（続報）札幌ドーム「ロケット風船」解禁

　やはり解禁は正式な話でした。いわゆる「ジェット風船」、札幌ドームと球団に言わせれば「ロケット風船」が全面解禁されるそうです。

■　ロケット風船全面解禁！開幕シリーズ限定で来場者プレゼント！（公式・2012年3月16日）

　個人的には、以前のエントリで書いた通り、「ロケット風船」解禁に賛成する気はありません。
　ただ、より正確に言えば、勝手にどうぞ、という気分です。
　反対するのも面倒臭いですし、そもそも札幌ドームにはこの4年行ってないのに、偉そうなことを言うのもどうかと思います。
　それに「道民以外は黙ってろ」って人もいらっしゃるでしょうから、ならば冷ややかに見守ってやろう、ぐらいの気分です。
　とはいえ、今まで風船を飛ばす行為が禁止されていたのは、それなりの理由があるわけです。具体的には、つげちゃんさんのエントリにあるように、ドーム可動部分に風船が挟まり動かなくなる恐れがあるのです。
　はたして、この点は大丈夫なんでしょうか。昨年たった1試合で問題がなかったからといって、簡単に安心できる話でもないとは思うのですが、具体的な対策が講じられたのかが気になります。
　この他にも、解決しておくべき問題はいくつもあります。まず、「去年やってみたら甲子園とかと比べるとしょぼかった」「落ちた風船を拾い集めて試合再開するまでに時間がかかる」というものがあります。
　ただ、これは慣れれば何とかなります。そもそも甲子園だって、昔からずーっとあんなではなかったのです。風船を飛ばすタイミングにせよ、スピーディな回収にせよ、観客と球場職員が慣れていけば、多分何とかなります。
　それよりも厄介なのは、みんな本当にポンプを使うのか、です。
　札幌ドームでは口で風船を膨らますことが禁止だそうです。なので、ロケット風船はハンドポンプで膨らませなければなりません。そのため、専用のハンドポンプを販売し、開幕シリーズではわざわざ配布までするようです。
　ですが、はたしてハンドポンプは定着するのか？今まで風船飛ばしの習慣がなかった道内のプロ野球ファンの間では比較的簡単に定着すると思いますが、口で膨らますのに慣れてる遠征組は、そう簡単ではないでしょう。
　特に懸念されるのが交流戦の阪神戦です。甲子園で風船を口で膨らましても文句を言われないのに、なぜ札幌ドームではダメなのか？しかも、なんで阪神ファンが日ハムのポンプを使わなければならないのか？
　これに対し、「ルールだから」の一言では、説得としてあまりに不十分ですし、怒りだす阪神ファンがいてもむしろ当然だと私などは思います。そこからトラブルが生じたとしても、私は知りません。
　もちろん、ジェット風船は他球場でも使われています。福岡、千葉、所沢、仙台、広島、その他でジェット風船に慣れたビジターファンがいるわけです。
　そんな彼らに対し、ルールだからファイターズグッズを買え、いやなら風船を飛ばすなというのは、いかにもビジターファンを見下した行為ですし、みっともない身贔屓とすら思えてきます。
　こうやって書いてみると、風船解禁の裏に隠れた問題が見えてきました。
　つまり、北海道のファイターズファン以外からの視点が決定的に欠けている、ということです。
　ま、この辺は今に始まった話ではないかも知れません。それに球団にせよ道内のファンにせよ、そんなもの要らねーよと言えばおしまいですし、そもそも札幌での話を北海道全体に一般化できるかどうかも怪しいですが。
　何より、趣旨からすれば「ハンドポンプ」なら何でもいいわけで、ファイターズファン以外は自分たちでハンドポンプを用意すれば済むはずです。
　球団公式のハンドポンプしか認めないとか、ビジターファンは風船を飛ばすなとかいうのなら、話は別ですが。