日本シリーズ真っ最中の一方で、海の向こうではMLBのチャンピオンシップが幕を閉じました。
結果は皆さんご存じの通り、ヤ軍(この言い方が廃れないのが不思議)がフィ軍(って言うんだろうか)を4勝2敗で下しました。
あのヤンキースが、実に9年ぶりという長い空白を経ての王座奪還です。
それはそれで、まぁいいでしょう。正直言うと、私はああいうタイプのチームは好きになれないんですが、といって松井秀が嫌いなわけでなし、普通に「優勝おめでとう」の一言です。
ただ、ここで見ておきたい。日本のスポーツメディアは、ヤンキースの優勝をどう伝えたか? スポーツ紙のリンクを並べてみると、
■ ヤ軍世界一!松井秀、先制弾含む3安打6打点 (1/2ページ)(サンスポ・2009年11月5日)
■ 日本人初!松井秀、WシリーズMVP!先制弾!6打点だ!(スポニチ・2009年11月5日)
■ 松井秀、世界一!文句なし日本人初MVP…Wシリーズ(報知・2009年11月6日)
■ 松井“世界一”V弾&MVP/Wシリーズ(ニッカン・2009年11月6日)
■ 松井日本人初のMVPで世界一!! 7年目で初V、2ランを含む6打点(中スポ・2009年11月6日)
■ 松井秀 悲願の世界一&日本人初MVP(デイリー・2009年11月6日)
とまぁ、ものの見事に「世界一」という言葉が並んでいます。
以前私はこちらのエントリでこう書きました。以下引用します。
これを書いて約半年後、メディアは私が思った通りの報道をしました。
報道した当事者自身は意識していないでしょうが、このような報道は、日本のメディアが、日本代表チームが「世界一」になったという事実を否定したことを意味します。
なぜなら、(同点優勝でもない限り)同じ世界で「世界一」が複数あることは概念上あり得ないから。
結局、日本はアメリカの作った枠の中で踊ってるだけじゃんか、と。
まぁ、上の文の「日本」が「日本のメディア」と限定できるのならまだいいですが、果たしてそう限定できるのか、私には甚だ疑問です。
念のため断わっとくと、私は自分を保守主義の持ち主だとは思ってませんし、別段反米思想の持ち主でもないと認識しています。
なので、そういう思想での物言いを期待する方には悪しからずご了承いただくよりほかありません。
っていうか、日本の野球関係者が今一番考えるべきは、親米だ反米だ保守だなんだってことじゃない。そんなことがポイントじゃないんです。
上で紹介したエントリから、もう1つ引用させてください。
では、なにがポイントなのか? それは、ルールを与えられる側から、与える側に加わること。
一言で書きましたが、これは簡単なことではありません。粘り強い交渉や巧みな外交戦術、なにより強い意志を必要とします。
残念ながら、今の日本球界にはそれらがあるとは思えません。
それどころか、メディアに関しては「システムを決める人」が持ち出した「別の基準」を、何の疑問もなく頂いている始末。
あたかも、親から与えられたおもちゃに飽きた子どもが、別のおもちゃを与えられて喜んでいるように。
とはいえ、いまや鎌ケ谷の3歳児だって自力でコスプレができる時代です。この国は、いつまでも与えられたもので満足している子どもでいいのか?
そうでないなら、いい加減MLBプレーオフのチャンピオンを「世界一」と呼ぶのは止めた方がいいでしょう。
松井秀を祝福するのは素晴らしいことです。彼のこれまでの苦労と今の栄光を考えれば、彼は明らかにさまざまな人々から祝福を得るに値する選手です。
ですが、その祝福は「世界一おめでとう」ではない。そうであってはならないのです。少なくとも、日本人が彼を祝いたいのなら。
結果は皆さんご存じの通り、ヤ軍(この言い方が廃れないのが不思議)がフィ軍(って言うんだろうか)を4勝2敗で下しました。
あのヤンキースが、実に9年ぶりという長い空白を経ての王座奪還です。
それはそれで、まぁいいでしょう。正直言うと、私はああいうタイプのチームは好きになれないんですが、といって松井秀が嫌いなわけでなし、普通に「優勝おめでとう」の一言です。
ただ、ここで見ておきたい。日本のスポーツメディアは、ヤンキースの優勝をどう伝えたか? スポーツ紙のリンクを並べてみると、
■ ヤ軍世界一!松井秀、先制弾含む3安打6打点 (1/2ページ)(サンスポ・2009年11月5日)
■ 日本人初!松井秀、WシリーズMVP!先制弾!6打点だ!(スポニチ・2009年11月5日)
■ 松井秀、世界一!文句なし日本人初MVP…Wシリーズ(報知・2009年11月6日)
■ 松井“世界一”V弾&MVP/Wシリーズ(ニッカン・2009年11月6日)
■ 松井日本人初のMVPで世界一!! 7年目で初V、2ランを含む6打点(中スポ・2009年11月6日)
■ 松井秀 悲願の世界一&日本人初MVP(デイリー・2009年11月6日)
とまぁ、ものの見事に「世界一」という言葉が並んでいます。
以前私はこちらのエントリでこう書きました。以下引用します。
今年の秋には、別のチームが世界一だなんだと騒がれるのです。
(略)米国にあるチームがほとんどのリーグで、「ワールド・シリーズ」とやらが開かれて、それに勝ったチームが、「世界一」を名乗るのです。
(略)非常に残念で、かつ疑問を感じるのは、我が日本のメディアですら、米加2ヶ国のみの優勝チームを平気で「世界一」と呼ぶことなのです。
自分たちの国のチームが、参加権すら与えられていないチャンピオンシップを、なぜ「世界一」決定戦のように語ることができるのか?
これを書いて約半年後、メディアは私が思った通りの報道をしました。
報道した当事者自身は意識していないでしょうが、このような報道は、日本のメディアが、日本代表チームが「世界一」になったという事実を否定したことを意味します。
なぜなら、(同点優勝でもない限り)同じ世界で「世界一」が複数あることは概念上あり得ないから。
結局、日本はアメリカの作った枠の中で踊ってるだけじゃんか、と。
まぁ、上の文の「日本」が「日本のメディア」と限定できるのならまだいいですが、果たしてそう限定できるのか、私には甚だ疑問です。
念のため断わっとくと、私は自分を保守主義の持ち主だとは思ってませんし、別段反米思想の持ち主でもないと認識しています。
なので、そういう思想での物言いを期待する方には悪しからずご了承いただくよりほかありません。
っていうか、日本の野球関係者が今一番考えるべきは、親米だ反米だ保守だなんだってことじゃない。そんなことがポイントじゃないんです。
上で紹介したエントリから、もう1つ引用させてください。
誰かが決めてくれたシステムの中で一番になったとしても、システムを決める人が別の基準を持ち出せば、それでおしまいなのです。
では、なにがポイントなのか? それは、ルールを与えられる側から、与える側に加わること。
一言で書きましたが、これは簡単なことではありません。粘り強い交渉や巧みな外交戦術、なにより強い意志を必要とします。
残念ながら、今の日本球界にはそれらがあるとは思えません。
それどころか、メディアに関しては「システムを決める人」が持ち出した「別の基準」を、何の疑問もなく頂いている始末。
あたかも、親から与えられたおもちゃに飽きた子どもが、別のおもちゃを与えられて喜んでいるように。
とはいえ、いまや鎌ケ谷の3歳児だって自力でコスプレができる時代です。この国は、いつまでも与えられたもので満足している子どもでいいのか?
そうでないなら、いい加減MLBプレーオフのチャンピオンを「世界一」と呼ぶのは止めた方がいいでしょう。
松井秀を祝福するのは素晴らしいことです。彼のこれまでの苦労と今の栄光を考えれば、彼は明らかにさまざまな人々から祝福を得るに値する選手です。
ですが、その祝福は「世界一おめでとう」ではない。そうであってはならないのです。少なくとも、日本人が彼を祝いたいのなら。
ワールドチャンピオンではなくメジャーリーグチャンピオンとでも呼ぶべきでしょう。
もっとも、「メジャー」リーグという呼び名でさえも、アメリカの傲岸さを感じますが(苦笑)
日本一のチームとMLBの頂点のチームとのクラブチームの世界一決定戦を、将来見てみたいですね。
NPBのチームの主力がアメリカ人で、MLBのチームの主力が日本人なんてこともあるかもしれませんが(笑)
でも名前の由来は「世界一を決めるから」じゃなくて、単に冠スポンサーの名前だっただけです。(異説あり)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
スポンサーが降りた後もそのまま名前が残った例はNFLのパッカーズ(最初の一年だけ缶詰会社がスポンサー)など他にもあります。
まあそれはともかく、今ではMLBが商標権を握っているので他のイベントでこの名前を使うことはできません。
MLBもこれだけ歴史のある名前を手放したり変えたりするつもりはないでしょう。
世界一とかそういう話ではなく、どっちかといえば伝統とか商売上の理由から。
つーかね、アメリカ人はWSが世界一を意味するかどうかなんて大して気にしちゃいませんよ。
WSとは別に世界一決定戦と呼べるイベントが作られたとしても、多くのアメリカ人はそっちよりもMLBチャンピオンの方が気になるでしょう。
自動車レースの世界でもアメリカではF1よりもインディの方が人気があるように、倣岸というより無関心なんです。
そういうローカルイベントなのに名前につられて「世界一」とか報じる日本のマスコミが勘違いしてるだけ。
アメリカに「マイナー」と呼ばれるリーグがある以上、
これは致し方ない部分があるでしょうね。
むしろ問題は、MLBに対する日本人の見方というか、
「メジャー」という言葉の受け止め方じゃないかなぁと思ってます。
この辺、アメリカそのものに対する見方ともかかわってくるのでしょう。
>「世界一」とか報じる日本のマスコミが勘違いしてるだけ
そこなんですよ、私が一番問題と感じるのは。
アメリカ人がどう言おうが、周囲に危険をもたらす誤謬でなければ、
放っておいて特に問題はないんですよね。
ただ、彼らが言ったことを日本のメディアが疑う気配がないってのが。
少なくとも、結果としてはアメリカ人の物言いをそのまま垂れ流すか、
場合によっては(結果として)増幅してる感じも受けますからね。
>倣岸というより無関心
あー、そういわれるとなんとなく分かります(笑)
もっとも、関心を持てば持ったで、ぶつぶつ……
とはいえ、アメリカでも優れた外国研究の歴史があったりしますけどね。
「アメリカで一位になっただけなのに世界一と書くとは何事か!!」「だったらWBCで勝った日本は宇宙一と書きなさい!!」
というような事を話してご立腹でしたよ。
実際その通りで、アメリカ人がチャンピオンシップをどう呼ぶかより、
日本人(特にメディア)がその呼称をどう捉えるかが問題なんですよね。
外国語を日本語に当てはめた時の難しさを感じます。
日本語に訳さずに、ワールド・チャンピオンとそのまま表記できれば良いのかもしれませんが、
そうすると、「分かりにくい」という指摘(批判?)があるのかもしれません。
>メディアに関しては「システムを決める人」が持ち出した「別の基準」を、
>何の疑問もなく頂いている始末。
話は変わりますが、この点については韓国球界(メディア)が、
ムキになっていると感じられるほどに、否定にかかっていると思います。
事あるごとに「アジア人最高の選手」「アジア人初の記録」と。
彼らの気持ちは分かる反面、時として強引過ぎる論理展開が痛々しいと思うこともしばしばです。
メディアで見出しをどうするんだという問題は出てきますが……
>韓国球界
あの国はあの国で、メディアが必死過ぎるのがねぇ……
とはいえ、気分的な面を除いた実害がないのであれば、
ネタとして見るのもアリじゃないかと思ってるんですよね。