まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

デジマル(西陣、ハネモノ)

2014-01-24 23:22:34 | ハネモノ

1991年(平成3年)に西陣から登場した新要件ハネモノ「デジマル」

 

★賞球…7&15

★最高15ラウンド継続(10カウント機)

★大当り中は貯留機能あり(9個まで)。ドットデジタル抽選による独特な貯留方式(後述)

★ハネ開閉時間…オトシ0.3秒、ヘソ0.6秒×2

★平均出玉…約1300~1400個。完走時は1800個オーバー(準大量獲得タイプ)

★現役時の対戦ホール…いろんな店で遭遇した記憶があるが、新宿「ジャンボ」(現存)の地下フロアが印象深い。


当時、「ジャンボ」は地階の右隅(階段右)にハネモノを設置。デジパチがズラッと居並ぶ1Fの盛況ぶりとは対照的に、地味で落ち着いたシマだった。「ジャンボ」の目の前の交差点の対角には「ニューミヤコセンター」(閉店、跡地には現在「新宿カレイド」)があって、こちらはハネモノやチューリップ台(普通機)を置く優良店として、個人的にも重宝した。

 

★パチ屋以外に、町のゲーセンや温泉ホテルのゲームコーナーなどで、本機を見かける事もあった。少し前だが、伊勢原にあるダイエーのゲーセンに、デジマル、ニューモンロー、ニューピンボールといった西陣の名機を設置している情報もあったが、現在どうなっているのだろう…。

 

★兄弟機種…デジマルP-2


本機と同時発表された「デジマルP-2」(1991年登場)。賞球は7&15だが、貯留方式が異なる。

 


 

(ゲーム性について)

・通常時

コミカルな表情のロボット「デジマル」は、通常時、「両足をゆっくり前後させる(左足⇒右足の順)」⇒「停止」の動作を一定間隔で繰り返している(停止時間は約3秒)。

ハネに拾われた玉は、上段ステージ左右いずれかの穴から、下段ステージへ落下。

この時、上段で右の穴に入った玉は、役物右サイドから下段にアプローチする。一方、左の穴に入った玉は、役物左サイドから下段へ落ちる。

右サイドから転がり落ちてきた玉は、平坦な下段ステージを左斜め手前に進む。しかし、落下の勢いがある為に中央Vゾーンを超え、V左脇のハズレ穴に入り易い。逆に、左サイドからの玉は、ステージを右斜め手前に転がるが、やはりVを超えて右脇のハズレに入り易い。ステージ上を左右対角に転がり、中央のVを外すのが当たり前だった。

つまり、左右どちらのルートを通っても、玉の動きがある程度パターン化されてしまう為、V穴に入りづらい構造になっていたのだ。出玉が多い代わりに、初V入賞率は非常に低かった。

こういった通常時の玉の挙動に「変化」を与えたのが、定期的に動くデジマルの両足だ。

ステージに落下した玉が、ゆっくり動くデジマルの足にタイミング良く当たると、玉の進路が変わってVゾーンに向かうチャンスとなった。

先述した通り、デジマルの足は常に動いている訳ではないが、足がスライドする僅かな時間に、玉が下段ステージに向かうと、文字通り「足(アシ)スト」を受ける事が出来た。

ロボットの足がV入賞をアシスト…こう聞いて、同社の旧要件ハネモノの名機「ハレーすい星ロボQ」がピンとくる人もいるだろう。

 

この「定番」Vパターン以外に、ステージに落下した玉に勢いがあると、左右の壁にクッションしてから中央に戻ってVに入ったりした。こうしたV入賞率が、台の「クセ」に左右された事はいうまでもない。

また、オトシ(1チャッカー)入賞時よりも、ヘソ(2チャッカー)入賞時の方が、ハネ開放時間が長い上に、足と玉のタイミングが合い易かった為、V入賞率が良くなっていた。

 

・大当り中

大当りすると、デジマルのコミカルな顔がパッとめくれて、四角いドットデジタル画面が現れる。


(大当り直後のヤクモノ内部。愛嬌タップリだったデジマルの顔が、表情のないドットに代わる。)

 

大当り中、デジタルは高速スクロールを続けており、上段ステージ左右の穴(センサー)を玉が通過する度に、「1~7」(7通り)の目で一旦停止する。

デジタルが「1、2、4、6」(ハズレ目)だった場合、デジタルは一旦停止後に変動を再開する。

一方、デジタルに「3、5、7」(当り目)が出ると、デジタルは各ラウンドの最後まで停止し続ける。同時に、デジマルの左右から大きな腕が現れて、ガッチリと囲った両腕の中に、玉を最大9個貯留する(但し、最終15ラウンドのみ貯留がない)。


(デジタルに「3、5、7」が出た瞬間、すかさずアームが出現して貯留開始。)

 

当時、「アームでガッツリ囲って大量貯留」するハネモノといえば、三共の大量獲得機「サンダードラゴンGP」(1991年、新要件機)がその典型だった。デジマルの開発に関して、ホールで好評だったサンドラの影響を受けた…と考えられないこともない。

ただ、時系列的にみると、デジマルは平成3年8月の「’91パチンコ博覧会」(大阪)で発表された機種であり、台に関する資料はそれ以前から出回っていた。1991年春に登場したサンドラの発表前に、すでにデジマルが保通協に持ち込まれていた可能性も、大いにある。

個人的な意見では、これは単に両機種のアイディアが「偶然かぶった」に過ぎず、役物作りに定評のあった当時の西陣は、あくまで独自構想で本機のアーム型役物を開発した、と考える。結果的に、サンドラのアームに近い構造になったにせよ、「二番煎じ」とは評したくない。

 

まぁ、それはさておき…

 

毎ラウンド、デジタルの表示出目で貯留開始のタイミングが変わる、というのが本機の面白さだ。

当然、早い段階で「3、5、7」が出れば、大量貯留の利点を存分に生かして、V継続も容易となる。

だが、デジタルのヒキが悪く、序盤にハズレ目が続くと、貯留が始まらずパンクの危険も増える。

大当り中、デジマルの両足は動きを止める為、貯留なしでVを継続させるのは容易でない。

「貯留開始が遅く、アームに2個しか貯留されない」なんて時は、貯留解除の瞬間も「あきらめの境地」である。だが、そんな時でも運良くVに入り、望外の喜びを感じる事もあった。

ちなみに、デジタルの出目出現率は均等に「1/7」で、貯留開始出目である「3、5、7」の出現率は、トータルで「3/7」となる。

アームが5個以上の玉を貯留すれば、V継続の可能性は高くなる。単純に逆算すると、5個目の玉が役物センサーを通過した時点で、デジタルに「3、5、7」が出ていれば良い事になる。当選率3/7のデジタルを、5回転以内で当てる事はそれ程難しい事ではない。まぁ、あまりにヒキ弱だと、4/7のハズレを連続で出すことになるが…。

なお、上段にある穴(センサー)を2個以上の玉が連続通過しても、デジタルは1度しか回らない事には、注意が必要とされた。寄りの良い台だと、一度のハネ開閉で2個以上の玉を拾う事も多いが、2個立て続けにセンサーを通過すると、デジタルを回すチャンスが1回分減る事になる。

この不利益を防ぐ為、序盤はハネの開放に合わせて確実に1個づつ玉を拾わせ、デジタルに「3、5、7」が出た瞬間、連続打ちへ切り替えるという「プチ攻略」も存在した。しかし、打ち出しタイミングを誤ると、序盤にハネの空振りが相次ぎ、かえってパンクの危険度が増す「副作用」もあった。

 

役物10カウント、またはハネ18回開放で貯留解除となり、アーム内の玉は一斉に手前へ転がる。本機のVゾーンは「可動式」になっていて、ラウンド中は玉が1個乗る程度の狭い幅しかない。貯留解除された玉の1つが、このVの上に「一時貯留」された後、Vの幅が広がって確実に入賞、次ラウンドに進む。

最終15ラウンドまで継続すれば、1800個を超える大量出玉が期待できる。初当りが辛い分、継続率は良いが、毎ラウンドの貯留個数が安定せず、デジタルの「ヒキ」に左右された。

 

釘はそこそこ甘くても、出玉の多さゆえ、初当りはかなり厳しかった本機。当時の新要件ハネモノが持つ「負の特徴」を、本機も持ち合わせていた事は否めない。鳴きの良い台が、ひたすらVを蹴り続ける展開には、ジリジリさせられた。それゆえに、一旦当てれば「継続して当然」との気持ちも強かったが、運悪くデジタルがハズれまくって、速攻でパンクする悲哀も味わった。

 

それにしても、愛嬌ある役物キャラに加え、アナログとデジタルを融合した独特なゲーム性は、魅力もタップリだった。役物入賞毎に数字がコロコロ変わるデジタルには、「丁半博打」の興奮があった。もう長年のご無沙汰だが、ぜひどこかで再会を果たしたいものだ。