ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

できない!

2010年08月05日 20時14分48秒 | 日記
JICAから 自転車買ってOK の許可がおり、やっと自転車が買えます。嬉しい!
今日の午後、職場の方と一緒に買いに行く約束をしています。
だから、迎えに来てもらうのは、今日で最後。
明日からは、自立して生活できるぞー!
帰りも、送ってもらわなくていいから、自分のきめた時間に帰れるし
心苦しい思いもしないし、さらにゆっくりとセンターから自宅までの
景色や家を見られるぞ。 生活が広がる。
で、今日の朝も お迎えを待っていました。
これまでのお迎え 最早時間7:45の事例があるので、
7:45には準備を整え、いつ来てもすぐ出発できるようにし、
ドアを開けて、壁により掛かって本を読むのが日課です。
 
これは、アパートの廊下。廊下に体半分出た状態で座って読書。 
部屋の中があまり明るくないので、室内では本を読めません。
だから、朝の明るい日の下で、本を読めるのは、とてもいい時間。
のんびり読んでいると、
「ハアハアハアハア」
荒い息づいが。 顔を上げると、ギョギョギョ!! 大きな犬が!
  
本に夢中になってて気づかなかった!
毎晩、ドアの外を歩き回っている、お前じゃないか!
朝も早くからうろつき回ってたのか!
いやー! でかい! 目つき悪い! さすがにこわい!
もう 狂犬病の注射はいやー!
あわてて部屋に入ろうとしたけど、間に合わず、ジタバタしてたら
「フン、別にお前なんか興味ないもんねー」という感じで、
すたすた歩いて行きました。
チーッと、ドア近くのかべにオシッコをひっかけて。
朝から、縄張り確認に忙しかったようです。
 
  またきた! 2回目。「俺の縄張りで何してるんだ?」

そのあとも、のんびり、優雅に読書。
8:10 まだ来ない。   8:30 まだ来ない。
8:45 まだ来ない。今日は遅いなあ。
9:00 最遅時間記録を塗り替えました。
たぶん、仕事が始まるのが8:30からのはずなんだけど・・・ 私は遅刻??
9:20 車が来ました。 トノが迎えに来てくれました。
車に乗って、「サワッディーカー」と挨拶すると
トノは「サワッディーカッ  アハッ」と笑ってます。
私も笑いながら、車に乗ってセンターへ。
センターについたら 9:30。
センター長が受付の前で仁王立ちして待っていてくれたので、
「送れてすみません。」と言うと、
「さちえ!(トノを指さしながら)ルーム!!」
と、センター長。
「ルーム」=忘れる  です。
やっぱり、そんな気がしたんだけど、やっぱり‥。
お迎え忘れられてたみたい。 
毎日のことなのに、なんで忘れるんだろう   
タイ人っておもしろいなあ 









さて、コンケン第9特別教育センターに入って、今日で9日目。

このセンターには、毎日、親が付き添って子どもが通ってきます。
すごく遠い家の子は、センターの敷地内に寮があり、
そこに親子で住み、センターに通っています。
毎日必ず、通ってくるとは限らず、今日行くか行かないかは親次第のようです。
朝は 8:30~ 時間に必ず集まるわけでもなく、
もっと遅くに登場する親子でもいます。
毎日、誰が来るかは分からないようです。
そんなことが、少し見えてきました。


事前に、JICAタイ事務所では
「最初の3ヶ月間はカウンターパートにくっついて、センターの様子をみてもらうようになっている。」
と、聞いていたので、そのつもりでいたら
お昼ご飯の時に、
「さちえ、『プー』の発音ができない、『プー』の口が作れない子がいる。
 日本ではどうする?」
と聞かれました。
うーん? そんな、どの子にも一概(いちがい)には言えないけど・・・
「一人一人対処が違うから、よく見ないと分からない。でも、ケーキを用意して、
 ろうそくをたてて吹かせてみたらどうかな。 その前によくビデオとかで
 吹いては消える様子をよく見せて、分からせて楽しませてあげたら。」
と、答えると、
「ああ、そうねえ~。でも、それもできないのよ。」
と、 聞いた相手はなんだかがっかり顔。
一般論的な、わかりきったこと言っちゃったなあ・・・と、反省。
とっさだったので、さも当然なことを言ってしまいました。


お昼ご飯のあと、みなさんとソファに座ってのんびりしていると、
カウンターパートがやってきて、私のもっている辞書を見ながら
「果物の名前を発音してみて。」
と、一つ一つ私の発音を直してくれます。
「果物の名前、練習するといい。そうしたら、さちえが子どもたちに発音を教えてあげられるから。」
といわれ、そうだな、ふむふむ、と思っていたら

「これから、毎日、午後は発音を教えることはできる? 何でもいいから。」
と言われました。
ええ?? どうだろう?? 絶対できないわけじゃないけど、こんな準備不足の状態で・・・
と考えていると、教室につれていかれ、
「この子に発音を教えてあげてちょうだい。」
といわれました。

えええ???
とても小さな男の子です。
年齢を聞くと、なんと5才!
5才って、そんな!
私は13才から16才までの子どもたちしか、関わったことはありません。
せめてもう少し大きければともかく、5才って・・・
一般的に考えても、まだ、小学校に入る前の、言葉を覚えて仮名を練習しだしたころじゃないの?
それって、幼児教育の分野じゃないの??

なにか言葉を発しているけれど、それがタイ語としての何かの単語なのか、
それとも、意味のないただの音なのか、
それが、まだタイ語の単語不足、タイでの生活経験不足の私には判断がつきません。
そもそも、小さな子どもの発する言葉というのは、日本語であっても親など、聞き慣れている近い人以外は、聞き取るのが難しいものです。
何か一生懸命言おうとしている子どもに対して、やりとりもできないまま、一方的に
私が果物や動物の発音を教えることは、できません!
そんな一方通行の状態で、何もできない!
「私は、まだタイ語がうまく話せないし、子どもの言うことも分かってあげられない。
 それに、子どもをよく観察してからじゃないと、この子に何が必要か、
 考えることができない。どんなやり方がいいのか、まだ 初めて会った子どものことは分からない。
 だから、できない。
 どんなやり方がいいのかは、一人一人違う。
 まずは、子どもたちをよく見させてほしい。
 そして、先生達の教える様子を、見せてもらえませんか?
 せめて、2ヶ月間。」
本当は 日本だったら、3ヶ月から半年かけて、一人の教育計画を作っていたのだけど、
それでも、譲って2ヶ月と言いました。
すると、
「ああ・・・」
と、あきらかにがっくりした感じ。


このときの、私の脱力感、無力感と言ったら・・・。
私も、がっっっっっっくり・・・・・


小さな小さな子達。
なぜ、このセンターには、中学生くらいの子はいないのかな?
「日本では、13才から15才までの子と関わっていました。」
と言ったとき、
「ここにはいない。」
と言われました。
私の伝えたいことを伝えるために それどころじゃなかったので、
じゃあ、いったいどこにいるのか、なぜここにはいないのか?
と聞く余裕がありませんでした。
きいても、 その答えが理解できなかったかも。

どこにいるんだろう?
小さいときだけこの特別教育センターに通ってきて、
大きくなったら 学校に通うのかな?
まだまだ、見えないこと、疑問がたくさん。


今、私が時間の多くを過ごしている 教室
「オーティスティック 2」
   

 入り口にはこの教室に在籍する子どもたちの写真と親の写真があります。
   

オーティスティックとは自閉症という意味の英語です。
教室は 1と2と2つあり、 午前は 1 午後は 2 の教室で過ごしています。


今週は、
 月・火曜日、オーティスティック クラス
 水曜日   身体障害のクラス
 木曜日   聴覚障害のクラス
で過ごすことになっています。


言葉で質問して、言葉で返してもらっても、そのうち理解できることはほんの少し。
だから、
このセンターがいったいどんな役割をしてるのか
どんな風に子どもたちと関わっているのか、
先生はどんな位置づけなのか、
親と先生はどんなふうに関わり合っているのか、
センター以外での時間は、子どもたちはどうやって過ごし、
家や地域でどうしているのか、
タイという国が特別教育でどんなことをやろうとし
どう力を入れているのか
これらを、
自分の目で見て、アンテナを高くして、クンクンと匂いをかいで、目で見て肌で感じたいと思います。

まだ、でくのぼう状態だけど、少しずつ、少しずつ。

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2 コメント

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Unknown (RISA)
2010-08-06 00:35:14
さっちゃん☆いつもブログ楽しく読ませてもらってるよー
日本と違うことがありすぎて,
そして配属先との気持ちの違い,
語学の壁の高さ。
なんだか自分の無気力さを感じてしまいます。
さっちゃんは,十分いるだけで
影響を与えられる人だと思うけど・・・

お互い今は,ぼちぼち
できることから自分のペースを大切にいきましょう。
RISA様 (さちえ)
2010-08-06 00:42:48
カンボジアのRISAちゃんですね!
ありがとう。
そちらの小学校はどうですか?
もう、任地に行って活動始まってるよね?

今は、無力なのが当たり前だと思うんだけど、
もう??もう、そこまで求める??という
求められる時期と、こちらが「できる!」と思う時期の
相違があって、それで 戸惑いました。
だけど、生活自体には、なんの不満もなく
食べものもおいしく、人もよく、幸せいっぱいです。
ぼちぼち、いこうね。
ありがとう。

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