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海をみつめながら

今と昔をつづりたい

治療の選択

2015-10-01 17:31:30 | 乳がん
人気タレント、北斗晶さんの乳がんが公表されたり、女優、川島なお美さんの胆管がんによる死去の報道で、
メディアでは、「がん」を取り上げることが多くなりました。
2人に1人はがんになると言われ、日頃から関心の高い話題ですが、ここのところはより多く目にします。
がん歴12年目、再発治療中の私も、ここで自分のことと絡めながら、想いをつづりたいと思います。

北斗晶さんがブログで、「青天の霹靂」と表現したのと同じく、私もがんを見つけた時はその心境でした。
全摘か部分切除かを選ぶ時、主治医の説明を聞いた後、すぐに全摘で、とお願いしました。
私のしこりは乳頭の近くにあって、そこだけ手術しても胸の形はかなりくずれる、
また部分の場合は術後に放射線治療を5週間にわたって受けるので、
毎日朝と午後の送迎に1時間半とられる上に、その他娘の世話もあり、連続の通院はきついと思ったからです。

乳房を失う悲しみは全くというほどありませんでした。
それより、娘のためにも「生きる」ことが優先。
ただ、入院中なかなか自分の胸を見ることができませんでした。
ベッドに仰向けになったまま手当をしてくれるので、鏡を使わないと見ることができません。
2週間の入院で、どこかで意を決し、自分の失われた部分を見ましたが、あっさりした気持ちだっと思います。

術後の治療法については、主治医の意向に同意し、ホルモン療法だけをしました。
北斗さんの場合は脇に転移があるそうなので、抗がん剤治療があるでしょう。

7年目に遠隔転移がはっきりしました。
その前に予兆みたいのはあったので、ものすごくショックでしたが、驚きはありませんでした。
治療場所を決め、新しい主治医を紹介してもらいました。

その治療は、ホルモン剤を変えることからスタート。再発の標準治療です。
2種類のホルモン剤でホルモン療法を1年半続けましたが、耐性ができて、次の治療の選択に。

いよいよ一般的な抗がん剤治療が始まります。
標準では脱毛のあるタキサン系の薬剤を使うのですが、私は脱毛を嫌い、ゼローダの経口薬を選びました。
毛髪を失うことには抵抗ありませんが、カツラを使うことによって、再発とわかってしまうのが嫌だったのです。
母には絶対に秘密にしておきたいという強い決意があるから・・・。

1年半続いたゼローダに耐性ができた後、2か月ほどゾメタ以外は無治療を選択。
お正月に母と会う時に、副作用が多いと困ると思ったからです。
症状は重くなり、昨年1月末から次の治療を始めました。

3つの選択肢があり、アバスチンとタキソール(パクリタキセル)にすると言いました。
半年ほど投与し、奏効。
その後、セカンドオピニオンも聞き、ゾメタ以外の無治療に。

4年近くお世話になった大病院をあとにし、小さなクリニックに転院しました。
今年にはいって、脳と首に転移があり、別の病院の脳神経外科にもお世話になっています。
今は、この病院での経過観察、クリニックでは主治医と話し合いながら、抗がん剤治療をしています。

治療はしてもらいますが、最終決定は患者本人というスタンスは、長きにわたり変わりません。
わからないことは医師に聞きますが、決めるのは自分です。
これからもこのスタイルでまいります。

だから、世の注目をあびる芸能人も、一般の患者の方も、その人の選んだ治療に第三者があれこれ言い過ぎるのは不快。
それまでにいろんな想いがあり、アドバイスも受けただろうし、熟慮して決めた治療。
結果が芳しくなくても、自分で選んだのなら納得するのでは、と思っています。

川島なお美さんは立派でしたね。本当の自分の状態を把握して、潔い決断。
術後、抗がん剤をしなかったことは正解だと思います。胆管がんはお薬あまり効きませんから。
それより、最期まで女優の仕事ができたこと、きれいな髪と美貌でいられたことがよかった。

がんで逝くのは仕方なくても、抗がん剤の副作用では死にたくない、は大多数の患者の願いだと私は思います。

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