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諸々の嗜好に対する思考と試行

天然由来はもうやめて

2008年12月19日 | 日記
だいぶ前にも書いたけど、ええかげん「天然由来は体にいい」っていう脊髄反射的馬鹿コピーはやめてほしい。
私は「天然・自然。だから体にいい」とか「地球にやさしい。エコロジー」を叫ぶエコエコ系の企業の製品は逆に全く信用できない。
お前は黒井ミサか。

「天然由来」とは少し違うが、ちょっと前のニュースにこういうのがあった。

英国王立化学会が「100%天然」の物質に1億4千万円の懸賞金

これはGIGAZINEの題名の付け方がおかしいが、もちろん王立化学会が「天然物質=健康、化学物質=不健康」と見做される現状傾向に怒って出したネタで、「そんなもんあるわけねえだろ。出せるもんならだしてみな」ってことだ。
然るに、消費者は「天然」とか「自然」とかいう言葉に弱いから、そういった「天然であれば体にいい」という盲目的信仰を企業は詐欺的に利用するのだ。

たとえば、こういった商品
>100%天然性分(ママ)・自然界から産まれた完全無害な
>生きているバイオ液。

誤字はともかく、しょっぱなから無茶苦茶である。
これでは王立化学会が怒るのも当たり前。
ところがこの「100%天然性分(ママ)・自然界から産まれた」という部分は、仮にこの製品が人工的に造られた化学製品をバリバリに使っていてもウソにならないから面白い。
ただし、それ以降の「完全無害」ってのはありえないし、「生きているバイオ液」に至っては意味不明。

つぎはこれ
>シェルウォーターは、ホタテ貝殻焼成セラミックス水溶液の天然
>成分100%天然成分からできています。

なぜかこういう「天然系」サイトは文章が無茶苦茶なのが共通している。

>シェルオォーター(ママ)は生物除菌力を利用していますので、
>白癬菌や大腸菌、サルモネラ菌などは分解しますが、カラダに
>よい酵母菌や乳酸菌には影響しません。

「生物除菌力」ってなんじゃい?
一体ナニが人間の「カラダによい」菌なのか悪い菌なのかを判断しているのだろうか?
白癬菌だって大腸菌だって生き物じゃないか。馬鹿にすんな、と言いたい。

まだまだあるよ。つぎはこれ
>「ピュアーシリーズ」はすべて天然成分から作られていて
>化学物質は無添加なので、アレルギーや皮膚の敏感な方
>でも安心してお使いいただけます。

なぜ天然物質だとアレルギーでも安心なのか。
お前らはウルシにかぶれたことはないのか。蜂に刺されたことはないのか。
アナフィラキシーショックで年間何人の人が亡くなってると思ってるんだ。
そもそも、天然物質だろうと何だろうと、基本的にすべて化学(的な組成を持つ)物質である。
まず天然物質と化学物質の定義からお願いします。

お次は超ダメダメなサイト
>天然ミネラル羽毛布団
もうこれからして意味がわからないのだが、肝心の「天然ミネラル」の説明が素晴らしく意味不明。

>天然ミネラルとは自然界の土中にある約1億年前からの
>堆積物が、地殻変動などの熱や圧力により結晶化したもので、
>美容の泥パックも、泥に含まれる天然ミネラルの効果です。
>(自然成分100%)

どういう意味で「ミネラル」を使ってるのかな。
通常は栄養学的な使い方だと思うのだが、どうもただの泥とか鉱物のことらしい。
ついでに、何度も言うように、この世にある物質はすべて「自然(に存在する)成分100%」である。

>天然ミネラルを精製した繊維を採用しました(無化学薬品)
>安心の抗菌加工も施しています。

「抗菌加工」には化学薬品を使っていないというのだろうか?
「天然ミネラル」が起こす奇跡の超常現象で菌が寄り付かないとか?

>天然の中から抽出した自然成分100%で構成されていますので、

日本語は無茶苦茶だけど、まあ、これはいいや。
でもその直後に、これはねーだろ。

>化学物質や合成物質は一切使用していません。
>低刺激を心がけています。

うん、もう、わからないヒトなんだから・・・
で、結局ナニを使って作ってるんだか。

お口直しに、用語をちゃんと考えて使ってるサイトをご覧ください。
おそらくこれは、コピー屋じゃなくて技術系のちゃんとした人が書いてるっぽい。

(注1:リンク先とは一切の利害関係はありません
(注2:引用については見やすさのために適宜改行を入れました)

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