奥州亭三景の言いたい放題

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"安全"神話は神話でしかない

2007年07月25日 15時30分11秒 | Weblog
かれこれ地震が発生してから9日近く経つ
今回の地震については非常に多くの問題が露呈した。
深刻なのはやはり原発の火災事故だろう。
前々から原発についてはあたしは懐疑心がある。もう20年近くなると思うが、テレビ朝日系列の深夜番組「朝まで生テレビ」で原発の是非を問う回があって、その時の電力会社と公団の言う言葉が非常に鼻についたのだ。
「原発の設置されている場所は関東大震災レベル(マグニチュード7.9)の直下型地震でも絶対に事故は起きません」
「国の規定する耐震強度以上の安全性で作られています」
で、その結果が今回の柏崎原発の事故である。
どうも今回の火災の鎮火が遅れたのも東電は全くの想定外であったという。
発電所で火事が起きないと何故いえるのか?全部燃えない素材で作られてるのであればそう言いきれるだろうが、そんな筈がある筈も無く、まして核融合反応で高熱が出てる筈なのだから、"燃えない"とは言い切れないだろう。
ところが説明では"原発は地震があっても大丈夫"という考え方で火事が起きる事は想定していなかった、それ故、火事が発生した際にどうしたら良いかわからず、119番通報をしたのだそうだ。地震で市内だって大変な状況で消防に通報すれば、到着が遅れるのは自明の理だ。原子力発電の安全性についてはあたしはずっと前から疑問視している。これが地震の少ない国(ヨーロッパ等)であれば、それ程大きな問題では無いのかもしれない。もうちょっと詳しく言うと、ヨーロッパの原発では安全対策がもっとしっかりしている。フランス等では原子力発電所の側に民家がある所もある。これには安全性に余程の自信が無ければ出来ない事だ。本来であれば日本だってこのくらいの自信を持てなければ原発を建設するのは如何なものかと思う。
また、今回原発付近に断層があることが判っていながら建設を行なった事が判っている。調査時にはこの断層が活断層かどうかは判らなかったと言っているが、そもそも断層があるなら、そこが活断層であるかもしれない、と疑うべきだったと思うのだ。今多くの企業でリスクマネジメントが叫ばれている中、こうしたリスクを回避しなかった電力会社と公団の責任は大きい。
東電は今回、発電所の火災は想定外だったとのたまっている。でもこれはおかしな話である。前に浜岡原子力発電所で火災があったのは数年前の事だ。その事を教訓にしていなかった事だろうか?
ついでに言うと、今回の原発の火災事故は原発3号機の変圧器から出火した。通常こうした変圧器には絶縁用に油を入れてあるため、こういった施設には何かしらの消火装置を装備している筈だ。でもそういったものが作動された形跡はない。そもそもそんな施設が無かったのかもしれない。確かに電力会社や原発関係者が原子炉は安全と言うのがその通りかもしれない。でも原子炉に繋がる発電タービンの間をつなぐパイプは問題ないのか?タービンから原子炉に水蒸気を戻す復水器のパイプは?原発の専門家が言っていた事だが、今の時代で原発で一番問題なのは原子炉のメルトダウンでは無く、原子炉に枝葉の様に繋がっている機器や配線、配管からの放射能漏れなんだそうだ。今回の災害はまさに変電設備からである。この事を考えると本当に日本の原子力開発が本当に正しいのか疑わざるを得ない。前にも似たような事があった。高速増殖炉「もんじゅ」の事故である。たしかNHK特集で日本の産業を支えてきた町工場の取材の際に訪れた金属加工工場の社長の話だった。前に原発関係者からこういうものが作れないかと言われてサンプルを作ったんですよ、と言いながら取り出したのはひとつの三面図とこの工場で作った加工サンプルを見せた。「もんじゅ」で事故の原因になった、温度センサーの格納容器である。工場の社長は図面通りの設計ではこの部品が破損すると判断、若干の寸法変更(それだってコンマ数ミリ~数ミリ程度だそうだ)をしてサンプルを作ったのだが、原発関係者から却下されたそうだ。社長は絶対にこの設計では強度に問題があるから設計を変更して欲しいと再三要求したが、却下され、結局サンプルの発注だけで、製品の発注はとれなかった。結果があの放射能漏れの大事故になってしまった。しかも社長が壊れると予想した個所が実際に壊れた個所と一致した。なんでも寸法通りに考える技術者は経験豊かな町工場の技術を信用できなかったのが事故の原因だったかもしれない。
今、日本にある原子炉は55基、この全てを本当に「安全」と言うだけの自信が電力会社に無ければ、日本の今後の核開発はますます国民の不信を買う事になるだろう。



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