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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

麻王(西陣、デジパチ)の連チャン促進打法について

2013-10-22 03:26:27 | 現金機デジパチ

1993年(平成5年)1月に西陣から登場した液晶デジパチ「麻王」
(検定通過時期は1992年5月)

 

★賞球…7&15

★大当り確率…1/238(大当りカウンターの範囲は「0~237」、大当り値は「7」)

★図柄…東、南、西、北、発、中、1ピン、5ピン、1索、5索、1萬、3萬、5萬、7萬、9萬(15種類)

★最高16ラウンド継続、平均出玉=2350個

★小デジタル&ヘソ電チュー付き
(左右オトシ入賞でアタッカー下の小デジ始動。小デジ確率1/2。但し、オトシをシメる店も多数。)

★保留玉での連チャン性…大いにあり(後述)


私鉄O線のYL駅「パチンコL」をはじめ、下北沢「富士ホール」、新宿・歌舞伎町「ジャックポット」(旧・日拓2)、高田馬場「日拓本店」など多くの店で実戦。連チャン狙いの単発打ちが懐かしい。

 

本機の型式名は「ルーキービジョンP-5」である。実は、本機がホールに登場する前の1992年夏、本機と盤面は異なるが同一液晶を使った「ルーキービジョン」という先行機が、東京・四ツ谷「コメット」など数店舗に限定導入された。ただ、コチラはあまりに導入率が低く、「幻の機種」と言われたほどだ。その翌年、販売名称と盤面を刷新して、本機が全国的にデビューした。

なお、先行導入された「ルーキービジョン」の型式名が、麻王と同じく「P-5」だったのか(この場合、「麻王」は先行機と中身が同一の「セル違い」に過ぎない)、それとも「P-2」など別の型式名だったか(この場合、連チャン率など内部仕様が異なる可能性もある)は不明(情報求む)。

※追記・・・その後、資料を新たに発掘して、先行導入台も「ルーキービジョンP-5」だった事が判明した。即ち、「麻王」は先行機「ルーキービジョンP-5」の単なる「セル違い」という事になる。
(追記、終わり)


まぁ、この時期の西陣といえば、正式な型式名と販売名称が異なるケースが結構あった。「花鳥風月」の型式名は「ルーキーデジロイド」だし、「花らんまん」の型式名※は「ルーキーVX」である。花らんまんの3色ブロックデジタルは、今思えば綺麗だった。いつか、記事として取り上げようかな。

※「花らんまん」の型式名(ルーキーVX)に関する記事はコチラ
 http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/03b16000f3dd0df5c6d2618718fd1a12

 

 

さて、「西陣初の液晶デジパチ」である本機だが、肝心の液晶画面は非常に「ラフ」だった。同じ液晶麻雀モノの先輩格「麻雀物語」(平和、1991年)と比べると、その差は歴然である。

ただ、ファミコン調のチープさが却って味わい深さを醸し出し、私にはむしろ魅力的に感じられた。その後に出た「春一番」の荒っぽい液晶も好きだった。逆に、本機の後継機「CR麻王伝説EX」(1996年)を見たときは、液晶やリーチは美麗だったものの、本機ほどの魅力は感じなかった。

 

本機のリーチアクションはスーパーリーチもなくシンプルだが、その単純明快さゆえ、逆にアツくなれた。

デジタルは左⇒中⇒右の順に停止。左・中とテンパイすると、甲高い中華風のBGMと共に、右デジタルがスクロールを開始する。

この時の右デジの「流れ方」が面白かった。上から降りてきたデジタルが一旦停止後、画面右に折れ曲がる感じで、次々とスクロールする。そして、最終停止1コマ手前の図柄が降りてくる瞬間、スロー回転に切り替わるのだ。この一瞬で「当りorハズレ」を判別できたので、動きは地味だが興奮するアクションだった。

また、左デジタルがスローになる時は、中デジタルも後を追う感じでスローになるが、この瞬間の図柄の間隔から、リーチが予測できるのも楽しかった。それと、デジタルが停止⇒回転に切り替わる時に、デジタルの牌がパタッといったん倒れて起き上がるのも、何気に面白い演出だった。 

 


コチラは、大当り中に登場する中華風の女の子。ただ、このギャルには麻雀物語の「さやか」や、F・パワフルIIIの「夢夢ちゃん」のような「愛称」がなかったという。有名攻略誌の「M」誌が西陣に問い合わせたところ、逆に「いいのがあったら、(愛称を)付けてよ」とメーカーからお願いされた…という逸話も残る。

 

おっと、前置きが少々長くなったが…そろそろ、タイトルにある「連チャン促進打法」に話を移そう。

麻王は、強力な「保留玉連チャン機」として知られるが、連チャン率アップの為の「促進打法」が存在した。本機を好んで打ったファンならば、大抵の方が覚えているはずだ。

その方法は、至ってシンプル。通常時、保留ランプを極力点灯させず、単発打ち若しくは保留1コ点灯をキープ。大当りしたら、各ラウンドのアタッカー開放中(チャンスタイム)に、残りの保留ランプを点灯させる。これだけで、保留連チャン率が飛躍的にアップするというものだ。

 

しかし、具体的な促進打法については、各攻略誌が解析前の実戦データや仮説に基いて、様々な「手法」を誌面で公表していた。その為、いったいどれが正しい促進打法なのか、イマイチはっきりしない部分もあった。

 

例えば、保留ランプを点灯させる「チャンスタイム」を、「リーチ発生直後から、大当り中の3ラウンドまで」とする説(A説)があった。ただ、実際は、4ラウンド以降に点灯した玉でも連チャンする事があり、このA説は信ぴょう性に欠ける。

 

これに対して、本機の連チャンシステムを、「大当り中、アタッカーセンサーが玉を感知した瞬間、点灯している保留エリアのうち、最も新しい部分のみ書き換える」とする説(B説)もあった。コチラは解析による明確な裏付けもあり、個人的にはB説が正しいと思う。

B説に従えば、大当り中の1~16ラウンドで、アタッカー奥の「10カウントセンサー」を玉が通過するたびに、その時点で最新の保留エリアだけが、何度も上書きされる。保留1コ点灯時なら保1「だけ」が、保留3コ点灯時なら保3「だけ」が、それぞれ上書きの対象となる訳だ。

新たに上書きされる乱数は計10通りで(「0~9」)、そのうち1つが大当り乱数(「7」)である。つまり、上書き発生時の連チャン期待度は、上書きされた保留玉1つにつき「10%」となる。

但し、上書きの対象は、常に「最新の保留エリア」のみ。例えば、保留1個のみ点灯した状態で大当りした場合、大当り中に2個目の保留が点灯すると、それ以降、保1エリアは上書きされずに「固定」される。

同様に、保3(保4)が点灯した場合、それ以降、保2(保3)の上書きはストップする。必然的に、保留全灯状態での保4エリアは、16ラウンドのアタッカー閉鎖まで、「最新エリア」としてひたすら上書きされ続ける。

 

このB説によると、大当り中のアタッカーセンサー通過が上書きの「条件」であるから、A説の「リーチが掛かっている間」は、全くチャンスタイムとはならない。むしろ、保留の空きを減らす危険な行為である。

また、保4点灯時は、常に保4が「最新のエリア」となる為、センサー通過毎に「1/10」の確率で保4に大当り値が上書きされる。よって、「保留全灯状態で大当りすると、連チャンしない」との説は、完全な誤りとなる。打ちっぱなしで保留満タンにして当っても、1/10で連チャンの可能性があった訳だ。

さらに、完全単発打ち(保ゼロ)での大当りと、保留を1コ付けた状態での大当りは、条件的に全く変わらないといえる。どちらのケースも、大当り中に保1のみが点灯した状態であれば、アタッカーセンサーを玉が通過する度に、保1が上書きされる。回転効率を考えれば、保1打法の方がむしろ上であろう。

 

ここで、ちょっと細かい話を…(補足)。大当り中、上書きのタイミングは「アタッカーセンサーを玉が通過した時」と説明したが、センサーを通過したからといって、必ず上書きが発生する訳ではない。実際には、センサー通過時の「約30%」で上書きが発生する。本機は、大当り中「0.002秒」周期で「リセット信号」が入るのだが、リセットが入る前に上書き用の「割り込み信号」を受け付ける必要がある。ただ、そのタイミングが少々シビアで、10回のうち7回は、割り込み信号が出ても処理に失敗してしまうのだ。よって、確実に上書きを発生させるには、新たな保留が点灯する前に、出来るだけ多くの玉を10カウントセンサーに感知させる必要がある。

 

以上の事から、麻王を効率良く連チャンさせるには、以下の条件を満たすことが要求された。

(1)通常時はなるべく保留の空きを増やす為、単発打ち或いは保1点灯をキープ(保2以上は点灯させない)

(2)リーチが掛かっても、玉を打ち出してはならない。但し、保1までは点灯させても問題ない。

(3)大当りになったら、アタッカーの開放を確認してから玉を打ち出す。

(4)アタッカー開放中は(保留が最低1個点灯している事が条件)、新たな保留が点灯する前に、出来るだけ多くの玉をアタッカーに入れる。ただ、こればかりは運に頼る部分が大きい。普通に打っても構わないが、打ち出しを調整してアタッカーに玉を流れ易くさせる努力はすべき。

(5)アタッカー閉鎖時(ラウンド間)は、玉の打ち出しを停止する。なぜなら、保留1個点灯状態でアタッカーが閉まり、ラウンド間に2個ヘソに入って「保留3個点灯」となった場合、新たに点灯した2個目の保留エリア(保1と保3に挟まれたエリア)は、上書きの機会を失うからである。チャンスタイム以外の玉の打ち出しは厳禁。但し、「ラウンド間に入賞した保留玉では連チャンしない」説は誤り。ラウンド間の入賞個数が1個だけなら、その保留エリアが「最新」のものである限り、センサー通過ごとに上書き機会がある。

(6)大当り終了後(保留消化時)も、なるべく保留エリアの空きを作っておく為、打ち出しは停止する。

 

上記の条件を満たすと、大当り中の保留点灯タイミングにもよるが、保留連チャン率は最大34.39%(全ての保留玉で書換えが起こった場合)にも達する。

初当り確率1/238で連チャン率が約34%ならば、非常に「オイシイ」機種といえるだろう。まぁ、その分、釘がガチガチの店や「単発打ちお断り」のホールも少なくなかったが…。

 

★追記(2013.10.26)

クリクリさんのコメントに関して
「『花らんまん』」と『ルーキーVX』の両機種は、別の台といえるのではないでしょうか」との質問(指摘)ですが、クリクリさんが「ルーキーVX」とする台は、正式には「ルーキーVXP-2」という台ではないでしょうか。資料を複数検証しましたが、やはり、花らんまんの正式な型式名は「ルーキーVX」です。花らんまんとルーキーVXP-2は同時登場した兄弟機で、大当り確率やデジタルは同じですが、「P-2には、花らんまんに付いている電チューがなく、リーチアクションも違っています。おそらく、クリクリさんが引用された文献では、「P-2」の表記が欠落しているのではないでしょうか。詳しくは、コチラの記事で説明(回答)していますので、ぜひご覧を。ご意見、ご見解があれば、どうぞお気軽にお寄せ下さい。

http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/03b16000f3dd0df5c6d2618718fd1a12



5 コメント

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Unknown ()
2013-10-22 09:45:36
麻王!!!
確か連チャンシステムが解明されないままうやむやになってしまった覚えがあってモヤモヤしてたのですが、10数年の時を経てスッキリしました!ありがとうございます~

単発回しが良い程度のことは分かっていたので、時々打っていましたが、ある日見知らぬ店でいきなり保留7連もしてしまい、何か悪いことをしたような気がしてそそくさと逃げ帰ったことがあります。

西陣のデジパチは、リーチ時のデジタル移行の法則があって良かったですね。リーチがスタートした地点によっては2回のチャンスがあるとか・・打ち込むと面白くなってくるような台、また作ってほしいものです。
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キターーーー (PON)
2013-10-22 22:34:12
いまでも打ちたい台5本指に入る台です。

麻王にしろ、春一番にしろ、このころの西陣は、デジタル回転中に、リーチかどうかを予想できたので、打っていて飽きない。リーチに入ると、1.5週くらいで停止するが、ビタ止まりとは違い、味がある停止の仕方。

大当たり中は、センサーの調整が?なのか結構出玉を稼げて、しかも連ちゃんもかなりする。

その印象があっただけに、CR版のデキを見たときのショックは大きかった、、、

出玉が少なくてもいい。3連ちゃんでリミットを入れてもいい。 あの頃と同じ仕様で出してほしい。
春一番、パーラーキングとともに、、、
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麻王のスーパーリーチ!? (ミロえもん)
2013-10-24 12:19:06
麻王はリーチ後に①周から②周で停止なので 同じ図柄がらスタートすると ②回熱くなれます
勝手にスーパーリーチと呼んでおりました(苦笑)

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花らんまん (クリクリ)
2013-10-25 20:53:23
ブログをいつも楽しく拝読させていただいています。90年代パチンコシーンの圧倒的情報量には驚くばかりです。
自分も90年代初頭に東京でパチ漬けのダメ学生生活を送っていたため共感出来るところも大変多いです。
さて、今回初めてコメントさせて頂いたのは文中に「花らんまん」の形式名が「ルーキーVX」と記述があったからです。
私の手元にある白夜書房の93'前期パチンコ攻略ハンドブックを見るとメインデジタル、アタッカー等の部品及び大当たり確率は同じであるものの、電チューの有無とリーチアクションに違いがあるようですにで両機種は別の台と言えるのではないでしょうか?もっともルーキーVXを実際に打ったことはないのですが・・
これからもブログの更新楽しみにしています。
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Unknown (クリクリ)
2013-10-25 21:11:39
追伸
余談ですが、僕は花らんまんや京楽サファリ3、まさむらサバンナの様にデジタル停止時はリーチの有無に関わらず必ず特定のコマ数超スローになって停止するアクションがどんなスーパーリーチよりも好きです。超スローになった瞬間に当たりが確定するので超スロー回転している数秒間に脳汁が大量分泌されてたまりません。
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