開口一番「先生、逆子、治っていました!」。

「はせがわ鍼灸院」に来られる前に、一応、産婦人科に行って確かめたところ、逆子が矯正されていたとのこと。
私は「電話で連絡いただいたら、それでよかったのに」と言いましたが、「嬉しくって、どうしても直接言いたかったんです」と。
このお母さんは帝王切開をしなくて無事男の子を出産されました。
鍼灸師はコツコツと地味な作業の繰り返しですが、しかし、鍼灸師をやっていて良かったと思う瞬間がいっぱいあります。


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