From 多摩セン

多摩センター在住の独身オトコが三十路を期に発信する音楽情報・街情報、そして日々の出来事。

宇都宮餃子の双璧 『みんみん』『正嗣』の内外評価の矛盾

2005-05-03 00:31:47 | 心の故郷・栃木情報
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先々週末に僕の第二の故郷、宇都宮に里帰り:日帰り旅行に行きました。
まずは、昔の営業担当エリア:佐野で佐野ラーメン、佐野厄除け大師、いもフライ、イチゴ狩りプレミアム・アウトレットを堪能し、宇都宮へ移動。

友人と宇都宮で合流し、宇都宮接待の定番、餃子のハシゴを久々に経験。
土日ということもあり、長蛇の列を観ながら、友人と話した素朴な疑問
地元では『正嗣』の方が評判が高いのに、なんで『みんみん』の方が有名なんだろう?

この疑問、僕が住んでいた頃からず~と疑問に思っていたのですが、ちょうど良い機会だったので、その頃から考えていた結論?今日は発表したいと思います。

超ローカルな上に、根拠は薄いので悪しからず。


1.宇都宮餃子戦争の発端と現在の勢力図

1.1 なぜ宇都宮名物が餃子なのか

参照:『なぜ、宇都宮が餃子なのか?』著者:上馬 茂一 監修:協同組合宇都宮餃子会より

 何故、宇都宮かには諸説あるが、確率しているのは下記二点。

(1)宇都宮が軍都であったことで、陸軍十四師団が大戦中満州へ出兵し、本場の餃子の味に接して帰国後広めた。

(2)宇都宮の気候風土が日光連山を北西に控えた関東平野の北偏に位置し、冬寒く夏は暑い大陸性気候であったことが、小麦と白菜の産地となって餃子作りに最適だったこと。

これに、平成に入ってから、宇都宮職員が消費量日本一の餃子で町おこしをすべくPR活動をはじめ、「おまかせ山田商店」での餃子PR(全7回)や餃子像の設置で着実に餃子といえば宇都宮をPRし続けてきた。

一時期、静岡も餃子の猛追あい、若干の変動はあったものの、現在では、消費量、家庭の購入金額では宇都宮が餃子界の聖地となっていることは揺ぎ無いものとなっている。


1.2 現在の宇都宮餃子 勢力図 参照:協同組合宇都宮餃子会

 ここでは、味の評価を別として、純粋に数字を列挙してみる。この数字は上記の宇都宮餃子会に加盟しているお店のみの数字なので、正確な数字ではない。(正嗣の直営店もカウントされていません)

店舗数:78【57企業(個人商店含む)】
店舗数ランキング
1位 みんみん:10店舗
2位 宇都宮餃子館:6店舗
3位 青源:4店舗
4位 桃華楼:3店舗
5位 さつき、餃子園、正嗣(フランチャイズ?):2店舗

正嗣は直営店5店舗、計7店?〕

宇都宮における餃子勢力図において、『みんみん』は間違いなくガリバーチェーンであるのに対し、『正嗣』は孤高の道を歩んでいることになる。また、JR宇都宮駅前のおみやげ屋に入ったことがある方はお気づきだと思いますが、宇都宮餃子館、青源はおみやげ用商品が充実しており、勢力拡大に努めていることが伺える。


2.宇都宮餃子の双璧、『正嗣』と『みんみん

 次に、宇都宮市民なら必ず別れると言っても過言ではない双璧の二軒について紹介する。

2.1 『みんみん』の知名度が『正嗣』を凌駕する秘密

 『正嗣』、『みんみん』の企業戦力の違いは明らかである。

 本店直系の味にこだわり店舗数を増やさない『正嗣
 チェーン化による拡大路線を目指す『みんみん

店舗でも餃子(焼・水)のみのメニューの『正嗣
餃子(焼・揚・水)にライスとビールも注文できる『みんみん

どちらが正しいなんて議論は無意味だが、知名度といった点では拡大路線をとり、JRの駅ビルへ出店した『みんみん』は地元での評価だけでなく、おみやげ求め、餃子を食べるために宇都宮に足を運ぶ観光客の心を掴んだ。この時点で、対外的評価が『みんみん』に上がったのは想像に容易い。

 『みんみん』の積極策は池袋の餃子スタジアムの出店という賭けに勝ち、その後の来場者の評価を得たことで、関東における知名度を確立した。

 また、『みんみん』の知名度を考えた時、関西で80店舗を誇る大チェーン店:『みんみん()』と混同されていることも考慮にいれる必要がある。特に、東京駅地下街に出店された『みんみん()』は、大阪か、宇都宮かではなく、美味しい餃子専門店と評価されており、『みんみん』=餃子=美味しい、という評価が確立していること証明される。

さらに、『みんみん』と言う店名はラーメン屋にありがちで、名称からも想像しうるように古臭く老舗が多いことから、餃子のイメージを抱きやすいという点でもプラスに働いていることは間違いない。
上記のように、宇都宮の餃子と言えば『みんみん』なのではなく、あくまで『正嗣』と『みんみん』、どちらの名前を餃子店として認識しているかと言うと、どこかで聞いたことがあり、中華系・餃子のイメージを想像しやすい『みんみん』が外部の人間にとって、より認識しやすかった、ということになる。

ここで注意が必要なのは、餃子といえば宇都宮、宇都宮餃子といえば『みんみん』(≠正嗣)、ではないということである。これは宇都宮市民が間違いやすいロジックであるが、宇都宮が餃子の街であることは間違いないが、数ある餃子の特産地の一つである、ということである。その宇都宮のお店の中の有名店:『みんみん』と『正嗣』の名前のどちらの知名度があるかという設問に対し『みんみん』という回答が多くなるということである。『みんみん』の名前が全国的に知られている訳ではなく、宇都宮の餃子といえば『みんみん』『正嗣』のどっち?と聞くので『みんみん』という回答になるだけなのである。

2.2 『正嗣』が地元でウケる理由

次に、なぜ宇都宮では『正嗣』の評価が高いかについて知見を述べる。その前に、『正嗣』の評価が高いという点については、正確なデータを見つけられなかったが、宇都宮のタウン誌『もんみや 』や宇都宮唯一のFM局:レディオベリーでアンケートをとる度に、『正嗣』優勢のデータが出ていることを根拠としている。

これは、あくまで推測の域をでないが、この問題を考える上で県民性を考慮せずには要られない。二年間の在宮生活で感じたのは宮っ子気質。
口は悪い(早口で語尾が上がるので喧嘩越しっぽい)が心は優しい。中産階級が多く、比較的裕福な土地柄で人口も少なく、貧富の差が少ない。典型的な盆地で閉鎖的ではあるが結束力があり、判官贔屓。
 外部で『みんみん』が持て囃されているとなると、地元の雄、『正嗣』を応援せずにはいられない!という心理が働き、アンケートでは、『正嗣』の人気が高いのではないかと推察される。

また、別の角度では、餃子の家庭の年間購入額日本一のプライド(これがこの街の唯一のプライドでもある)を持つ宇都宮市民にとって、餃子は家庭で食べるものであり、ビールやライス、ラーメンまでもが食べられる『みんみん』は邪道とうつるのであろう。

さらに、餃子のみ販売の『正嗣』はイートインをあまり期待せず、テークアウトの顧客=近所の市民をターゲットに絞っているのに対し、観光客を集客のターゲットにしている『みんみん』は宇都宮市民にとって、並ばなければ食べられないお店と認識される。餃子は家庭料理という認識の宇都宮市民にとって、餃子なんて並んで食べるほど珍しいものではないのであり、その奇妙な餃子店の代表が『みんみん』なのである。

宇都宮市民にとって、『正嗣』は地元の誇りである「餃子」の良心であり、そこが評価を上げている要因ではないかと考えられる。


3.結論

宇都宮の域外での『みんみん』の知名度は、企業努力の賜物ではあるが、それ以外の要因も強く働いていることは否めない。一方、宇都宮では確固とした地位を確立している『正嗣』は全国的には餃子店としての認識度は低く、域内での高い評価を域外評価の向上に活かせていないことになる。

一方で、これは両雄による整然とした棲み分けが確立していることを証明している。拡大路線・域外需要への供給先としての『みんみん』、市民生活の象徴としての餃子を身近なものにしている『正嗣』。同業者で地域の覇権を争う両雄がこれほどまでにキレイな棲み分けを行っているのは非常に珍しいことである。

 『みんみん』と『正嗣』の内外評価の矛盾は餃子の街 宇都宮が餃子の街であるために必要な矛盾ではないか、と思わずにはいられない。いわば、必然性を持った矛盾であるのではないかと考察する。


終わりに

大した話じゃなくてスイマセン。。。
が、これも心の故郷を愛するが故のこと。お許し下され。

また、どちらが美味しいかについての言及は今回はありません。たぶん味の好みはわかれるところだし、正直、僕には味の違いが判りません。練り唐辛子の味にヤラレまくってて、アツアツをふーふーして食べるのが美味しい!ということで。

ただ、観光で宇都宮に餃子を食べに来る時、地元の人と一緒だったり、勧められた場合、順番は『正嗣』→『みんみん』の順がほとんどだと思います。 これは『正嗣』が餃子のみ、『みんみん』はライスとビールが飲めるから。 域外から来て頂いた方に2店の味を美味しく食べてもらうためには、後により重くて長いできるお店を選択するのは正しい選択だとは思います。

しかし、人間の脳は15分で満腹中枢が働き出すと言われており、お店のハシゴをすると、本店同士のハシゴでも並ぶので 30分近くかかり、先に食べた方が期待が高い分、より美味しく感じるのではないか、と思ったりします。

いつも『正嗣』→『みんみん』の順の人には逆にすることもお勧めします。 味の印象が変わるかもしれませんよ~!

ご精読、感謝です!

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55 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジャズの街 (さっかん)
2005-05-12 18:27:01
コメント,ありがとうございました。

自分のブログを書く前に,ここを見つけていれば,もう少し違った書き方になったと思います。

そういう意味では,反省しております。



あと宇都宮は,ジャズの街としても売り出し(?)ていますよね。

そういえば,渡辺貞夫氏は宇都宮出身とか?
返信する
コメントありがとうございます! (saku)
2005-05-13 00:12:36
こちらこそありがとうございました!

僕の日記は真偽は?どうなの?って感じです。



最近はジャズまで町おこしに使ってるんですね!

そういえばレディオベリーで渡辺貞夫の番組あった気がします。

夏に屋外コンサートとかあるのかな?



僕の大好きな街なのでチェックしてみます!

情報提供ありがとうございました!!
返信する
Unknown (鬼怒川)
2007-07-17 17:28:32
初めまして。栃木県民です。
今頃のコメントで恐縮です。みんみん・正嗣で検索で出たので、読ませていただきました。
まずは、真摯なページを拝見し、頭がさがる思いです。

余計な話ですが、原住民として一言。
宇都宮は盆地ではありません。北が山なだけで、南は関東平野です。

宇都宮の人間は、みんみんをガリバーとは思ってないと思います。現に、今は無き上野さんの裏の店、一軒だけのころから、充分有名でした、店が増えたから有名になったわけではありません。市民は、今何店あるかとか、あまり知らないと思いますし「みんみんが拡大路線」で、「正嗣がこだわり路線」みたいな実感は薄いです。

ただ、ご指摘のとおり市民的には餃子は並んでまで食べるものとは思っていませんので、「みんみん、有名になっちゃったなあ~」という思いがあります。そんなことも、対外の方から聞かれた場合、「地元では正嗣」的な答えにつながるところもあります。が、これは判官びいきから来ているのではなく、にわか批評家となった、田舎者が(自分を含めてです)得意げに、知名度の低いほうを言っている可能性は捨て切れません。

意外と多いのは、焼きたてはみんみん、冷めてもおいしい正嗣、という評価です。皮の厚さのせいだと思います。
返信する
コメントありがとうございます! (saku)
2007-07-17 23:22:32
>鬼怒川 様

だいぶ古い日記にも関わらず、コメントありがとうございます。

宇都宮が盆地ではない点、失礼しました。
高速で鹿沼~佐野を走ると山を越えるので盆地かと思ってましたが
国道4号や東北本線は山を越えなかった気がしてきました。
(そちらはあまり利用してないのでスイマセン)

修正すると、僕の拙い論が成り立たなくなるのと(笑)
今更記事を変更するのも面倒なのでご容赦を。

みんみんがガリバーだというのは僕の私観です。
同様に、拡大路線とこだわり路線も僕の私観です。
両店にリサーチした訳でもないのですし
そんな調査があったということも調べてないので(笑)

ただ、経営方針の差は歴然だと思います。
駅ビルや池袋まで出店している点や
「きらっせ」への商品提供の有無は比較しやすいと思います。

鬼怒川様がおっしゃる「宇都宮の人間」や「市民的」
というところの根拠などぜひ、鬼怒川様も考察されて
ブログに書かれてはいかがでしょう?

僕はこの記事を県外の人に
オススメする意味を込めて書いたつもりなのですが

>『焼きたてはみんみん、冷めてもおいしい正嗣、という評価です。』

というのは、クール便でおみやげを買う人達には
評価の対象になり難いものですので
焼き方のコツなども是非記事にして頂き
トラックバックなどして頂けると、ここに辿りついた
他の方にも参考となります。

恐らく栃木LOVEな気持ちは同じだと思いますので
ぜひぜひ、よろしくお願いします!
返信する
Unknown (鬼怒川)
2007-07-19 17:39:37
saku様

早速レスいただき感激です。

対外の方へ向けての発信と思って読みますと、
なるほど納得です。

「開き直ってシャイ」みたいな、県民性がありますので、地元のことは気にせずに、是非今後とも栃木の良いとこも、悪いところもとりあげていただければ幸いです。
ありがとうございます。
返信する
Unknown (紋次郎)
2008-09-23 21:44:58
主さん、良く調べてらっしゃる。
どちらも栃木の美味しい餃子屋の顔ですが、僕は、味を守るため(経営能力?)店舗拡大せず営業してる「まさし」のモチモチした皮のファンです
返信する
コメントありがとうございます! (saku)
2008-10-01 23:22:07
このブログ、ずいぶん前に書いたんですが
今でも僕のブログのヒット作なようで多くの方に読んで頂いてます。

論拠はまったくの私感なのが恐縮ではありますが。。。

紋次郎さんは餃子好きなんですね!
僕は味オンチなのもあって、皮のモチモチ感には気づかず。。。
最近、全然宇都宮に行けてないので、食べ比べに行きたいと思います!

コメント、ありがとうございました!!
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Unknown (独楽)
2009-06-04 02:12:18
正嗣のほうが好きー!!
つか、家の近所のスーパーの隣?に正嗣があって
最初に正嗣で注文しといて
スーパーで買い物が終わったら餃子を取りに行くのが
近所の人にとっては普通。
中に入って餃子を食べてる人がいると毎回不思議に思ってました。
返信する
正嗣、みんみんを超える餃子 (小太郎)
2009-07-11 13:40:21
宇都宮市民です。
正嗣、みんみんもおいしいのですが私は、幸楽の餃子をお勧めします。家庭的な味でジューシー。塩加減も良く、今まで食べた宇都宮餃子で一番うまいと思いました。
幸楽は、宇都宮のパルコ地下、もしくは大谷街道を大谷方面に進み、駒生町のハーマンを過ぎて少し走ったところにある幸楽の看板のところを右折北進し、100メートルほど行った右側に店があります。
ぜひ食べてもらいたいです。
返信する
コメントありがとうございます! (saku)
2009-07-28 23:17:27
>独楽さん

コメントありがとうございます!

僕は宇都宮に住んでたとき、餃子屋さんで焼いてない餃子をテイクアウトする!って行為にビックリしたんですが、住んでしばらくすると、それが当たり前に感じるようになったりしたんですよね~。
きっと、宇都宮の方は餃子を焼くのが上手なんだと思うのですが、僕は焼けないので中で食べる方が美味しく食べれるかな~なんて思いました!

なんて書いてたら、やっぱり食べに行きたいくなりました!!


>小太郎さん

コメントありがとうございます!

最近、U字工事の栃木本を買って読んでるんですが、宇都宮には200店くらい餃子屋さんがあるそうですね~!
同じチェーンでも微妙に味が違うと思うので、お気に入りのお店探しなんてのもイイかもしれませんね!

幸楽、お店の名前、聞いたことありますよ~!ネットの評判も上々ですので、ぜひ次の宇都宮来訪の際には御邪魔したいと思います!

ご紹介、ありがとうございます!!
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