信州・佐久で、ものづくり

信州・佐久在住の「ものづくり」の裏方である生産技術一筋二十数年。一芸より多芸を求められる人間から見た「ものづくり」論。

歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その30

2016-07-25 20:14:18 | 日記

千葉県内移転のためアップが遅れております。何が大変なのかと言いますと、今度の土日のみ2日間で完全移転するため!

ところで歯科用医療機器と言えば・・・インプラントもありますよね。

「インプラント(implant)とは、体内に埋め込まれる器具の総称」となっています。(「インプラント」ウィキペディア参照

医療機器の言葉かと思っていたら、千葉の仕事場にもあったんです・・・インプラント!

ロシアがリオデジャネイロ五輪への参加できる・できないの議論となった・・・ドーピング!

半導体生産においてイオン注入と呼ばれる操作、あるいは工程があります。これをイオンインプラントとかイオンドープと言います。(「イオン注入」ウィキペディア参照

何かイオン導入に似た言葉ですね!

掌(てのひら)に載るまで歯科用イオン導入器はサイズダウンしましたが、仕事場のイオンインプラント装置は建坪100平米以上の2階建て一軒家位の大きさがあります。それがズラッと・・・!


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その29

2016-07-18 21:07:42 | 日記

月末の千葉県内移転の準備で更新が遅れております。

医療機器業界への参入へのお誘いとして記事を投稿しています。部品メーカーや請負中心の会社様では製品販売には営業メンバーの増強が必要・・・と思われていると思いますが、お医者様や医療従事者に売り込む方法は一般消費者向けとは違います。よって販売方法も流通も違います。この点は医療機器業界参入において非常に重要なポイントであり、ブログ上で御紹介することもできません。

実は展示会や見本市に出展しても、医療業界内で「安い!楽!間違いない!」位の相当のインパクトがないと「売れない」理由があったりします。何故、現状の「高い、使いづらい、手間がかかる」ものを置き換えられないのか?この戦略はブログではなく個別に考えてゆきたいと思います。


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その28

2016-07-09 21:41:33 | 日記

8月に千葉県内で拠点を移動する都合上、ブログの更新が遅れ気味で申し訳ございません。

齲蝕予防すなわち虫歯予防に使用する歯科用イオン導入装置について語っていますが、ちょっと道を外れて「洗浄」について、お話をします。滅菌や殺菌を重視する余り軽視しがちなのが洗浄。生産設備や器具だけでなく作業者の手や服装にも洗浄の知識は必要ですね。

洗浄に使用されるのが、「洗剤」。洗剤と言っても、その成分を大きく分けると・・・

  1. 界面活性剤
  2. アルカリ成分
  3. 酸性分

1.アブラ汚れを分解する界面活性剤

アブラを分解する成分ですね。御存知の通り、アブラに溶けやすい親油基と水に溶けやすい親水基からなります。混ざりにくいアブラと水を混ぜるような目的では乳化剤とも言われます。

2.タンパク汚れを分解するアルカリ成分

垢(あか)、飲食物の食べこぼし、血液等のタンパク質を分解するにはアルカリ洗剤を使用します。水酸化ナトリウム溶液に手を入れるとヌルヌルしてくるのは・・・あなたの手が溶けているから!って学校で習いましたよね。石鹸もアルカリ性ですね。殺菌剤に使用される次亜塩素酸ナトリウムもアルカリ性です。

3.水垢、乳石、尿石を分解する酸成分

ご家庭ではトイレ用洗剤に使用されています。だんだんと汚れてくる、って感じの汚れを落とす時に使用する洗剤というイメージでしょうか。「酸は怖い」というイメージも強いと思います。特に塩素系洗剤と酸洗剤を混ぜると塩素ガスが発生して危険です。使う時だけでなく、保管場所も分けるようにしましょう。もちろん行政でも酸・アルカリの分離保管は強く指導しています。

食品工場ではCIP(Clean In Place;定置洗浄装置)といって水洗、アルカリ(洗剤)洗浄、水洗、酸洗浄、水洗を自動で行う装置があったりします。手で洗おうと機械で洗おうと、その効果は汚染指標菌検査等で調べる必要があります。もちろん作業者の手指の洗浄も同じです。

ところで洗浄する際に、熱いお湯を使うべき!とお思いの方がおられるのではないでしょうか?

実はタンパク汚れの場合、60℃以上の熱いお湯を使うとタンパク質の熱変性により固まり、かえって汚れが落ちにくくなります。最初は体温位の水洗いが、よろしいようで。

どんな洗剤を使っても、最後は十分な水洗が必要です。洗剤成分(殺菌剤成分)の残留も重大なハザードと認識するのが、プロフェッショナルの務めですね。


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その27

2016-07-04 20:06:44 | 日記

ガンマ線滅菌済みのゴキちゃんの話が出てしまったので・・・モニタリングについて説明します。木曜日夜7:56からのTV番組は置いておきまして、医療機器でも食品でも重要な防虫防鼠(ぼうちゅうぼうそ)モニタリングです。

普通に製造場や倉庫に虫やネズミを捕獲するホイホイ類や粘着トラップを仕掛けると思いますが、捕獲が目的なのか、モニタリングが目的なのかで、その捉え方は違います。基本的に高度な衛生管理を求められる工場においてはモニタリング目的として行政担当者は指導を行いますが、トンチンカンな答えをしてしまう例が多々見られます。

製造場内のホイホイに虫が貼り付いていた・・・

  • トンチンカンな答え:ホイホイで虫が捕獲され製品に入らなかった。(良かった、良かった!)
  • 行政担当者の答え:防虫体制が不十分です。

考え方の違いが分かりますか?製造場内で虫が捕獲されたということは、製造場内に虫がいる!っていう証拠です。ネズミであっても同じです。

虫は地面を歩いたり、這って来るもの、飛来するもの、荷物や人間にくっついて侵入するもの、経路も玄関から堂々と入って来る他に、排水配管・換気口や窓・壁のスキマなど侵入パターンが色々考えられますので、これらを捕獲できるホイホイや粘着トラップの設置が必要です。もちろん捕獲した場合は侵入方法や経路を調べて対策するのです。教科書に載っている通りにやっています、なんて思考停止している場合ではありませんね。

その他に注意すべきこと!

  • 電撃殺虫機は電撃で虫の破片が散るので行政担当者は捕虫式にするよう指導されます。(虫の同定もしづらい、汚れやすい)
  • クモ・・・クモ自身も問題ですが、その存在はエサとなる昆虫の存在も知らせています。
  • 虫やネズミのエサになるようなものを製造場や倉庫は、もちろん工場棟には置かないようにしましょう。
  • 殺虫剤、殺鼠剤の使用・設置は製品に混入しないよう相当な注意が必要です。行政担当者も良い顔はしないでしょう。
  • 倉庫の出入口は虫やネズミにとって格好の出入口です。筆者の経験では鳥やヘビに侵入された例もあります。

ここまで言っても「滅菌(殺菌)するからダイジョウブ!」なんて言い続ける人は・・・古い人を中心に、いるんですよね。


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歯科用イオン導入装置 開発苦労話 その26

2016-07-02 01:05:12 | 日記

齲蝕予防すなわち虫歯予防に使用する歯科用イオン導入装置はトレーと呼ばれる容器とアルミフィルム電極、フッ化ナトリウム溶液を含浸する脱脂綿から構成されています。このトレーですが、子供たちの口に入れます。そうなると個包装されたトレー製品のみならず入荷したトレー容器、アルミフィルム電極、脱脂綿、そして接着剤の安全性が気になりますよね。

リスク(ハザード)として

  1. 微生物(菌、ウィルス)の付着・増殖
  2. 化学物質の付着・汚染・溶出
  3. 異物混入

を挙げることができます。

1.微生物(菌、ウィルス)の付着・増殖

基本的には納入メーカーより製造ロット毎に安全性試験成績表を出させます。但し納入メーカーをただ信じているのでは無責任というのが世の習い。半年か1年に1回位は自社で試験するか、第3者試験機関にて試験するのが当たり前!注意すべきことは自社で加工する以上は工場や作業者の衛生状態に関するバリデーションも必要ということ。ホコリのある部屋で汚い機械や洗ってもいない手で触った製品だったらゾッとしますよね。最後に滅菌するから良いんだ!なんて考え方が古い、というよりデンジャラス!最悪は毒素を生成する微生物ですが・・・生存・繁殖条件が限られていますので、リスクとして挙げても可能性は低いでしょう。

2.化学物質の付着・汚染・溶出

機械の油、作業部屋で使う殺虫剤・芳香剤(?)、洗剤・滅菌用の次亜塩素酸Naの付着・残留も注意すべき点です。また唾液(水)あるいはフッ化ナトリウム溶液で重金属や残留物質、環境ホルモン等の溶出があるかも知れません。滅菌するからダイジョウブね!なんて化学物質には通用しません。原材料は納入メーカーの安全性試験成績表でクリヤできますが、加工中に付着・汚染することがない、という担保は結構大変です。特に、なんちゃってクリーンルームでは!

3.異物混入

髪の毛、ホコリ、虫の付着でしょうか。異物混入していても「滅菌してあるからダイジョウブね!」という方は退場です。滅菌しても異物をエサにして雑菌の増殖するリスクは見逃すことはできません。筆記用具から出るカス、ステープラー(ホッチキス)の針の混入も重大なハザードとなります。脱脂綿に水気を与えるだけでもリスクはハザードへと変化していきます。

筆者は食品製造、医療機器製造を経験する中で、後工程に殺菌・滅菌があるから、水分活性が低いから「大丈夫!」という人を見てきました。また自分たちが試食しても身体を壊したことがない、と問題にしない人も見てきました。でも消費者に渡るまでの間に増殖していたら、消費者の抵抗力が弱ければ・・・と考えれば微生物(ウイルス)、化学物質、異物の付着・汚染は絶対にあってはならない、と考えます。

ガンマ線滅菌したらゴキちゃんでも食べちゃうのかなぁ・・・あの人?


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本日も本ブログを御覧戴き、誠に有難うございます

筆者略歴
  • 食品、住宅設備、医療機器、スマホ・カーナビ部品メーカー経験(生産技術を中心に製品開発・購買・外注・品質保証・施設管理)
  • ISO9001,14001,13485管理責任者(事務局)
  • 食品衛生管理製造過程(HACCP)の承認取得(事務局)
  • 第二種医療機器製造販売業 総括製造販売責任者,安全管理責任者
  • 機械工具商許可(長野県公安委員会)
  • 第二種電気工事士
  • 第三級アマチュア無線技士
  • 技能講習修了:ガス溶接、フォークリフト、プレス機械作業主任者 (特別教育:アーク溶接、産業ロボット教示・検査、低電圧作業)
  • 特許・実用新案 30件以上


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