10年ほど前、国際政治学ジャンルで話題になった本。
冷戦後の国際政治の中心をなす極めて危険な特質は、異なる文明を背景とするグループ間の対立であるということを骨子として、21世紀を予測している。
これまでは、西欧対非西欧、あるいは、自由世界対共産世界という対立構図だったが、21世紀は、それ以外のさまざまなセクターの台頭により、国際緊張がますます多極的になってゆくという論旨で、非常に納得できる。
現に、中国、イスラム圏、ラテンアメリカやアフリカが力をつけてきて、文明間の勢力の均衡が変化している。
日本文明に言及している箇所を見る。
日本は5世紀ごろから独自の文化をもつようになってきたが、中国文化とは異質である。
19世紀には西欧型の近代化を成し遂げたが、西欧にはならなかった。
日本が異質であるのは、1国1文化であること。
世界の主要な文明は2カ国あるいはそれ以上の国で構成されているが、日本は一国孤立型の文明なのであるといっている。
それじゃあ、どうするのか、これは、これから読んでゆくことになる。
日本は、政権交代を果たしたが、昨今の重大事は、政治資金だとか、マニフェストだとか、事業仕分けだとか、次期の選挙にたいする備えなど、局部的な話題になっている。
この本のような、世界規模の勢力大変動を見据える優秀な学者と、その発言は、我々もそうだが、日本の政治家も爪の垢を煎じて飲む必要があるのじゃないかな。
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