社会学的作法blog

社会科学に関する文章からコラム、エッセイ、日記、小説まで書きなぐります。リンクフリーです。

社会学=宮台真司ではありませぬ

2004-10-26 06:27:20 | コラム
 偶然、あるサイトで僕のことを「社会学おたく」と評せられているのを見た。まあ何と云われようが一向に構わないが、できることならば「社会科学おたく」と云われたほうが好ましい。
 確かに僕は社会学の分野から強く影響を受けているが、今、日本で「社会学おたく」と云うと、社会学=宮台真司という図式が、素人の間に出来上がっているので、しかも少し、システム論をかじっているから、余計に宮台真司おたくと思われるとするならば、事実に反する。
 いや、ちゃんと読んでますよ。宮台先生を、社会学をやるにはいやでも、この人を読まなければならない。それに、そんじょそこらの宮台おたくより、宮台理論を理解している自負もある。だって宮台おたくは、宮台先生の著書を眼力込めて読まれるけれども、ルーマンは読んでいないでしょ。宮台さんの著書は、優れた文体でもって、読み手を惹き付け理解したように思わせるけども、システム論を知らないで読んでいる方が、したり顔で「社会システムは・・・」とか「コミュニケーションが・・・」なんて、云ったりして場面に出喰わすと、思わず失笑してしまいます。
 ともかくも宮台さんを知っていても、即ち社会学に精通しているとは云えない。宮台先生だけが社会学ではないのである。少なくともシステム論に関しては、宮台先生よりも馬場先生のほうが勝っているのではないかと思っている。馬場先生はすごい方ですよ、面識はありませんが。『ルーマンの社会理論』をお読みになってごらんなさい。
 僕は既に述べたように社会学に影響を受けた人間で、実際、社会学者になろうと思って勉強してきたが、「社会学おたく」と呼ばれるほど、社会学を専門としていないし、僕の引出しは、社会学だけではないと、イラつく面もままある。だから僕は、意識的に社会学ではなく、社会科学という言葉を用いてきた。システム理論に出遭ったのは、宮台さんを読む以前のことである。それでも他人が僕のサイトを読まれると社会学おたくとなってしまうのかな。
 僕は社会学者にはなりませんが、今の社会学者に、もっときばってもらわないと。確かに優秀な方はいるのだけれど、いかんせん、学者は保守的でジャーナリスティックなものを書きたがらない傾向がある。だから余計に宮台さんが目立ってしまうはめになる。学術書でもおもしろいものがあるので、手にとってみてくださいな。
 そりゃ、おいらだって、宮台先生みたいになれるならなりたよ。正直。まあ、社会学おたくと話題にしてくれるだけでも有難いか。
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