函館動脈硬化懇談会

函館動脈硬化懇談会は道南地区の動脈硬化研究グループです。

函館動脈硬化研究会設立の経緯

2004-09-10 16:15:56 | 函館動脈硬化懇談会定例会
中島内科・循環器科 中島滋夫

事の始まりは萬有製薬MRの駒田次郎君(残念ながら現在は仙台に転勤)との雑談からでした。“道南地区で頚動脈超音波を用いた動脈硬化の多施設大規模臨床研究ができないだろうか?”との私の問いかけに対して“それならばとりあえず頚動脈超音波検査の勉強会を開いてみてはいかがですか?”というやいなや、当時、高橋病院に勤務し積極的に頚部エコーに取り組んでおられた辻田孝輔先生(現、ふた葉内科循環器クリニック院長)のところに話をもっていきました。その後とんとん拍子に進み杉目嘉男先生に座長をお願いして平成12年2月に“頚動脈超音波による動脈硬化の評価”という勉強会を開催することとなりました。そのとき大変熱心にコメントされていたのが現在の函館動脈硬化研究会会長、市立函館病院脳神経外科の丹羽潤先生でした。さっそくこれも駒田君の行動力の速さで丹羽先生、辻田先生、中島の3人が集まり正式に函館動脈硬化研究会を立ち上げることとなりました。以前より親しくさせていただいていた保浦内科医院の保浦眞一先生、官尾医院の平田博巳先生の5人が発起人となって平成12年6月28日に第一回函館動脈硬化研究会が国際ホテルで開催されました。この大規模多施設前向きオープン研究は辻田先生によってハッスル研究(THE HASCLE:Hakodate Atherosclerosis Study)と名付けられ、松崎隆幸先生(函館赤十字病院脳外科)、嶋崎光哲先生(同)、小笹明先生(小笹内科)、斉藤勉先生(斉藤内科クリニック)、筒井理裕先生(函館中央病院内科)、立木利一先生(函館ベイサイド病院)、遠藤明先生(えんどう桔梗こどもクリニック)、今村英一郎先生(国立函館病院循環器科、現、小笠原クリニック札幌病院)、大江安男先生(おおえ内科消化器科)、田中慈雄先生(望ヶ丘医院)らが参加してプロトコールを練り上げ平成12年11月より症例登録を開始しました。この間、毎月最終水曜日に動脈硬化に関する定例の勉強会を各病院の検査技師やパラメディカルの方も含めて開催し平成14年11月までで21回を数えるまでとなりました。また丹羽先生が中心となり計6回(平成14年は5月と6月)の脳卒中フォーラムの開催、遠藤先生の企画による10月の肥満フォーラム、12月には今年の締めくくりとして動脈硬化総合フォーラムを金森ホールで開催し、幸いにも多数の先生方やパラメディカルの方に参加していただくことができました。ハッスル研究については順調に登録が進み現在およそ1300症例となりました。この研究結果については昨年4月の日本脳卒中学会(仙台)で丹羽先生が、5月には日本動脈硬化学会(神戸)で中島がまた9月の脳卒中臨床デザイン勉強会(札幌)、11月の第47回道南医学会でも共同研究発表として報告し全国の先生方にも注目していただくことができました。忙しくも楽しい2年間となりましたが自分自身も本当にたくさんの新しい勉強をさせていただき感謝しております。臨床医学が経験医学からEBMの時代となってしまった現代、あまりにも少ない日本人の新たなエビデンスを函館という地域から発信しようという大胆にも恐れ多い(?)私たちの試みが少しづつ前進していることに対しては、とてもやりがいを感じております。動脈硬化というテーマは循環器科や脳外科のみならず、ほとんど全ての科に関連しているもので、先日の動脈硬化総合フォーラムにきていただいた江口秀一郎先生(江口眼科病院)や八雲総合病院脳外科の能條健先生にも新たに参加していただくこととなりました。今後も様々の科の多くの先生方に参加していただき、いつの日かその成果がNew England Journal of MedicineやLancetにacceptされることを初夢としながら函館動脈硬化研究会のお話を終わらせたいと思います
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