ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

豚の足

2012年02月23日 12時28分47秒 | 日記
食堂で、ドーンと置かれた段ボール。


「さちえ、それを見てごらん、気に入ったら日本に送ったら?」
と言われて置いてある段ボール箱をのぞいてみると
豚の足がずらり。
おおおー リアル! なんてリアル!
肉がつき、骨がつき、血がつき、脂肪がつき、筋がついている。

8本の足は、4頭の豚が生きていたことをあらわしている。
筋があり、肉がつき、油がついているこの足。
私たち人間の足もやはりこのように
骨があり、筋があり、肉があり、それを円滑にする脂肪があり、血が通い、
こうやって動く仕組みになっているんだなあと思う。
と同時に、
こうして生きていた豚を切り、私たちが食べているのだ、と
豚の足を見ながら、むむむ、食べるってこういうことなのだなと思う。

      




「日本の子どもたちは、こんなの見たこともない子がたくさん!!
 よくない! 見た方がいい! 知らないままなのはよくない!」

と言っている私を、

「へえ、豚の顔とか豚の耳とかここでは市場に行けばたくさんあるのにねえ。」

と不思議そうなみんな。


私も、沖縄で豚の頭を見たときにはびっくした類の人間で、
タイに来てから鳥や豚の肉の固まり、時にしめる様子を見て
驚きながらも命を食べるってこういうことなのだと知った。

私はたちは、生きている命を食べている。

日本でパッケージに入って細かく切られて売られている鳥や豚。
小さな羽でもついていれば気持ち悪がって食べなかった日本の生徒たち。
私たちに産毛があるように、今口にしようとしている鳥に羽があるのは
生きているものだった証であり、それを分かって食べるべきなのに。


当たり前のことが全く見えない、見ないですんでしまっている
今の日本の食の流れって、
スムーズなようで 実はすごく いびつなものだ。


日本の無知な子どもたちに、見せてあげたい、経験させてあげたいものだと思うけれど
もし、クラスで見せれば、一部の保護者からは
「子どもが怖がって眠れなくなりました。」
と、クレームが来るだろう 日本。

日本の教師も、子どもたちも、羽をもがれ、教えるべきこと、知るべきことから遠のけられ
どうしてこんな風になってしまったのかと、豊かなタイにいて日本を憂い思う。

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