制裁は単独で？

拉致事件解決の為の手段として、北朝鮮への経済制裁が挙げられます。
制裁に充分な効果があるのか否か、制裁に対しての北朝鮮の暴発があるのか否か、様々な観点から議論されています。

北朝鮮の暴発に関しては安倍自民党幹事長代理は金正日総書記の事を「合理的な判断が出来る人」と発言し否定的な見解を述べました。
日本に向けてミサイルを発射すれば日米安保条約によってアメリカと交戦する事となる為、合理的な判断が出来る金正日総書記がミサイルを発射する事はないだろうとの見通しを述べたのでしょう。
（この「合理的な判断が出来る」発言で安倍幹事長代理が一部の人から「金正日を賞賛した」として批難されるのではないかと心配しましたが、幸いにして杞憂に終わりました。）

これは北朝鮮や金正日総書記に対する圧力の一環で「ミサイル発射は合理的ではない」とのメッセージなのでしょう。
しかしながら「合理的な判断が出来る人」は「常に合理的な判断をする人」ではありません。
もし金正日総書記が「常に合理的な判断をする人」ならば拉致事件は起きていませんし、拉致を認めた後になっても「拉致は解決済み」と言ったり偽の死亡診断書や偽遺骨を出したりする事はありません。

いずれにしても日本の常識が通用しないのが北朝鮮。
北朝鮮の諸問題について考える時には日本で通じる常識を基準にしてはなりません。

実際には制裁する場合、「日本独自の単独制裁」を唱える人も北朝鮮の暴発に対してはアメリカ軍の存在が抑止力になると言う点では一致しているようです。
しかしアメリカ軍を頼りにする以上はアメリカと歩調を合わせる必要があります。
そもそも最初からアメリカ軍を頼りにするのであれば、それを“単独”制裁と呼べるのでしょうか？