在香港日本国総領事館からのお知らせ

今日、香港の領事館からお知らせが届きましたので、注意を喚起したいと思います。


以下、連絡文です。


最近、香港では、中国政府や香港政府の職員等になりすました者から電話があり、

架空の刑事事件に関わっているとして、銀行口座の情報や無罪を証明するための金銭振込を要求すると

いった電話詐欺事件が多数発生しております。

また、当該電話詐欺事案に巻き込まれ、欺されて別の電話詐欺事件に荷担した可能性のある事件も発生しておりますので、

以下の点につきまして、くれぐれもご注意ください。





香港・マカオにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ

在香港日本国総領事館

１　手口の具体例

（例１）中国本土の政府機関職員を名乗る人物から電話があり、「あなたは、ある刑事事件の指名手配となっている。

あなたの無罪を証明するために、個人情報を照合する必要があることから、銀行口座のＩＤやパスワードを含む身分事項を確認したい。」

旨述べた上で、実際に指名手配犯として掲載されている偽のウェブサイトを送付し、信用させる。


（例２）香港の入境事務處職員を名乗る人物から電話があり、「あなたは中国本土のある刑事事件に関わっている可能性があるため、

これから中国本土の公安へ電話を転送する。」旨述べ、中国本土の政府職員を名乗る人物へ電話が転送される。

当該人物は、「あなたは非合法でお金を搾取した容疑で捜査されているので、無実を証明するために、

指定する口座へお金を振り込んでほしい。」旨述べ、お金を振り込ませる。

（例３）香港の入境事務處職員を名乗る人物から電話があり、「あなたの友人が香港に来るために査証申請をしており、

その身元保証人としてあなたの名前が記載されているところ、当該友人が犯罪を犯したため、

同人の身元保証人であるあなたも当該刑事事件の容疑者となっている。個人情報を照合するため、

銀行口座のＩＤやパスワードを含む身分事項を確認したい。」旨述べ、銀行口座の情報を聞き出す。

（例４）宅配業者を名乗る人物から電話があり、「あなたのものと思われる荷物が、

中国本土で発生したある刑事事件のために調査を受けているので、すぐに中国本土の公安の電話番号へ電話をしてほしい。」旨述べる。

その後、公安と称する電話番号へ電話をすると、「あなたがこの荷物と関係ないことを証明するために、

すぐに中国本土で銀行口座を開設し、お金を振り込んでほしい。」旨述べ、お金を振り込ませる。

（例５）電話詐欺の被害に遭い、お金を求められたものの、支払えなかったため、その他の刑事事件に関する犯人捜査に協力することで、

お金の支払いを免除すると欺され、電話詐欺事件に荷担する。

２　注意点

　●　中国本土の政府職員は、一般の方の銀行口座の情報を聞くことは絶対にない。

　　　また、刑事事件の無罪を証明するためにお金を要求したり、銀行口座の情報を求めることもない。

　　　さらに、インターネット上に指名手配書を公表することもない。


　●　香港入行事務處は、一般人に対して、録音形式の電話はしない。


　●　もし、政府機関職員やそれに関連する職員を名乗る人物から、

　　　個人資料や財産等を求められた場合、相手の身分事項（組織名や役職など）を良く確認する。


　●　知らない人の口座に現金を振り込んだり、公共の場所にお金を置いたりしない。


　●　知らない人に子供、親戚、友人の名前を教えない。


　●　知らないウェブサイトに、個人情報や銀行口座の情報を入力しない。


　●　携帯アプリで、電話番号表示を政府機関の番号へ変えたり、

　　　外国からの電話でも香港国内からの番号へ変えたりできるので、十分注意する。


　●　電話詐欺事件に協力したことの見返りに、お金の支払いを免除するといった取引は絶対にない。


　●　電話詐欺事件に荷担したことを理由に、実刑判決を受けた事例もあるので、十分注意する。