「きのうカゼで具合悪かったんですよ。でも病院お休みだと思って、家で寝ていました」
「そうですか、昨日からやってますよ」 「なんだあ」
「それはお気の毒。いまさら言ってもしょうがないからいいませんけどネ
(一応、ずっと診療時間は張り出してあるし、それにやってるかどうかは電話一本で確かめられることじゃないですか)」
携帯世代には考えられない話かもしれません
「きのうカゼで具合悪かったんですよ。でも病院お休みだと思って、家で寝ていました」
「そうですか、昨日からやってますよ」 「なんだあ」
「それはお気の毒。いまさら言ってもしょうがないからいいませんけどネ
(一応、ずっと診療時間は張り出してあるし、それにやってるかどうかは電話一本で確かめられることじゃないですか)」
携帯世代には考えられない話かもしれません
「きのう具合悪かったんですけど、休みと勘違いしてこなくて・・」
「どんな具合ですか?」
「きのうは3回下痢して、セキが少し、寒気がちょっと」
「そうですか、いまもそうですか?」
「いいえ、いまはすっかり良くなりました」
「それは良かったですね」
「ええ、でも心配だから薬もらおうと思って」
「えっ、だって具合は悪くないんでしょう」「はい」
開業医ですから(苦笑)薬はお出ししますけどねえ・・・
「いつもの薬と、シップ、それに心電図お願いします」
「動悸か何かするんですか?」
「いいえ、しばらく検査してないがら」
「まあ、やるのはかまいませんけど・・(保険が、ぶつぶつ)」
「いつもの薬と、下剤と、睡眠薬下さい」
「便秘なんですか」
「ええ」
「それに、眠れないんですか?」
「んだす」
(主訴 → 診察 → 検査 → 指導・処方・・・という流れは崩れ去る)
なんかいわれる順番が違うような気がするんですけどねえ
「すいません、ここ一ヶ月ず~とおばあちゃんに付き添っていたもので」
「ええ、大変ですね」
「だから血圧全然計れなかったんですよ」
「そうですか、でもずっと病院にいるんですよね」 「はい○○病院です」
「だったら廊下に自動血圧計がおいてあるでしょう」
「・・・そうですね」
「いいたいことはおわかりですよね」 「はい」
病院の中で病人に付き添っていて具合が悪くなる人、結構いますね
相談したり治療受けやすいハズなのに、と思うのは医療関係者の偏見?
カゼで受診されたSさん、高血圧で総合病院に通院中と
「血圧で○○病院に通ってるんですね?」
「かよってるといっても2ヶ月に一回薬をもらうだけで」
「医者の診察は受けないんですか?」
「4ヶ月に一回かな」
「血圧はちゃんと測っていますか?」
「うん、4日に1回は自宅ではかってるよ」
「それを’主治医’には見せていますか?」
「いいえ」
「やっぱりね・・・」
思わず言いたくなりました「そんな病院のどこが良いんですか!?」
「きょうは胃カメラお願いします」
「結構ですよ、じゃあ今朝は食べないでいらしたんですね」 「はい」
「あれっ、血圧が低いですね、薬も飲んでないんでしょう?」 「そうです」
こういう方が結構多いのに気づきました。ただし、薬だけ飲み忘れた場合は高かったりします。
・・・ということは「朝飯抜きが血圧を下げる」 「食べるとあがる」のかも!
「食べ過ぎが万病の元」の裏付けになりそうです
かつて国立病院で多忙な外来を「こなして」いたときのこと
下手すると午後の4時5時までかかる「午前の」外来でした
(よく患者さんも待ってくださったものです)
なにかのぐあいでポッカリと空いた日があるもの
すると私は「同じペースで」患者さんを診て
「いや~、今日はすいてたね、早く終わって良かったあ」
「時間があればその分患者さんをゆっくり診る」というのは幻想かも・・
そのときつくづくそう感じたのでした(ボクだけでしょうか?)
町が盛んにクリスマスムードになる頃、患者さんたちも、なんだかきぜわしくなってきます
「少し鼻水が出て」「はあ」
「カゼ引いたら大変だと思ってきたす。なんしろ、正月になったら病院ずうっ~と休みになるべ」
「まあ、気持ちはわかるけど、あと一週間も先だし、休むといっても日曜日抜いたら3日間だけですよ」
「その間に具合わるぐなったら大変だすべ」
「急患センターがあるし、病院が全部休むわけじゃないからなァ」
でも、年末の「追いつめられた感じ」はやはり特別なようです
比較的のんびりなうちの外来ですが(トホホ) さすがに月曜の朝は混み合います
週末熱出したひと、疲れてめまいを起こした人、薬切れの人・・
ざわざわゴタゴタしているなかで、決まっているんですよね
「年に一回の胃カメラ希望の人」
「介護保険の意見書作成の方」
「健診受け損ねたので一通り検査お願いします・・・」などなど
わざわざ月曜の朝に来なくても・・・(毎日が日曜日の人ですが)
水曜の午後にきたらもっとゆっくり診てあげるのになァ
「大丈夫ですね」 「変わりないですね」
これが閉じた質問。返事はどうしても
「だいじょうぶです」 「かわりないです」に誘導されがち
「大丈夫ですか?」 「変わりないですか?」
これが開かれた質問。同じように聞こえますが
「ええ、大丈夫です」 「そういえば、ちょっとめまいが・・・」
相手に対して白紙でオープンに接している状態ですね
うちの看護婦にはいつも開かれてあるように指導していますけど・・・
「検査の結果も聞きに来なくちゃ、薬ももらわなくちゃ、って思ってはいたんですのよ」
「ええ」 「でも、お友達が来たものだからなかなか出るに出られなくて・・」
「そうですか、でももう一週間ですよ。出ちゃだめって、友だちが通せんぼしたわけじゃないでしょう?」
「そりゃあ、そうですけど」
「法事が続いたモンで・・・」
「でももう一ヶ月ですよ、毎日法事があったわけでもないでしょうにねえ」これも応用問題です
「ヘビースモーカーの在宅酸素のセールスマン」
「減量を説得するメタボリックな体型の医師(ありがち)」
「検診を受けたことのない保健事業者」
「歯並びの悪い歯医者」
医者や看護婦の喫煙率はまだまだ高くてスイマセン
私はもちろん吸いません
「家ではかると低いんですけど、ここに来るとあがってしまうんですよ」
「緊張してしまうんでしょうね。いわゆる白衣高血圧というやつでしょうね」
「でもヘンなんですよ」 「ン?」
「こないだ別の病院にかかって、、待っているときにはかってみたら正常だったんですよ」
「そうですか・・・うちの病院はヘンな魔力があるのかなあ(苦笑)」
○○○ナイカ症候群と命名しました(撃沈)
「いつものおくすり下さい」
「あれっ、Sさん久しぶりですね」
「ごぶさたしていました」
「いつものといっても、半年以上前ですけど」
「ええ、バスがなくなって、なかなか来れなくなってしまって・・」
「そうですよね、仕方ないですね、まずお出ししますよ」
「あと”いつもの”注射もお願いします」
「わかりました、せっかくはるばる来て頂いたんですから、サービスしますよっ」
針刺すんですから、これがホントの「出血大サービス」ですね
「どうですかOさん、体重は変わらないですか?」
「いえ、体重計がこわくて、しばらくのっていません!」
「そうですか、でもホントにこわいのは病気ですからねエ
毎日乗って、こわくなくなるところまで行きましょうよ」
「はあ」
「さあ、体重計に乗ってくださいっ!」「ひえーっ」
そんなこと突然言う、私がイチバン怖いんでしょうけどね