風の澪

春から夏、そして秋、冬。
時の流れと共に気の向くままに綴られる、ひとつのブログ

春の訪れ

2006-04-29 23:53:18 | 雑記
今日の札幌は本格的な春の陽気となり、幸先良くゴールデンウィークが到来しました。
天気は晴れて気温も18℃近くまで上がりました。

こんな日に外へ出ない手はありません。
もともと自転車でちょっと出かける用事があったのですが、それだけでは物足りないので遠回りをして行く事にしました。



まずはいつもの水辺。ここからサイクリングロードを東へ。国道231号線、石狩街道を目指す。
細波が陽の光を反射して、きらきらと輝く。
風は弱い西風。東へ向かう僕にとしてはいい帆風となりそうです。


道の脇にもかなり緑色が戻ってきた。これからの季節、新緑が僕らの目を楽しませてくれます。冬が無ければこんなに緑は僕らに鮮明には写らないだろうなぁ。

そしてそんな中に

つくしが。
僕が知らないうちに、もうこんなに春が来ていたなんて。
つくしは漢字で書くと「土筆」。
なるほど。言いえて妙。
つくしにこの字を当てた人は、とても素晴しい心を持っていただろうな。

さらに進むと見かける鳥が増えてきた。
鳶が何羽も長閑な声で啼いている。
見上げると翼を広げ、幾つもの弧を描いている。
川に目を移すと沢山の水鳥が群れている。



このあたりに、こんなにも鳥が居るとは知らなかった。
片側4車線を誇る、交通量の多い石狩街道から僅か数百メートル。
そこがこんなにも穏やかな場所だと思わなかった。


そうしてまもなく、石狩街道にぶつかる。
丁度そこは、札幌を東西に分断する創成川が伏籠川と合流する場所。



僕はいま、札幌の終着点に立っている。札幌の北端にいる。


この先の道は、穏やかな場所を離れ、主要道の喧騒の脇を走る。
右手を走る創成川。
石狩街道に出てそれほど経たないうちに、風がやみ、水面が完全に凪いだ。



水面に映る景色が揺らがず、滑らかな光を反射している。
鳶が風を掴もうと必死に重い翼を羽ばたかせながら旋回する。

こんなにも穏やかな日にはそうそう出会えない。

その後も川沿いに自転車を進めると、比較的あっけなく目的地についてしまった。

静かな空にしばし別れを告げて用事を済ませると、時計は早くも5時半を回っていた。
そういえば6時までに戻るように言われていたんだっけ。
家に向かって自転車を漕ぐ。風が無い分、タイヤが軽やかに回る。

穏やかに過ぎた今日の夕陽は、やはり穏やかな淡い赤だった。


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