信州・佐久で、ものづくり

信州・佐久在住の「ものづくり」の裏方である生産技術一筋二十数年。一芸より多芸を求められる人間から見た「ものづくり」論。

医療機器の絶縁耐力試験は不要なのか?

2016-11-25 21:41:16 | 日記

現在携わっている筆者のウン十万ボルト絶縁耐力試験器の仕事も最後の山場を迎えております。

何度も出てくる絶縁耐力試験・・・家庭用電気機器だと1000ボルト1分間で漏れ電流上限10ミリアンペアとして試験します。基本的には製品全数実施なのですが、実際はどうなのでしょうか?管理・高度管理医療機器はPSE(電気用品安全法)非対象となっています・・・非対象なら試験しなくて良いのか?メーカーの良心が問われるところです。一般医療機器はPSE対象(一部非対象もある)と考えられています。

なおPSE(電気用品安全法)の違反は最大で1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。これに加え法人にあっては、1億円以下の罰金が科せられる場合があります。またPSE表示の禁止による事実上の販売停止や、消費者の安全を考えての違反品回収命令などもありますが・・・。

輸入医療機器でも日本の安全規格外れのまま通用する余地があるということ。日本より格段に安い医療機器の出回っている国は・・・あります。

筆者を悪者に仕立て上げた絶縁耐力試験で壊れた製品って、どうなったのかな?あの赤い・・・


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その39

2016-11-19 22:06:08 | 日記

医療機器で使用する、というだけで材料の部品単価は高くなると思いますか?

答えはイエスでもあり、ノーでもあります。半導体部品に詳しい方なら御存知と思いますが、市場に出ている部品にランクのあるものがあります。同じメーカー、同じ型番でも「医療機器に使用します」と言って注文するとビックリするような請求書と共に納品される場合もあります。それは何故か?

メーカーで試験され、優秀ランクを選別してから出荷されるからですね。普通ランク以下をロス分として請求される可能性は低いとしても試験と選別費用、成績書作成といった余分の人件費が載せられます。これを甘んじて受けるかどうかは、皆様の会社で実施しているはず(?)のリスクマネジメントに懸かっていると言えるでしょう。

実際の例で言いますとLEDですね。日本製の明るさのバラツキは少ない(多少はあります)ですが、アジア圏の現地から入手すると非常に安いものの、明るさに極端なバラツキがあります。特に白色LEDは目立ちます。これで良いのか悪いのかは、皆様の会社の判断次第!

筆者も長野の医療機器メーカーではコストVS(品質)バラツキとの闘いでしたね。いやいや・・・もっと別の闘いが!

ある時、エライさんの腹心君の設計した製品(法令上の医療機器ではない)の部品が客先で故障するトラブルが多発!この部品、筆者が中国から非常に安く入手するルートを作ったもの。部品に電気火花を飛ばしたりしても壊れず原因を見つけられなかったのですが、部品に問題は無く、設計上、非常にマズイ部分のあることがヒョンなことから判明。エライさん大喜びで「(筆者は)原因を見つけられなかった(バカ者だ!)」みたいなことを社内に吹聴して回りました。別に筆者は何と言われようと構わないのですが、許せないのは、自分の腹心を守るために「設計上、非常にマズイ部分」を曖昧にする姿勢ですね。つまり「罪を憎まず、人を憎む」ですかっ!


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その38

2016-11-13 23:16:50 | 日記

現在は医療機器ではなく、ウン十万ボルトの高電圧試験装置を何台か手掛けています。

その内、何台かは絶縁耐力試験器と呼ばれるもの。さすがに家庭用の電気製品ではウン十万ボルトなんて高電圧をかけませんが、1000V1分間で漏れ電流10mA以内という試験を合格しなければPSEマークを付けて出荷することはできません。

ところでPSEは経済産業省所管ですので、厚生労働省所管の医療機器はどうなるのか?

JIS T 0601を合格していれば大丈夫です。ちなみに筆者の開発医療機器は商用電源(AC100V)を使わない、PSEマーク取得のスイッチングレギュレータ(電源器、パワーサプライ)を内蔵の2パターンしかないので、さらに問題なし。

問題となってくるのは自社開発の商用電源回路や高電圧発生回路の場合・・・絶縁や漏れ電流は大丈夫ですか!ということになります。現実にJIS T 0601でも商用電源回路や高電圧発生回路は厳しい試験が待っています。クラス2以上なら第三者認証機関の試験結果があるでしょうが、クラス1つまり届出でOKの一般医療機器の中には怪しいものが存在する可能性があります。

笑ってしまうのが「試験装置を持っていません」と平気で答えてしまうメーカー!電波を発する装置を製造販売しています。でも電波の試験器を持っていません、なんて信じられますか?どうやって開発したの?品質保証はどうなってるの?

役所は本当に試験・検査したのか見つけ出す方法を御存知です。試験結果があるから大丈夫さ!って思っていたら犯罪者になっていた・・・注意しましょうね。


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その37

2016-10-30 21:52:40 | 日記

開発を含む「ものづくり」プロジェクトを進める上で反対や慎重意見はもちろん、悪口、誹謗中傷、妨害行為などは良くあるものです。

一番の強敵は・・・プロジェクトにおいて関係者の中に「失敗するだろう」なんて思っている者が居ると本当に失敗する可能性が増えてきます。野球やサッカーの決勝戦で「負けるだろう」なんて思っているメンバーの居るチームに栄冠など有り得ません。でも会社や行政などの組織では少なからず「失敗するだろう」・・・というより「オレの責任じゃない」というメンバーの存在がプロジェクトの行方を左右します。

こういう人たちがどういうスタンスに立つかというと、「オレの仕事じゃない」、「オレは司会(審判・アドバイザ)だから」から始まって「聞いていない」などなどの言い訳を連発してきます。こういう「言い訳」を経営者が許してしまうとアウトですね。プロジェクトと関係ない、関与していない、自分から入ろうとしない・・・こんな『社内でお客様であったり、ネガティブな人間を許す』組織に明日はありません。

筆者は現在、千葉県内の超大手の会社様を渡り歩いていますが、以前の会社様は「誰の責任だっ」というのが強烈でした。工場現場でトラブルがあっても知らぬふり、関与すれば他部署への影響も含めた後始末の責任を被ることになるので、新設工事しかやりません、というデスクと会議室(売店?)の間しか動かない人がほとんどでした。現場を知る、まじめな方は責任・責任で追い込まれて次々退社。結局、筆者のような社外の人間が部署間の調整・謝罪を含む後始末をしていましたが、最後は時間管理のできない現場知らずの図面も描けない人から「スキルがない」とか意味不明な理由で切られましたが。(この会社の経営状態は言うまでもありません)

現在の会社様にも「責任はオマエ」みたいなことを言う人がいますが、別の方から「気にしないで進めてくれ」と心強い言葉を戴き順調にプロジェクトは進行しています。

ネガティブな発言は評価を下げることは誰でも分かっているので、「やりますよ」というポジティブな物言いの中に「私の責任じゃないです」、「私の知ったことじゃないです」と敵前逃亡を画策する年配メンバーが多いですね。「段取りしてくれれば(他人が責任取れば)、やります」という前提条件を付ける手口がほとんどです。ちなみに敵前逃亡の罰則は銃殺です。


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その36

2016-10-30 01:07:17 | 日記

筆者は医療機器メーカー以外にも多数の「ものづくり」会社を経験してきましたが、生産性や品質改善においてトヨタ自動車を参考にするパターンが大半を占めています。併せてトップがスローガンを定める場合も多いのですが、そのスローガンを組織員は都合の良い解釈をする場合があるので注意が必要です。

例えば・・・歯科用イオン導入器メーカーでは「明るく楽しい長野工場」なんていうのがありました。何てことのない文言ですが・・・これでも裏の意味がありました。仕事の全てが「明るく楽しい」なんてことはありませんね。販売担当者や客先からクレームだってあります。ということは「明るく楽しい部署」がある以上「そうではない部署」が出てくる訳です。工場長さんは実に上手く使い分けておられましたヨ!

「後工程は、お客様」というスローガン・・・後工程に迷惑をかけないようにしよう、という品質改善のスローガンの意味で設定されたのだと思いますよね。でも組織員の解釈は違います。この場合、最終工程とも言える販売担当者が「お客様」になって組織内に乱暴な要求やハラスメントまがいの発言を始めたりします。もちろん工場等の事業所内でも同じような解釈が始まり、後工程の人間ほど横柄で自分勝手な行動をしたり、言い訳を許し、組織の和を破壊していく姿を何度も見たことがあります。

経営者や組織トップが生産性や品質改善をするために考えて設定したスローガンですが、組織員レベルでは都合の良い解釈がされてしまう、そして横暴な組織員を許し、組織の和を乱す原因となる可能性に配慮が必要です。もっと踏み込んで言えば善良な組織員を退職や、うつ病・自殺に追い込んでいるかも知れません。

そうそう「生産優先!」という自ら掲げたスローガンに他部署の協力もしないで、「忙しい!」を連発しながら、ゆっくり煙草休憩をとってサッサと帰っても許される人もいましたね。

組織内を分断、一部に発破をかけるようなスローガンは危険!ですね。


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本日も本ブログを御覧戴き、誠に有難うございます

筆者略歴
  • 食品、住宅設備、医療機器、スマホ・カーナビ部品メーカー経験(生産技術を中心に製品開発・購買・外注・品質保証・施設管理)
  • ISO9001,14001,13485管理責任者(事務局)
  • 食品衛生管理製造過程(HACCP)の承認取得(事務局)
  • 第二種医療機器製造販売業 総括製造販売責任者,安全管理責任者
  • 機械工具商許可(長野県公安委員会)
  • 第二種電気工事士
  • 第三級アマチュア無線技士
  • 技能講習修了:ガス溶接、フォークリフト、プレス機械作業主任者 (特別教育:アーク溶接、産業ロボット教示・検査、低電圧作業)
  • 特許・実用新案 30件以上


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