しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「サブマリン」  伊坂幸太郎 

2017年01月17日 | 読書
「サブマリン」  伊坂幸太郎  講談社     

『チルドレン』から12年後の続編。

家庭裁判所の調査官、武藤は異動した先で陣内と同じ職場になる。
陣内は主任試験を受け、主任になっていた。
しかし、主任になっても陣内は以前となにひとつ変わっていなかった。
3人で1チームの組になるが、それも陣内と一緒で、もう一人は木更津安奈という捉えどころのない女性だった。
武藤は無免許運転で死亡事故を起こした少年棚岡佑真や、脅迫文を多数送り付けた少年小山田俊を担当していた。
棚岡は、何も話そうとしない。
観察期間の小山田俊の自宅を訪れた時、武藤に小学校で事件を起こしそうな人物がいると告げる。
小山田は、ネットと検索でその事を割り出したと言う。







『チルドレン』にも登場した人物が他にも出て来る。
やはり『チルドレン』を先に読んだ方が面白いかも。
しかしこちらだけでも楽しめる。
自分は随分忘れていたので、もう一度『チルドレン』を読み直したくなった。
『チルドレン』は短編だったがこちらは長編。
バラバラに見えた話が最後はひとつに繋がる面白さもある。
少年だけに関わらず、犯罪について考えさせられることが多い。
ただ答えの出ない事も多く、ひたすら悩んでしまう。
正しい正しくないと決められない事も多いのだ。
陣内のキャラクターは破天荒で、武藤が困るのもわかる。
テーマが真摯なだけあって、よく考えると陣内も真摯な人物だとわかる。
全てが納得の行くように治まる事などない世の中。
陣内のように、その時を真剣に生きていく事が大切なのかも。


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