2012年7月10日、中央電視台の報道によると、河南省駐馬店市からやって来た母親が息子を連れて河南省人民医院医学遺伝研究所を訪れ受診した。
数カ月前に生まれた息子は、生殖器官に発育異常があるという。検査の結果、河南省人民医院医学遺伝研究所の廖世秀(リャオ・シーシウ)所長の説明によると、この子は見た目は男の子のようだが、実際の染色体は女性であり、典型的な発育異常性奇形であるという。南方都市報が伝えた。
医師:「転胎丸」では性別を変えるのは不可能
もともと、子どもの母親が妊娠期間中に“男の子を産む作用がある薬”を服用していたといい、廖医師らは、子どもの性発育異常もこの種の薬と関係があるのではと推測している。
記者がネットで検索をしたところ、確かに「転胎丸」もしくは「●胎丸」(●=手偏に丑)と呼ばれるものがあった。
では、いわゆる「転胎丸」とは胎児の性別を変えることができるのか?河南省人民医院医学遺伝研究所の侯巧芳(ホウ・チャオファン)医師は、「男か女かは、受精の早期に精子と卵子が結合した後に決定され、その後、変えることは不可能だ」と述べている。
商品のキャッチコピー:男の子が欲しいなら、男の子が生める
胎児の性別を変えると謳っている「転胎丸」のほか、もう一種類の薬物は、受胎の前に自由に男女を選べると宣伝している。例えば、「艾爾斯」(アイアルスー)という商品のセットは性別を選択するもので、その宣伝文句はこのセットを使えば「男の子が欲しいなら、男の子が生める」というものだ。
記者はホットラインに電話をした。艾爾斯のサイトのカスタマーサービススタッフは、「私たちの商品は薬ではなく、下着に装着するナプキンで、これで膣内のペーハー環境を変えることで、男女決定するもの」と答えた。
ネット上の宣伝では、この商品はアメリカから輸入されたもので、アメリカ食品薬物監督局FDAの認可も得ているとしている。中央電視台北米支局の記者がFDAに連絡を取り、事実を確かめたが、FDAではいかなる嬰児の性別決定に関するテストも許可していないという。
テスト:男の子を生む作用はありえない
記者はサイトから1セット購入した。価格は1セット1180元(約1万4160円)、中には排卵検査ペンと数本の電子体温計、数箱の女性用ナプキンが入っており、包装の様子から内容は粗末なものに見える。
包装にはぼやけた字で地名が書いてあるほか、どこにもアメリカからの輸入に関する手がかりを見つけることはできなかったが、領収書にある押印は製薬会社のものでも、販売会社のものでもなく、東城鎮汀州村民委員会治安隊のものだった。
この商品の成分は男女の産み分けに効果があるのか?記者はこの商品を中国医学科学院薬用植物研究所に送り検査を行った。
国家人口計生委科学技術研究所の女性臨床研究質の鄒燕(ゾウ・イェン)主任によると、「このサンプルからは2種類のホルモンが検出されたが、男の子を生むのに何ら作用はありえない」と話している。
(翻訳 若林亜希)
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