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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ワイルド4WD13(西陣、ハネモノ)

2014-02-13 19:52:14 | ハネモノ

1990年(平成2年)12月に西陣から登場した旧要件ハネモノ「ワイルド4WD13」

 

★賞球…オール13

★最高8ラウンド継続

★ハネ開閉時間…ヘソ0.5秒、オトシ0.5秒×2

★大当り中はタイヤが玉を一時貯留

★9カウント機(但し、ハネ閉鎖前に追加玉2~3個の入賞も可)

★兄弟機…ワイルド4WD11


賞球オール11の「ワイルド4WD11」(西陣、1990年)

※「13」との主な違い
・賞球数が11個と少ない
・ゲージ構成が甘め (寄り釘付近と、ヘソチャッカーの周りに違いがある)
・1チャッカーの開閉時間が0.4秒と短い。賞球の多い「13」より開放時間が短い、妙なスペック。

 

★レトロファンの聖地、西巣鴨「天国」(閉店)は、「ワイルド4WD13」を長期設置した。


西陣・旧要件ハネモノファンにとって、まさに垂涎のラインナップを誇った西巣鴨の名店「天国」(閉店)。文字通り、レトロフリークの「天国」として重宝された。

「アド街ック天国」など数々のテレビ取材を受けたほか、90年代パチンコVシネマのロケ地としても活躍(西川弘志主演「新・パチンコ物語 パチプロVS伝説の釘師」(1993年)、斉木しげる主演「田山幸憲のパチプロ日記」(1997年)など)。

⇒2001年の「天国」ラインナップ
(旧要件ハネモノ)魔界組、レッドライオンアルファ、Mr.フォール13、もちあげ隊、スケボーキッズ11、ドッカン島13、ワイルド4WD13
(新要件ハネモノ)オメデタブラザース(&Z)、ラブモーション、じゃじゃ馬キック、ダービーキング、パックンザウルス(&P2)

(旧要件デジパチ)ファンキーセブン、スーパールーレット
(新要件デジパチ)ビアホールSP、ミラクルフォースSP

※その他、香ばしい手打ちのチューリップ台(普通機)も複数設置

 


 

 

さて、旧要件時代(昭和末期~平成初期)の西陣といえば、創意工夫を凝らした「アナログ」全開の役物で、多くのハネモノファンを満足させた。まさに、西陣ハネモノが「神がかっていた」頃である。

パチンコ大賞、スケボーキッズ、マッハシュート、おジョーズランド、ミスターフォール、ドッカン島、CR-Vスペシャル、もちあげ隊、すし五郎、空中ブランコ、レッドライオンアルファ、バニーギャルズ、魔界組、ザ・拳法、ザ・カンフー、スペースドーム、赤兵衛、スーパーブラザース、アフリカンボーイ、ハワイアンドリーム、スペースファイヤー、ニューガオス、ニュー金棒くん、ももたろう、ベースボール、タンク、チェンジャーマン、ちんどんや、ちんどんショー、ダイスマン、グリーンベレー、フォートレス、大工さん、RX-5などなど…

当時の機種名をざっと挙げただけでも、まさに「豪華絢爛」という感じがする。

 

今回紹介する「ワイルド4WD13」は、そんな「旧要件・西陣黄金期」の終盤に出た一台だ。
(因みに、西陣旧要件ハネモノの最後を飾ったのは、91年1月登場の「空中ブランコ」)

この年(1990年)、西陣からは、パチンコ大賞、おジョーズランド、スケボーキッズ、ミスターフォール、ドッカン島など、ファンの記憶に強く残るハネモノの「名機」が、多く世に出ている。

そういった人気台と比べると、年末に出た「ワイルド4WD」の知名度・注目度は、少々低かった。

ちょうど、「旧要件から新要件への移行直前」という、微妙な登場時期も影響したのだろう。ホール側は翌91年の新機種大量導入が見込まれる時期でもあり、旧要件末期の新台を積極導入しなかったのも、無理のない事と思われる。都内や神奈川での設置は、あまり伸びなかったと記憶。

また、見た目のヤクモノのインパクトに比べて、ゲーム性が印象に残りづらかったかもしれない。もちろん、打ち込めば打ち込むほど、「味」の出る機種だった事は間違いないが…。


 

役物内部は、上段・下段と2層に分かれている。上段ステージ奥には、ラリーカーっぽい赤い自動車が構える。グリコのおまけみたいな、チープな車体である(笑)。

本期登場の約半年前、平和から「ラリーダッシュ」(1990年)というハネモノが出たが、コチラもラリーカーを使っていた。キャラメルの「おまけ」みたいな安っぽい役物には、共通点も多い。
(ラリー繋がりでは、本機と同時期にニューギンから「ロードダンサー」も登場。そういえば、新要件初期には、大一「スーパーウィリー」も出ていたっけ)

ただ、役物全体でみれば、本機はラリーダッシュ等と全く異なる印象を与えた。

本機の場合、車体から伸びたサスペンションの両脇に、「巨大な」黒いタイヤが付いていたのだ。

この巨大タイヤは打ち手の目を引くサイズで、普通のラリーカーというよりも、アメリカの「モンスタートラック」の印象すらあった。


 (写真はイメージ)

 

ミニカーのようなボディと巨大タイヤ。そして、両者を繋ぐ異様に長いサスペンション。こういった「アンバランス感」が、良くも悪くも本機のヤクモノ全体のイメージである。このタイヤは、大当り中に役物内の玉を「半貯留」する役目を果たした(後述)。

 

(通常時)

ハネに拾われた玉は、上段の透明なステージに乗り、ステージ奥の赤い車の両脇から落下する。

下段ステージ奥は中央が高く、両サイドが低い。ステージ奥の中央には、三角の「突起」がある。上段から落下した玉が突起に当ると、角度を変えて手前側に跳ね返る。この時、跳ね返った玉が真っ直ぐ正面に向かうと、V入賞のチャンスとなる。ただ、車の両脇から落下した玉が、中央の突起で跳ねてきっちり手前に直進するのは、それ程容易ではない。十分な玉の勢いと、絶妙な反射角度が要求される。

一方、下段で左右両脇に流れた玉は、タイヤの下をくぐって手前へと向かう(通常時、両タイヤは宙に浮いており、玉の進行を妨げない)。下段ステージ両端には、プラスチックの突起というか「ガイド」が付いている。左右から来た玉は、このガイドに沿って曲線を描くように手前のVへと向かう。

さらに、複数の玉が役物内に入ると、ぶつかり合った玉の一方がVに飛び込むこともあった。

ただし、Vの両側は傾斜になっており、中心に来た玉が少しでもV穴から逸れると、左右のハズレ穴に滑り落ちてしまう。下段の左右奥からカーブして中心に向かう玉の大半は、Vゾーンをかすめるように外れるのだ。総じて、V入賞率は低い方だったと記憶する。

 

(大当り中) 

大当りすると、それまで静かだった左右の巨大タイヤが、グルグルと回転しながら左右交互に降下する動作を、繰り返し行うようになる。この時、下段ステージの奥に来た玉が、下降したタイヤの裏側に一時貯留される(せき止められる)ケースが生まれる。

一時貯留された玉は、タイヤ上昇と同時に解除されて、手前に転がる。当然、タイヤが一度に複数の玉を貯留していれば、V継続のチャンスも大きくなる。但し、タイヤが必ず貯留する仕様ではないので、役物の左右どちらを玉が通ったか、そしてタイヤが上下するタイミングによって、貯留の成否も左右された。その意味で、本機は完全貯留型ではなく、「半貯留」タイプといえる。

ハズレ玉5カウント後、またはハネ11回開閉後に、上段奥のラリーカーの前部ボンネットが、パカッと開く。こうなると、それまで車体の両脇を通過していた上段ステージに、ボンネット内部を通って真ん中から下段に落下する、「新ルート」が出来上がる。

ボンネットを通った玉は、車の横を通らずに中央から下段に落下するので、通常よりもVに向かい易くなる。だが、ここを通った玉でも頻繁にVを外すので、油断はできない。V継続率が甘いとはいえず、1~3ラウンドの早いパンクも頻発した。初当りが厳しく、継続率もイマイチという事で、甘めの釘で勝負しなければ、痛い目に遭う事になる。

とはいえ、ラウンド後半の役物の「変化」を利用しない手はなく、なるべくボンネットを経由して、上段中央から下段にアプローチさせる事が、V継続のコツであった。役物入球数のカウントは、V両脇のハズレ穴で行われる為、普通に打っていては、ハズレ5カウント前に6個目、7個目の玉が役物に入っていて、ボンネット内を通らない危険があった。これを防ぐ為に、ハネが5個目の玉を拾った時点で打ち出しをやめ、5個目が外れたのを確認してから打ち出し再開する「小技」が利いた。

 

 

こうしてみると、ワイルド4WDは通常時、大当り共、なかなかに楽しめるゲーム性であった。登場時期が災いして、ハネモノファンの印象にあまり残らなかった本機だが、この記事をきっかけに、実機所有する方が動画アップしてくれる事を、気長に待ちたいと思う。


1 コメント

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Unknown (山形屋)
2014-02-21 05:33:55
ほんと当時の西陣は神がかってましたよね。

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