緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

面白いぞ! イグノーベル賞

2008-10-15 18:47:40 | 女性の身体
イグノーベル賞って知ってますか。
毎年ノーベル賞と同じ時期に、
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して授与されるもの。
今年も受賞者が発表されました。
イグノーベル賞もノーベル賞と同様、化学賞や平和賞など様々な分野に
わたって贈られます。そんな中で今年は、リズミカルボディセラピーに
関わってきた人なら手を叩いて喜びそうな研究が、なんと「経済学賞」を

受賞しました。

■ 本当にそうだったのね
タイトルは ”Ovulatory cycle effects on tip earnings
by lap dancers: economic evidence for human estrus?”
つまり「ストリップダンサーが客からもらえるチップの額が、
ダンサーの排卵周期に影響される
」という事実を発見したというもの。
チップの額は排卵日に最高となるらしい。
これには拍手喝采!
だってそりゃあそうだろ、さもありなん。

月経終了から排卵までの時期は、ヒト科のメスにとって
優秀なオスをゲットするための狩りの時期。
エストロゲンがどんどん放出され、気力・体力ともに充実し、
髪も肌もつやつや、メスとして最も魅力的になる時期です。
それもこれも排卵された卵がよりよい精子と出会い、
よき子孫を得たいがため。
排卵日こそ目的のピークなのです。
いわゆるフェロモンも全開のはず。
これまで身体のしくみとして言われてきたこと、
また実感として感じられてきたことが、
経済の土俵を得ることによってチップという目に見える形に
数値化された
といってもよいでしょう。

ストリップダンサーといえばメスの魅力こそが決定的な商売道具。
メスの魅力をチップの額でグラフにすれば、排卵周期とシンクロする。
考えてみればあたりまえのことですが、本当に実際そうだったのね

■ 男と女は違うってこと
こういう研究が知られることによって、人々の間で、人間の身体の周期や
男女の身体の違いについての理解が深まると嬉しいです。
ちょうど私の世代は、別名「男女雇用均等法」世代と言いまして、
女性の就職に「一般職」「総合職」などという区分が生まれるなど、
女性の社会進出をもっと進めようという動きのはしりの時代に
社会に出た世代です。

私が社会に出るぐらいの時代(1980年代)には、
世の中の先輩には女性で年を取るまで働き続けるという
モデルがまだ数多くはなく、
肩に力をいれ男性に負けないように頑張るしか
生き残る方法が見つからないという感じもありました。
異なる性が同じ職場で同等に力を発揮するためには、
違いをよく認識して補い合うようにしなければならないという
アイディアはまだなかった
ように思います。
でもこれからは経済効率を上げるためにも、
性差に応じた工夫は必要になってくると思うのです。

女性の排卵までの狩りの時期は頭もよく回転します。
寝不足や少々の無理をしてもエネルギー切れになりません。
こんな時のプレゼンや会議はきっとうまく乗り切れるでしょう。
反対に月経の少し前から月経にかけては、頭がボーっとするのが普通です。
いつもならしないような凡ミスもあるかもしれません。
そういう時に大事なイベントがあるなら、たとえミスしても
フォローが可能な体制を準備すべきでしょう。
「女はめんどくせー」と男性は思われるでしょうか。
しかし、女性にとって働きやすく力を発揮できる職場は、
実は男性にとっても能力を発揮しやすい職場になるはずです。
なぜなら男性にも女性ほどわかりやすくはありませんが、
身体の周期というものがあるからです。
常に同じ状態をキープできることが最高の自己管理能力ではありません
身体の周期的な変化を無視することは労働力の使い捨てにつながります。
自分の状態をきちんと認識できる感受性と、それを理解できる知性、
それに対して対策をたてられる能力が自己管理ってもんだ、
と思うのです。

■ この賞を楽しみにしています
イグノーベル賞から、えらい硬い話になってしまいました。
話を戻します。
イグノーベル賞を受賞する研究のほとんどは大真面目で、
決して「面白い!」という評価を狙ったものではないところが
また何とも楽しい。
いったい何の役に立つのでしょうという研究にも、
その裏に研究者達の心血を注ぐ努力がうかがわれ、
人というものの奥深さを感じさせられます。
一見どうでもいいことに必死になれるのは人類ならではの才能です。
あまりにもユニークなそれらの研究タイトルを聞くだけでも笑えるので、
この賞を楽しみにしている一般市民も少なくないとか。

ちなみに、今年は日本人の受賞者もいましたよ。
認知科学賞。「単細胞生物の真正粘菌にはパズルを解く能力がある」
すごいすごい。
アメーバみたいな神経も脳もない生き物が、迷路の最短ルートを見つける
のだそうです。>>参考
ひえーっ! 笑ってられない。