ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

コンケン行きのバス のはずが

2011年05月23日 15時32分35秒 | 日記
バンコクでマレーシア隊員やモルディブ隊員と過ごし、日曜夜、任地コンケンへ戻る。 (→5/22ブログ 「マレーシア隊員 モルディブ隊員 来タイ」
夜9時のバスに乗り、夜中3:00につく予定。
乗組員には降りる場所を告げる。 「コンケンで降ります」
コンケン行きのバスに乗るのだから、終点はコンケンで,コンケンに到着する。
いつもなら。


目が覚めて、時計を見ると4:30。 
いつもより遅いなあ、やっと着いたかと思い、人の流れと共にバスを降りると、
いつものようにバイクタクシーやトゥクトゥクの運転手が客引きに押し寄せてくる。
眠気まなこで 「ソーイローポーショー」と私の家の住所を言うが
「は?」 と一斉に返される。
はてはて? と違和感を感じよく周りを見ると知らない景色。
ここはいつも降りるあのバスターミナルではない。
あわててバスの運転席の窓を叩き、ここはコンケンじゃないの?!とたずねると
コンケンの隣の県、マハサラカムの郡だという。 コンケンまでは30㎞。
なぜ?どうして?と聞くが、イサーン語の早口でまくしたてられ、ほとんど意味が分からない。


バイクタクシーやトゥクトゥクの運転手たちがコンケンまで「300バーツで行ってやる」と群がる。
「高い!」と 困っている私をみかねたのか、じっと見ていたバスの乗組員が
「このバスにもう一回乗れ」という。
コンケンに送ってくれるのかと思うと、
「朝6時頃になれば、コンケンに行くソンテウやバスが動き出すので、それまでこのバスの中で寝ているといい。
時間になったら、一緒に車を探してやるから。」
と。


そもそも、コンケン行きのバスが終点コンケンではなく、こんな隣の県の郡の
道路上でなぜとまっているのか、まったく意味が分からないが、
とにかく、家まで帰らないといけない。
ピンチの時、頭をフル回転する。
信じられるのは自分の感覚。
誰のせいにもできない、さて、自分の判断だ、どうするかどうやったら家に帰れるか。
今の暗闇と、あまりに不利 不案内な土地勘を考えて、今はまだ下手に動かずここにいた方がいいと判断。
乗組員の親切を頼る。

バスの中では乗組員がぞうきんがけをし、掃除をし、こまめに働く。
申し訳なくありがたく思いながら、誰一人客のいないバスの中で椅子に座る。
少しは安全なこのバス内でまんじりともせずすごす。
    


6時になると、乗組員が 「車を探しに行くよ。」と一緒に外へ出てくれた。
道でガイヤーンを焼いているおばちゃんも事情をきいて心配し一緒に車を探してくれる。
バイクタクシーの運転手たちがまたやってきて
「まだ帰ってないのか?250バーツでどうだ?」と言ってくる。
それを、「さあさあこっちにおいで、座りなさい。」とさりげなく助け船を出してくれるおばちゃん。
とてもいい人たちだ。
バスの乗組員が言う。
「300バーツは高いよ。バンコクまでいくバスの値段と一緒じゃないか。」

おばちゃんが言う。
「そうよ、300バーツなんて。 いい人もいるけど、悪い人もいるのよ。今日は一緒にお坊さんにタンブンしましょう。
そうしたらきっといいことがあるから。」
「私の知り合いの夫が送ってくれるから、待ってなさい。値段も安いから。
もしまた寝過ごしたら、私の家に来なさい。いつでもとめてあげるからね。」
     

優しい人たちだ。
だが、タイ人なのだ。
仕事があるから急いでいると言っても、ちっとも急ぐ感じがなく、のんびりとしている。
そこに座ってなさいと 世間話をもちかけながらガイヤーンを焼く。
一人、時計を見てはドキドキして、ああどうしよう、もうこんな時間だとあせる。
   
  


時間が刻一刻と過ぎ、もうすでに6時半。
もうだめだ、時間リミット。
高くても向こうにいる運転手たちの言い値でコンケンに帰るか、と腹を決めかねた頃。
おばちゃんが呼んだらしい運転手が到着。
さあ乗れ乗れといわれ、おばちゃんたちには
「長い間一緒に待ってくれて探してくれてありがとう!」
急いでお礼を言って乗り込む。


約40分後。
自宅前に到着。
「本当にありがとうございました。お支払いします、いくらですか?」
と訪ねると
「400バーツ。」

いやあ びっくりした。
きのうのバイクタクシーたちの言い値の 300バーツよりも高いじゃないか。
どういうこと?
「たかすぎる! おばちゃんは300バーツの言い値を高いと言った。そして悪い人だと言った。
400バーツ払えと言うなら、あなたも悪い人と同じじゃないですか。 
今ここで400バーツ払うならば、3時間前に300バーツで帰った方がよかった。
私、払えません!」
と、まあ、なぜかここは流ちょうに出てくるタイ語。

200バーツを押しつけてアパートを上がる。
乗組員やガイヤーン屋のおばちゃんたちの 見返りを求めない親切と
これらの運転手たちの隙あらばと狙ってくる狡猾さが 
今日の朝は混在していて 混乱した。



私の不注意があったかもしれない。
終点で降りるのだという安心でいつもすっかり寝ている。
降りる場所も告げているし、外国人だから特に乗組員も乗客も気にしてくれ
うとうとしていても 着いたよと教えてくれることが多い。
そういうことが普通だと思って、なにか自分に欠けていたのかもしれない。

と、反省しつつも、
だけど、コンケン行きがコンケンじゃないところに明け方終着し、
路上にとまっているこの光景、全く意味が分からない。
    


この県に住む隊員に話すと、そんな経験 一度たりともないという。
そんなあり得ないでしょうという経験がちょっと多すぎるんじゃない
何か呼び寄せてるんじゃないの?と。
自分でもそう思う。

ハプニングが多すぎる。
アクシデントに見舞われることも多すぎる。
呼び寄せているというのは、自分の注意力のなさから招いていることがたくさんだろうということ。
けれど、
今日のこれは、どーーーーーーーも 納得いかない。
何でこんな場所に?


今度からは、たとえ終点であっても携帯アラームをかけて
到着予定の1時間前から起きていよう。
信じられるのは、自分。
この国では何があってもおかしくないんだから。

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