ROUTE846 - Color of Life

バレエ,ヴァイオリン,…好き過ぎて忙しい色んなこと

五嶋龍さんの司会が終わってしまいました

2017-03-26 17:00:50 | ヴァイオリン
毎週楽しみにしていた題名のない音楽会は 五嶋龍さんの司会が3月いっぱい、ということで、最終回は龍さんの原点であるパガニーニを弾いたのですが、いや素晴らしいですね。

龍さんは指が長くて動きが綺麗なので、すごく参考になります。パガニーニでは特に指の関節の柔軟さに惚れ惚れ。

この曲を7才の子供に修得させた母親の執念もスゴいけど、よくグレなかったよね。これで終わりに向かうかという曲調のあとにくる5分にわたるカデンツァの技巧的なこと。音も指も美しい。華麗な弾きっぷりでした。

先週の放送で弾いたショーソンの詩曲がまたひどく良かったので繰り返し聴いています。何度でもリピできるなぁ。

冒頭、独白のような始まりが失意と孤独を物語り、なんとも強い哀しみと不思議さの漂うメロディがうねをつくり押し寄せては返し、不安定な心を揺らす波のよう。ほっと安心できるのは最後の一音のみ。名曲です。

イザイに捧げられたというこの曲をずっと演奏したかった、演奏するのが夢だったという龍さん。聞き惚れましたよ~。

ショーソンの詩曲といえばジネット・ヌヴーが指揮者をじっと見る姿が思い浮かんでしまうが、お陰でこれからは龍さんの演奏がとって変わりそう。

ちょっと暗めの影のある情感溢れる曲が好きらしく、以前コラボしたピアノのユンディ・リとのショパン ノクターン 第20番 遺作 も素晴らしかった。美しく哀しみを誘うメロディが叙情的に歌い上げられ、ユンディ・リのピアノの音色も沁みるしで、何度聴いてもいい。

龍さんは『ショパンはロマンチックな曲が多いがこの曲は詫び寂びがあって孤独な感じが素敵』と表現している。孤独な感じ!そうか、この曲のなんとも言えない寂しさはそれゆえか、と納得。

チェロの横坂源さんとのヘンデル=ハルヴォルセンのパッサカリアも印象的でした。緊張感のある始めの8秒程の主題がどんどん変化していき、互いのハーモニーを引き立たせながら技巧的になり、最後はどんどん速くなり息もつかせない、魅力的な曲。横坂さんとの息もぴったり。

龍さんに司会が変わってからの番組構成が気に入っていたので司会を降りるのはとても残念です。

収録に度々来日するのも大変だけど、番組を通して色んな音楽家からも相当刺激されて演奏意欲を掻き立てられたのではないでしょうか。きっと苦渋の決断だったことと思います。

見る側も五嶋龍さんのあらたな魅力に気づくことができました。すごく頭のいい人なのでそのうちクラシックの枠から飛び出しちゃうかな、と数年前は思ってたのですが、純粋に音楽が好きで、メロディアスな曲が好みで、ヴァイオリンを愛してるんだな~と感じました。

番組での数々の共演はきっと財産になったことでしょう。今度は番組のゲストとしてまた登場してほしいです。

今後の活躍に期待し注目していきたいと思います。

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