時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(266) 難波に向かう道の地域表現

2010年02月13日 23時16分52秒 | 旅・散策の足跡
2009年3月に西九条から難波まで阪神が延伸され,近鉄線と相互直通運行も行われるようになった。新しく開業となった3駅は全て地下駅だが,なかなか派手なデザインになっている。なんば線のサイトを見ると,所在地に応じたテーマを設定しているようだ。駅を中心に比較的最近の地域の表現方法を見てみたい。


 旧近鉄難波駅は大阪難波駅と改称になった。難波自体大阪のイメージがあるので,その前に大阪が着くと重複地名のように聞こえる。阪神沿線の尼崎市に難波(なにわ)という地名があるがそれとの区別だろうか。単純に他の難波駅と名前が重なるのを防ぐためかもしれないが…案内にも両者の社名が入っている。

 以前はよく知らないが,ホームはあまり変わっていないのではないかと思う。

 隣の桜川駅。
 難波の都心や湊町の再開発地区,にぎわいのある南堀江に近いことから「新たなゲート」をデザインのテーマにしていると阪神のサイトには書かれていた。
 出入り口。

 入口も曲線状にすることで未来的な印象にしたと書かれている。奥に見える南海の汐見橋駅との対照がまた素晴らしい。
 ホーム。

 壁のデザインがホームごとに異なっているのは,「二面性」をキーワードにしたとサイトには書かれていた。

 改札外からも難波方面へのホームの壁は見える。ホームにあるベンチが木製だったり,木を感じさせる素材を使用しているのは道頓堀川沿いに材木問屋が立ち並んでいるのが理由らしい。(阪神なんば線のサイトより)

 ドーム前駅。
 デザインテーマは「懐かしさと新しさの融合」とあった。
 入口。

 ガラスと金属パネルを用いた幾何学形(三角形)状にすることで未来的なデザインとしてドームとの調和を図っているそうだ。
 そんな未来的な地上部に対して,地下の改札付近では・・・

 レンガを使用し,懐かしさとあたたかさを感じられるようにしているのだそうだ。
 ホーム。

 撮影時にドームでジャニーズのライブが行われた後だったため,迅速な移動を求められたため,上からの写真になっている。天井が高く,壁面はレンガで構成されている。約16万個使用しているそうだ。レンガはかつてこの地に建てられたガス工場がレンガ造だったことによるという。ホームは地下鉄の下をくぐることから地上から28mの深さにあるらしい。その地下鉄の駅とあわせて,地上からは創造できないぐらいの地下空間が形成されているので,また別の記事で取り上げたい。

 九条駅。
 デザインテーマは安治川の恩恵を受け,金属化工業を中心とした手のぬくもりが感じられる技術や大阪の下町情緒を代表する人情の街として発展を遂げてきた九条の歴史を活かした街づくりのシンボルとなるように「記憶の継承」に設定されている。
 西側の出入り口。

 鉄とガラスの使用により,親しみを覚える地域技術のイメージをシンボリックに表現していると説明されていた。
 改札のあるフロア。

 照明も含めて,季節,時間帯により変化する安治川を表現した空間らしい。
 ホーム。

 壁にクレータのような穴が空いたデザインになっている。白を基調にした明るい空間で賑わいのある街を表現しているらしい。

 九条駅の東口のあるビル。

 ここの入口から入ると最初の踊り場にこんな案内がある。

 40年前からこの路線の計画があったことが分かる。40年もかかった理由については色々説があるようだ。

 九条駅から次の西九条駅の間で地下から高架上へ線路が移動する。そののぼり口。


 騒音対策で周りは完全に防音壁で囲まれている。建設時には「阪神もぐれ」の貼り紙が貼られていたらしい。
 九条と西九条を分ける安治川を越える部分だけは・・・

 壁はなかった。西九条側では再び壁に囲まれている。

 西九条駅。

 この駅自体はなんば線の前の西大阪線の時代からある駅だが,難波よりの入口だけは改修か新設されている印象があった。
 ホーム。

 元からあった駅だけに,デザインテーマが設定されているかは分からなかった。
 終点時代の名残も残っている。

 その部分を下から眺めると・・・

 ホームがビルの5~6階ぐらいの高さにあることが分かる。
 高架上のJRの線路の上を越えないといけないためだろう。

 JRのホームから見ても・・・

 高いところに見える。阪神の改札からホームへのエスカレータも長く,JRから乗り継ぐ場合,駅舎同士は連絡しているものの上下移動が多い。
 この高さから2駅先には地下30mまで潜っていると考えるとこの間の勾配はかなり急なのだろう。

 斬新な印象を受けるデザインが多く,地域性も表現されているが,その地域性を読み解くには相当歴史に詳しい状態になるか,説明を見るかしなければ,すぐに理解するのは難しいと感じた。建設費もかかっており,この区間を乗る場合は90円(60円)の追加運賃が加算され,初乗り200円となっている。難波をまたぐ場合は2社分の初乗り運賃も必要で,運賃も高額になりがちだ。

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