大正製薬のアライはどうだろう?

2024年03月12日 22時46分47秒 | + プラス
一応薬剤師なんで、アライには触れとかないとな・・・と

アライの有効成分はオルリスタットと呼ばれるもので、作用機序をそのままコピペすると
消化管管腔内で脂肪分解酵素リパーゼの活性を阻害し、食事由来の脂肪の吸収を抑制します。

つまりどういうことかと言えば、普通ならリパーゼという酵素が脂肪を分解して
身体に吸収しやすくするのですが、そのリパーゼの邪魔をすることで身体に吸収されなくする=脂を排出する。といった感じ。

摂取した脂肪の25%を体から出す作用があるそうです。

実はこういった薬って以前から話題になってまして武田薬品も同じような薬を作ってました。
オブリーンという薬なのですが、一般名をセチリスタットと言います。
アライのオルリスタットと名前が似てますね。親戚見たいな関係です。


ところがオブリーンは承認されたのですが、結局は販売されませんでした。
理由としては以下があげられます。

【中医協総会】武田の抗肥満薬、薬価収載見送り‐有効性に疑問相次ぐ|薬事日報ウェブサイト
中央社会保険医療協議会総会は13日、武田薬品が申請していた抗肥満薬「オブリーン錠120mg」(一般名:セチリスタット)の薬価収載を見送った。
臨床試験で心血管疾患等のリスク低減が示されておらず、わずかな体重減少効果だけだったことから、診療側、支払側委員から疑問が集中。
薬価算定組織も「革新性や有効性が高いとは言えない」と異例の指摘を行い、原価計算方式の営業利益率を下限いっぱいのマイナス50%を初めて適用した。
厚労省は臨床試験データ等の資料を揃えた上で、改めて薬価収載の可否を含め中医協に諮る。
 オブリーンは、消化管や膵臓から分泌されるリパーゼ阻害剤。脂質吸収抑制作用を発揮する抗肥満薬として、9月20日付で承認された。
世界初承認となったものの、中医協は、医薬品としての効果に疑問を示し、薬価収載に待ったをかけた。


簡単に言えばそこでまで体重変化がなくて、効果も微妙じゃない?という感じでした。

今回、一度駄目だしされた薬が上市されるという事実が本当に驚きです。
調べる限りは時間をかけて市販薬としての道を模索したなど、色々な苦労が伺えます。

さて問題となっているのは副作用です。
お尻から油が出るなんてよく言われています。


当然、油の吸収を阻害=お尻から油がでるという理屈は当たり前なのですが
オムツなどを掃いておくべきなどは、ややネガテゥブキャンペーンな気がします。


オブリーンの時は便器に脂が浮いているだとか、掃除が大変だとか言われてました。
無いとは言いませんが、大げさな表現はクレーム対策かなという印象です。

ただ後輩には私が実験台になるから、それを見ておけって言いましたが
販売から半年くらいたって情報が集まってから開始した方が良いかもですね。
購入条件が色々あるのと何よりも1月8000円は痛いです。


ちなみにですが、アライの作用機序って黒烏龍茶と同じだったりします。

「ウーロン茶重合ポリフェノール」が、小腸で「リパーゼ」のはたらきを邪魔します。
それによって脂肪の吸収が抑えられて、余分な脂肪が体外に排出されます。
その結果、血液中の中性脂肪の上昇が抑制されるという訳なんですね。


ね?リパーゼの働きを邪魔するって同じでしょ?
効果発現の強さは変わってくるとは思いますが、アライ自体珍しいものではないということを知って頂けたでしょうか?

ちなみに私は昼食後に黒烏龍茶を愛飲してますが、コレステロールや中性脂肪は正常になりました。
もっともスタチンという薬も飲んでいるんですけどね…

もしアライを飲み始めたら検証していきたいと思います。

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