以下、
WEBアニメスタイルより抜粋。
水島 (前略)映画が公開した後で、ハイデリヒが死んだからアルが現実世界に来られたんだという意見を聞いて、「ああ、そうか、そういう捉え方もあるな」と思いました。そのつもりはなかったけどね。
小黒 エドが「等価交換か」と言うじゃない。TVで散々使って、一度は半ば否定した言葉をあそこで使ったのは効いていたよね。
水島 ハイデリヒが死んだから等価交換でアルが帰ってきて、エドが彼を受け入れたと思った人がいるらしいのよ。俺はそれ聞いて「違うんだよ~。その捉え方!」と思った(笑)。
小黒 錬金術の力を失って、記憶を取り戻したから等価交換なんじゃないの?
水島 うん。そういう事ですよ。「(記憶が)戻ってきたみたいだ」というセリフを聞き逃した人が結構いらっしゃるようで。(後略)
※「ハイデリヒが死んだからアルが現実世界に来られたんだ」ということと、「ハイデリヒが死んだから等価交換でアルが帰ってきて、エドが彼を受け入れた」ということが書いてありますが、前者は「作品構造上の話」であり、後者は「アルの記憶の対価」の話です。別個です。
ここであっさり「錬金術の力を失って、記憶を取り戻したから等価交換なんじゃないの?」と言い切った小黒氏には感嘆の意を禁じ得ないが(できればこの部分の取材テープを聴きたい。後学のためにも本気で)、
「アルの記憶の対価が錬金術を捨てたこと」って、一見してわかるようにできてたんでしょうか……。
どんなにがんばっても(「(記憶が)戻ってきたみたいだ」というセリフを聞き逃さなくても)「いくつか仮説は立てられるが(そのなかに正解も含まれていた)、これ、と言い切るには材料が少ない」が限界だったのだけどなあ。
ていうか、この部分について正解を言い当てた感想を見たことがないんですが。
・・・・・・やっぱ描写不足だと思うよ。少なくとも誤解される運びではあったよ?
「違うんだよ~。その捉え方!」と思われては「言葉で言われないとわからない中学生」はかわいそうだ。
追記
「帰れなくなるぞ」>「いいんだ」>「等価交換か」の流れで、「帰れなくなるぞ」が=代償と表している。
見ている側としては、「あれほどほしがっていた4年間の記憶と兄」が「未練なさげに捨て去った(兄のいない)故郷」が等価には見えませんなんだ……。
そんであれだね。この直前のシーンの「ハイデリヒの遺体を見つけるエド」は、アルが来た瞬間で、もう終わった話だったんだね……。このシーンとの関連を考えるから対価が何か分からなかったんだと理解。ていうかハイデリヒの立場は。