時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(No.23) 海に近い駅

2008年11月17日 16時36分16秒 | 現在の中の過去

 「原点」の記事の中でも少し紹介した宮ヶ浜駅だが,以前からいきたいと思っていた駅であった。
 小学生低学年のころ,JRを使って指宿に旅行に行った。そのとき,宮ヶ浜駅に列車が停まったとき,駅前の風景に感動した。ホームの向かい側がすぐ海だった。そのことは駅名の看板のイラストにも表現されている。

(2006年5月21日撮影)

 その後,指宿に行くたびに,宮ヶ浜駅の光景を楽しみにしていた。
 いつもは停車時間しか見ることができなかった宮ヶ浜駅の風景をじっくり自分のペースで味わえるものだと思っていた。
 そして,ようやくたどり着いた宮ヶ浜駅の様子は・・・













(2006年5月21日撮影)

 写真は,こちらの方が分かりやすかったため,別の日に訪問した時のものだが,2004年8月現在も同じような状況だった。



 海がない。(厳密には遠くにいってしまった。)



 干潟には貴重な生物が住んでいて,生物界のバランスが崩れるということでも非難される出来事だが,これは別の意味で残念だ。実は上の駅名板もイラストの下には「日本一海に近い駅」と書かれた文字が消された跡がある。
 
 この埋立地,レクリエーション施設として利用されるようだが,なかなか整備されない。そういう状況を見ていると本当に必要な施設で,そんなに早く埋め立ててしまう必要があったのかなとも思う。

 現在,「日本一海に近い駅」で検索をかけると,新潟県の「青海川(おうみがわ)駅」が並ぶ。(他にも候補はいくつかある。似たような駅はいくつかあるようだが,ここが一番多い。)この駅,2007年7月の新潟県中越沖地震で被害を受けた駅のようだ。

 こうした検索群(最初の方)には名前は挙がらなかったが,自分自身がこの前列車で通過した長崎県の「千綿(ちわた)駅」もかなり海に近く,かつての宮ヶ浜駅をみるように見ていた。
 停車中の列車から見た海。


(2008年9月10日撮影)


 駅舎もなかなか雰囲気がある。発車直後に列車の窓ガラス越しに慌てて撮ったため,きれいな画像ではないが…


(2008年9月10日撮影)


 海に近い駅は全国にいくつかあるようだが,JRが駅のイラストにそのことを盛り込み,さらに「日本一海に近い駅」と書いていた駅は,宮ヶ浜ぐらいじゃないかと思う。それを,埋め立てられたのはやはり残念だ。今なお残るこのイラストがむなしさを感じさせる。
 地域の自治公民館が写真集を出したのも,この浜を忘れないで欲しいという意図があるようだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿