雪の積もった朝は、紫風庵の庭の訪問者を知るよいきかいだ。地面に足跡を残さない動物も、雪の上にくっきりと歩き回った足跡をのこしてくれる。足跡を見ると、今年も元気でいることがわかり、なつかしくなる。共存を心がけているせいか、雑木林のなかに家を建て住み着いても、先住者が逃げずにいる。
狐と野ウサギは紫風庵のそばまで来る。狐の姿を見たことはないが、雪のうえの足跡で、近くに住んでいることがわかる。
野ウサギは、居間のガラス戸越しによく見えるところを行き来している。その時間が短いので、行動の目的がよくわからない。冬に餌が少ないためか、ビワ、ウメ、サクラなどの苗木をかじられ、こまっている。春ランの葉もかじられているが、餌にしているのだろう。 毛皮の色は夏冬ともに茶色で、冬毛の色は変化しない。雪のある期間が短いので、冬に白く変化させるよりも、保護色になっているようだ。
狐の足跡は、写真のように一列に並んでいる。
キツネの足跡
野ウサギの足跡は、2個横に並んでいるのが後足で、縦に並んでいるのが前足の足跡だ。
野ウサギの足跡
残雪の上に、薄く新雪が積もったため、野ウサギの前足の指の跡が見られた(拡大写真)。
野ウサギの足跡(拡大)
狐の足跡の上に雪が積もってソフトな形に、野ウサギの足跡は雪がやんでからついて、くっきりしている。これで、狐と野ウサギの訪問時間がちがい、野ウサギは、天敵の狐と出会うことはなかったらしい。
今年は、猟銃を持った天敵の足跡が見つからない。放射能が怖く休猟らしい。紫風庵の庭は、今年は平和だ。来年も、その先もながく平和であってほしい。