まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

フルーツパンチ(大一、一般電役)

2016-09-22 18:51:42 | アレパチ、電役、普通機

1991年(平成3年)に大一から登場した
(旧要件)一般電役「フルーツパンチ」



(基本スペック)

・賞球:7&14
・デジタル
左と右=0~9の赤数字
中:0~9の赤&緑数字とH、F
・大当り確率:1/240
・出玉:2400個以下~4000個以上(釘調整でバラつく)
・連チャン性:アリ(保留1個目での連チャン)


(新セル)


催眠効果がありそうなデジタル回転音、リーチ時の「ピピピピー」という効果音、
華やかな大当りファンファーレ、当った瞬間バックライトが真っ赤に染まる演出、
大当り中の電チューと2回開きチューリップのリズミカルな連動、バックに流れる
ロシア民謡「コロブチカ」の軽快な旋律と、全てが打ち手を魅了。電卓の表示を
思わせる、昭和チックな7セグデジタルにも、何とも言えぬ趣があった。後の
CRエキゾチックやCRフルーツパッションなどの「原型」が、まさに此処にある。


しかし、何といっても、フルパンといえば「連チャン」に尽きるだろう。
大当り中、上段の電チューが4回目の開放を終えた後、保留ランプが点灯
していれば、メインデジタルは再び変動を開始。その連チャン率は「5/22」
(約22.7%)と、大いに期待のできる数値だった。しかも、運が良ければ、
ダブル、トリプル、4連…と出玉は伸びていく(連チャンの仕組みは後述)。


一発台やオマケチャッカー機が消えて行く中で、4000発近い出玉の期待できた
フルパンは、古くからの一発ファンにとっても魅力だった。さらに、大当り中の
連チャンまで重なれば、嫌でも人気が出るというものだ。電チューのメモリーに
「F」(最大255個の入賞を記憶)まで用意があったのは、明らかに「連チャン機」
との前提であろう。当初は関西の設置が主だったが、次第に、東京や神奈川など、
首都圏エリアでも設置は増えていく。


マイホでも人気は高く、小田急線・向ヶ丘遊園駅北口の「ニューギンザ」では、
完全なる目玉機種だった。ちょうど、景品カウンター前がフルパンのシマで、
いつ見ても、空台が出ない程の人気。その分、デジタルの回りはイマイチ
だった記憶もあるが、出玉も多いし連チャンするしで、随分お世話になった。


同じ頃、この店には権利モノ「スーパースリー」や「ニューヨーク※」(共に三洋)
なども置いてあり、大量出玉ファンにも満足のいくラインナップだった。そうそう、
一発台「ターゲット」(三共)も、新要件の初期までは、まだこの店に残っていた。
因みにスロは4シマあって、奥の2シマがリノ、手前2シマがコンチネンタルI。
どちらもバリバリに連チャンして、大いに賑わっていた事を思い出す。
(※ニューギンザは、「ニューヨーク」の後釜として「マンハッタン」も設置)


本機の解析結果が出るまでは、連チャンシステムを巡って、様々な憶測が流れた。
また、各地で「裏物」絡みの情報が出たりして、何かと話題になる事が多かった。
ともかくも、当時多くのファンを魅了した、「名機」の一つである事は疑いない。


では、ここでフルパンに関する二つの「論点」(自分がそう思うだけだが)
について、少々説明を加えたい。やや難解な話も絡んでくるが、ご辛抱を…。



(論点1)
~フルパンの連チャンについて~

フルパンの目玉である「保1連チャン」だが、他の連チャン機のような、
「保留上書き回避」や「大当り乱数へ書換」といった仕組みではない。
あくまでも「物理的要因(時間的設計)」で、あの香ばしい連チャンを
誘発しただけである。以下、その仕組みについて説明。


・本機は、始動チャッカー入賞の瞬間、大当り判定を行うのではない。
デジタルが始動開始後、左デジがスローに切り替わる直前、任意の
乱数を拾って当否の判定を行う(連続回転中であっても同じ)。

・大当り判定カウンタは「0~239」の計240コマ

・乱数の移行速度は0.0041秒につき+1コマ
(同社の「ランバダ」「エスケープ2」も同速度)

・大当りカウンタの周期は、240×0.0041=0.984秒
(ランバダは4.2秒、エスケープ2は2.24秒と長め⇒体感器攻略)

・拾った乱数が「1」で大当り。他はハズレ(大当り確率1/240)。

・デジタルは「左⇒右⇒中」の順に停止。左右ゾロ目でリーチ。

・デジタル停止処理、大当り中のチューリップ動作の処理などを、
内部の「タイムカウンタ」(1コマ=0.0041秒が単位)が管理。
(各デジタルを何秒回す、電チュー何秒開放といった挙動を制御)

・このタイムカウンタと大当りカウンタは、いずれも
移行速度が「1コマ=0.0041秒」で同調関係にある。

・以下は、各動作の処理における時間的特徴。
(デジタル始動⇒リーチ発生⇒大当り(消化)⇒連チャンの
流れを、タイムカウンタで見た場合の動き)

(1)「デジタル始動から、乱数取得(左デジがスローになる直前)まで」
間隔は、常に一定。タイムカウンタで表すと、「1314コマ(5.3874秒)」。

(2)「乱数取得から、右出目停止まで」の間隔も、常に一定400コマ)。

(3)「リーチ発生時の中デジタル回転時間」不定。中デジは22図柄あり、
リーチが掛かった瞬間、中デジがどの図柄でスタートするかで、大当り図柄で
最終停止するまでの回転時間も、22通りに変化する。

(4)「中デジ停止(大当り)から、(大当り中の)保1デジタル始動」
間隔は、常に一定。全デジタルが揃った直後の「待機時間」(37コマ)に、
大当りの各動作(7249コマ)を加えた、計7286コマ(≒29.9秒)となる。

(5)「保1デジタル始動から、乱数取得まで」の間隔も、常に一定
((1)と同じで、1314コマ)


・繰り返すが、「大当り」とは、240コマ(0~239)の範囲の
大当り判定カウンタで、大当り値「1」を拾った事を意味する。

・大当りカウンタとタイムカウンタは、移行速度が「0.0041秒」で
ピッタリ重なる。ここで、上記(2)~(5)のタイムカウンタ上の
合計コマ数が「240(コマ)」の倍数ならば、(2)の乱数取得時に
大当り値「1」を引いている以上、(5)の乱数取得時も同じ周期で
「1」を拾う事になる。これが保1連のカラクリである。

・だが問題なのは、(2)(4)(5)の合計が不変でも(計9000コマ)、
(3)の「中デジ回転時間」が、毎回一定でない点だ。先述の通り、初当りの
リーチ発生時、中デジのスタート図柄は22通りある。よって、大当り図柄で
停止するまでの時間も、計22パターンと大きくバラつくのだ。

・ここで、リーチ発生後の中デジは「19~40コマ※」の範囲で進むが、
そのうち、移行コマ数が「22、26、30、34、38コマ※」の何れかで
あった場合、(2)~(5)のタイムカウンタ合計は、何れもキッチリ
「240の倍数」になる。デジタル回転時間や、大当り中の電チュー開放時間
など、全て連チャンに繋がるよう、巧みに計算された設計である。

※この場合の「コマ」は、「図柄1つ分」を意味する。
(タイムカウンタのコマ数(0.0041秒刻み)とは違う)
リーチアクション中は、中デジが1図柄動くのに、タイムカウンタでは
「60コマ」の時間(=0.246秒)を要する。実際は「22×60=1320コマ」
「26×60=1560コマ」「30×60=1800コマ」…という具合になるが、
こうした各値に(2)(4)(5)の合計「9000」を足すと、ピッタリ
「240」で割り切れる値となって出てくるのだ。

(例)
・1320+9000=10320 10320÷240=43 あまり0
(ちょうど大当り周期「43周」分の時間)
・1560+9000=10560 10560÷240=44 あまり0
(ちょうど大当り周期「44周」分の時間)
以下同じ。

連チャン確定となる、リーチ発生時(初当り)の
中デジタル移行コマ(図柄)数(計5パターン)

・22コマ…ちょうど1周で停止
・26コマ…1周+4コマで停止
・30コマ…1周+8コマで停止
・34コマ…1周+12コマで停止
・38コマ…1周+16コマで停止


リーチ時、中デジの移行パターンは、「19~40コマ」の全22通り。
そのうち、連チャンが確定するパターンは上記の5つ。よって、
連チャン率は5/22=約22.3%となる。但し、事前(大当り中、
保1消化開始の予定時間前)の保留点灯が必須であることは、
言うまでもない。


で、この中出目移行コマ数を、リーチ図柄から見て逆算したのが、
当時、各攻略誌に掲載された「リーチ時の中出目一覧表」である。


★リーチ時の中出目一覧表
(連チャンが確定する、中デジのスタート図柄)
・左側の数字→リーチ図柄
・右側の数字→リーチの瞬間の中出目
・赤文字=赤デジ、緑文字=緑デジ

0…0,2,4,6,8

1…1,3,5,7,9

2…,2,

3…0,H,3,6,8

4…1,,4,7,9

5…0,H,3,5,8

6…1,,4,6,9

7…0,H,3,5,7

8…1,,4,6,8

9…H,3,5,7,9


初当りのリーチで、中デジが上の各出目から回転を始めれば、
(保留点灯を条件に)連チャンが確定。この早見表を財布に
入れたり、丸暗記したりしたフルパンフリークも多かったハズ。
リーチの瞬間の中出目は、一瞬だが案外ハッキリと見えるから、
慣れれば、判別もわりと容易。


中には、「連チャンか否かのドキドキ感が減るから、出目は読まない」
と考えるファンもいた。ただ、連チャン確定パターンで保留無点灯だと、
何としても点灯の必要に駆られた訳で、中出目の先読みさえ出来れば、
対策を取ることも可能だった(出玉をある程度犠牲にして、大当り中、
通常ストロークに戻して保留ランプ点灯を狙うなど)。


~まとめ~
フルーツパンチの連チャンは、初当りで乱数を拾うタイミングから、
大当り中、保1消化で再び乱数を拾う迄の時間を、大当りカウンタの
周期(240コマ、一周0.984秒)の「倍数」となる時間(コマ数)に
なるよう、各挙動のタイムカウンタが設定してあって、保1消化時に
タイミングよく大当り値を拾う事で発生。この際、初当り(リーチ)時の
中出目回転時間が、連チャンか否かの重要ポイントとなる。この場合に、
どの図柄のリーチも中出目回転時間は22パターンに分かれるが、そのうち
特定の5パターンならば、保1連発生。よって、連チャン率は5/22≒22.7%。
無論、保留ゼロのままでは無効。




(論点2)
連続回転を240回キープすると、必ず大当りする理由 

フルパンには、「連続回転を240回キープすれば、必ず大当りする」という、
「天井」チックな面白い特徴もある。これには、単純だが奥深い理由が存在。

大当りカウンタとタイムカウンタが「同調」していることは、先述した。
加えて、連続回転中は、デジタル始動⇒次のデジタル始動までの時間が、
リーチが発生した場合を除き、常に一定である。つまり、この条件では、
絶えず「同じ間隔」で、大当り抽選が行われる事になる。
(乱数取得タイミングは、常に「左デジがスローになる直前」なので、
保留が点灯したタイミングは、取得する乱数に何ら影響を与えない)

具体的には、

・デジタル始動→乱数取得(タイムカウンタでは1314コマ)
・乱数取得→右出目停止(400コマ)
・右出目停止(非テンパイ)→中出目停止(440コマ)
・全デジタル停止後の待機時間(277コマ)

となっており、タイムカウンタの合計は「2431コマ≒9.97秒」

つまり、連続回転中(リーチ無しが条件)は、ひたすら「2431コマ間隔」で
大当り抽選が行われる。ここで、「2400」は大当りカウンタ「240コマ」の
倍数で大当り周期と同調するから、余った「31」がハズレ時の「実質的な
移行コマ数」となる。即ち、非リーチのハズレ出目が続く限り、次の回転で
拾う乱数は、前回拾った乱数値に「31」を加えた値となる訳だ。

フルパンの大当りカウンタは「0~239」の240コマだが、240コマ周期で、
0から数字を31ずつ順に足していくと、実は一度も同じ乱数値を取らない。
31、62、93、124、155…(240を超えたら0に戻る)と計算して行くと、
0~239の各値が重複せず、全て1回づつ出現。つまり、どんなにハマっても、
240回転目まで回せば、必ず大当り乱数「1」にぶつかるようになっていた。
無論、1回転目に拾った最初の乱数次第では、240回より早く当る事もある。
以前、リバティベルIVの「5G連の謎」を解説した際も、同じような数値
(素数の「31」)が出てきたと記憶する。


但し、この「連続回転天井」、途中でリーチがかかってしまうと、
大当り判定の間隔がその瞬間にズレてしまう為、アウトとなる。
しかし、当時のフルパンの釘で、連続回転を240回キープするのは
至難の業だった訳で、現実的に見れば、天井の恩恵に預かる事など、
ほぼ無かったのだが…そのカラクリだけでも、明らかにしておきたい。




6 コメント

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小ネタを一つ失礼します (伊織瑛太)
2016-09-23 00:00:43
フルーツパンチ。
レトロ感満載の面構えにそそられましたね。
パチデビューから台の変遷を勉強し、翌年1999年から都内近郊の珍古台設置店巡りをはじめた記念すべき最初のきっかけの台でもあります。
既に閉店しましたが、レトロ台のファンならご存知の上板橋「トーア」に長きに渡り設置されていましたね。
その他新潟など旅打ちで訪れた先々でもフルパンは必ず打診しましたが、クギがガチガチでデジタルを回すこともままならず、ついぞ連チャンを経験できずにお別れしたのです。

この台の大当たりBGM「コロブチカ」について、当ブログにお誂え向きな小ネタを一つお伝えします。
2002年のTBSドラマ『木更津キャッツアイ』第3話「僕の息子が死ぬ!?」の回にて、塚本高史演ずるアニがパチンコを打つシーンで使われていますよ。
ちなみに大当たりさせているのはSANKYOの「CRフィーバーワイドパワフル」と思われます。
よろしければご覧くださいね。
Unknown (獣)
2016-09-23 15:55:04
ああ、フルーツパンチって連チャンがあったんですねぇ・・すっかり忘れていたところ、このブログのおかげで記憶がよみがえってきました。当時、大一の台はこれとアニバーサリーをよく打っていましたね。不思議とそれなりに勝たせてもらいました。

連チャンの仕組みも初めて知りました。当時の連チャン機って、連続入賞や、特定の役物構造・電源周波数がきっかけとなって発動するもので、ノーマルの状態では何も起こらず保通協をパスしてしまう仕組みだったと思うのですが、フルパンのこの仕組みだけだと保通協でも連チャンしてしまいますね・・どんな細工をしていたのでしょう。
Unknown (えむ)
2016-09-24 00:06:29
越谷の日本一(相当前に閉店)で蛍の光が流れそろそろ閉店時間の所で3連・・・特殊景品で保障なんぞなく出し切るまで打った
もう周りは店員が片付けや掃除始めててだいぶ時間が過ぎてから玉流したな
Unknown (Unknown)
2016-09-24 15:38:09
連チャン機全盛期、連チャン札もありましたね。
連チャン数だけスタート札を増やしていく店。
ダブル、トリプルと書いた札をつける店。
アナウンスも『ダブルパンチ、トリプルパンチ、おめでとうございます!』とか『一度ダブればどんどんダブる!』とか。
Unknown (Unknown)
2016-09-24 22:19:15
当時の新台入れ替えの時、こわ~いお兄様方に負けないように気合いで台取りしました。
五時半開店の新装時はヨゴレ率が格段に上がってましたのでけが人をよく見かけてました。(押しまくりのため)
死ぬ気で台を確保して打ち始めると、数回転で大当たり!千円で馬鹿みたいに回るんでその後も大当たりしまくりで、9時の閉店時には6、7万ほど勝ったと記憶してます。
40個交換の1回交換だった為、交換に大忙しでした。
バックライトに中毒性がありましたね~。
釘は、… (ビスカス浩二)
2016-09-27 23:23:36
フルパンは茨城県に住んでいる時、そこら中のボールにありました。基本1回交換、サービスタイム時は持ち玉のルールが多かったです。3000発切る店か多かったです。そして釘 明らかに下向きで いかにも閉めてますといった感じの店ばかり、閉店間際になると、最後に当たった客に4000発の景品を出玉以外にくれる店がありました。最後の客の前に当たった客は2400発と札が移動する 閉店間際 島が鉄火場状態になる店もありました。長らく愛され後継機?のジャーニーも茨城県は導入多かったです。