ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

改名する タイ人

2011年10月05日 12時57分04秒 | コンケン 第9特別教育センター
苗字と名前。

学校や職場において、
日本では、苗字で呼び合うことが多い。
タイでは、名前で呼び合うことが一般的。

バスのチケットを購入するときなど、「名前は?」ときかれて
「さちえ・・」と言うと、苗字を聞く必要はないらしく、
チケット売り場の人により、「さちえ」とチケットに書かれる。
下の名前を使うのが一般的。
   



さらに、よく使うのが、チューレンと呼ばれる、日本で言うならあだ名。
日常生活は、ほとんどチューレンを使う。
タイ語の本名は長い、だからもっと簡単なチューレンをつけて呼びあうのだ。

チューレンは
「りんご」「みかん」などの果物であったり
「魚」「雨」「ミャオ」(=猫の鳴き声)であったり、
英語からとって「ビュウ」(=ビューティフル) 「ギフト」であったり。
魚ちゃん、 ギフトちゃん、と呼びあうのだから、おもしろい。
だけど、それが本名を超えて認知されていて、
封筒の宛先もチューレンを書いて投函するほど。
同じ職場で働いていても、チューレンで呼びあい、本名は知らない
ということも一般的。


私のチューレンは「サーイ」=砂 の意味。
「さちえ」はタイ人には発音しにくいので、
子どもたちが言いやすいよう、そして「さちえ」の「さ」が入っているもので、と
センター長が考えてつけてくれた。
砂を意味する「サーイ」はとてもきれいな名前らしく、
私もとても気に入っている。
チューレンの威力は絶大で、「さちえ」と言ってもなかなか覚えにくそうにされるが
「サーイ」というと、タイ人の目がぱっと輝き「それなら覚えやすい!」
と一発で覚え、親しげに呼んでくれる。


そんな、タイ人のかわいらしい名前。
たまに、簡単に変えてしまう。


ある日、保護者が、
「クーサーイ、貼り替えてほしいの。」と名前を書いた札を持ってきた。
   


貼り替えてほしいと頼むのは、おやつタイムで使うファイル。
環境整備から、と思い、私が名前を貼ったファイル。  (→2011/2/15ブログ 「環境整備から」

チューレンは「サイファー」(=青)だった彼。
それを「ビックボン」(=大きなボール)と貼り替えてほしいという。
「名前を変えたから」
とさらりというお母さんの言葉が全く理解できなかった私。
よくよく聞いて、やっとのことで分かる。
お坊さんにすすめられ、もっと賢くなるようにと名前を変えたのだ、
タイではこうやって名前を変えることがあるのだ、と。

びっくりしている私に、ある先生が言う。
「私も本名を変えたことがあるのよ、お父さんに言われて。」
えええ? チューレンじゃなく本名でさえも変えちゃうの!?


タイでは、名前を変えることは珍しくなく、何回でも自分の意思で変えられるらしい。
2回、3回と変える人もいるらしく、
改名手続き費用も、たった50バーツ(150円程度)だという。
驚くべき、タイ!


しかし、うれしかったのは、
名前が変わったからファイルの名前も貼り替えなくっちゃ、
と思ってくれたこと。
以前なら、気にせず、そのまま元の名前で使っていたんじゃないかと思う。 (→2011/2/16ブログ「環境整備 その波は確かに広がって」
やっぱり、環境整備って大事。
黙ってやって、やってみせることでこんなに変わるなんて。


貼り変わった リニューアルファイル。
     



名前が変わるって、日本人にしたらそうそうあることではないから
びっくりしちゃうのだけど
タイ人は名前にあまり執着がないらしい。


が、
変化に対応することとを苦手とする自閉症の子どもたちにとってはどうなんだ???
とすごく思うのだけど、
所変われば・・・・
郷に入りては・・・・なのかな。


この国で生まれて、この国で育っていくタイの自閉症の子たちには
これも、普通のことであり、
よほど、守られ過ぎている日本の子どもよりも
臨機応変に、たくましく生きていくのかもしれないな。






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