Mon´の日記

アーティストMon“Design-NeT”の日記。
HALE to KE(ハレとケ)な日々。
時々広島弁。

ノルウェーの旋律によるバラードのための変奏曲【11】

2011年06月25日 18時24分00秒 | Weblog
ゆっくりと歌って奏でたい時、
少し上を向いて弾くのはMon'の癖。



第5変奏目…
ちょっとレチタティーヴォな感じ。
何かを語っているような、そんな感じ。
何故か、いつもこの第5変奏から、よりグリーグの世界へと入り込んでいける。


1音1音…
グリーグに問いかける…
話しかける…



その時でした…



ピアノの調度上の方から、光が差し込んできた…
「照明かな?」

ううん。
そんな照明は、他の演奏者で見なかった。


その光の量はだんだんと多くなり、広がってきて、薄いベールのようになっていった…

「おお~!オーロラみたい~」


不思議な事が目の前で起こっとるのに、何故か心はそれを受け入れとった。


そして更に、そのベールに細かい光の粒の様なものが、キラキラと舞い降りてきたのです。


とてもとても温かくなって、涙が出てきた。

ピアノを弾きながら、しかも本番中にこんなにも温かい涙がこみ上がってきたのは初めてだった。



その時だった!
会場の客席の空気が一瞬ピタッと止まり、ステージと客席が一つになったのを感じたのです。


ザワザワと何かが動めく気配というものが、
全くなくなり、耳がキーンとする程の静さ。


1音1音が、会場に広がっていく…


心も体もとても軽く、ピアノを演奏できている事がホンマにありがたく、幸せだった。

いつまでも、この時間が続いてほしい…と。



そして、曲はクライマックスに。
渾身のエネルギーを込めてFinal…
曲調は激しく燃え上がる!!


そして、最後もう一度テーマに戻り、
静かに…静かに…演奏が終わった。



終わった…終わった…。



ピアノを離れ、お辞儀をし、顔を上げた。
客席の方々の顔が、1人1人ハッキリと見えた。
これも、初めての事だった。

たくさんの、温かい拍手を頂いた。




「ありがとうございました……
……グリーグ……」
何度も、心の中で呟いた。



…グリーグ…
本当に、ありがとうございました。




続く



Mon“Design-NeT”
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