鄭文堂(チェン・ウェンタン)監督は、1958年宜蘭県生まれの、台湾を代表する映画監督のひとりです。
今までの代表作にはヴェネチア国際映画祭批評家週間最優秀作品賞を受賞した『夢幻』、国立故宮博物院がプロデュースした映画『経過』、ブリュッセル国際独立映画祭で大賞を受賞した『深海 Blue Cha-Cha』などがあります。
鄭文堂監督の映画は社会的な重いテーマを取り上げていることが多く、決して派手な映画ではありませんが、映画ファンや国際映画祭で高く評価されています。
鄭文堂監督の新作『眼涙(なみだ)』も、かなり重いテーマを持った作品です。
映画の舞台は高雄で、映画『多桑(父さん)』での演技が印象的だった蔡振南さんが私服刑事役、鄭文堂監督の娘さんの鄭宜農(ENNO)さんが檳榔売りの女(いわゆる「檳榔西施」です)の役を演じています。
私服刑事の郭は、正義感あふれる警察官で、介護施設のボランティアもするような人ですが、一方で暗い過去を持っています。
また、檳榔売りの小雯(シャオウェン)は、露出の多いセクシーな格好で檳榔を売りながら、一方で介護施設に入っている体が麻痺した母親の面倒を見ています。
そんな二人が、いろいろな事件で関わりを持つのですが、彼らだけでなく、組織や人間の表と裏、多面性が映画全体を通して表現されています。
人には表向きの顔と裏側の顔があり、完全にいい人も完全に悪い人もいない。
いろんな面を持つのが人間であり、人生だ。
そういうことを、鄭監督は言いたかったのかもしれません。
小雯と一緒に檳榔を売っている萱萱(シュエンシュエン)を、「閃霊(ChthoniC ソニック)」というブラックメタルバンドの女性ベーシストでリーダーのDorisが演じているのも注目です。
アジアを代表するブラックメタルバンドと言われ、日本や欧米各地でライブをしているソニックは、Dorisの存在が大きな要素となっていますが、彼女は演技をしても魅力的だということは大きな発見でした。
台湾語を話して檳榔を売る姿は、その派手な外見にも関わらず、とても素朴な人に見えました。
3月12日から公開された『眼涙』は、2週目に入って上映館が西門町の「絶色影城」のみになってしまいましたが(社会派の国産映画は、常に興行的には苦戦を強いられるのです…)、ぜひとも多くの方が足を運び、また日本など海外の国際映画祭でも上映されることを願っています。(尾)
『眼涙(tears)』公式ブログ http://tears2009.pixnet.net/blog
※2010年3月19日の番組「文化の台湾」では、鄭文堂監督の新作映画『眼涙』をご紹介しています。
番組を聴くには、上記バナーをクリック→3月19日をクリック→「文化の台湾」横のアイコンをクリックしてください。
・・・・・今日はこっちでしょうに。
>黄砂ライダー
http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/img/kosa_rider.jpg
http://soramame.taiki.go.jp/dss/kosa/index.html
>そらまめ君
http://soramame.taiki.go.jp/Title/soramame.jpg
http://soramame.taiki.go.jp/
ストーリーも配役もアホクサの一言で充分でございます。
実際にガラス張りのショーケースというかスタジオのような中にお姐さんがいる店を街道沿いなどで多数見かけます。
台湾は多様性の場所ですので、「絶対にこうだ」「これしかない」という決め付けは危険だと思います。
それに、まだ映画をご覧になっていないのに、そのように断言されるのはどうでしょうか。
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でもね、この映画は作り話なんでしょ?