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苗栗県の窯元「華陶窯」で生活芸術を味わう

2009年07月31日 20時54分36秒 | 台湾観光旅行

苗栗県苑裡鎮にある「華陶窯」は、薪窯を使った陶芸の窯元で、伝統建築と自然が美しい庭園があり、自然や芸術と一体となった生活の気持ちよさを味わえます。

華陶窯の創立者、陳文輝夫妻は、経済成長と共に消えようとしていた台湾の伝統的な生活文化を残すこと、そして自分の好きな花器を自分で焼くために、1984年に華陶窯を設立し、自分の設計で建物や庭園を少しずつ作っていきました。

(上の写真は華陶窯の門。オランダから入ってきた赤レンガ、日本から入ってきた黒瓦、漢人の伝統である木の門を組み合わせた、台湾の多元的な文化を象徴しています。)

華陶窯の建築と庭園は、伝統的な素材とデザインを基礎としながら、現代的な美的感覚を生かしているところにその秀逸性があります。木、石、レンガ、陶器と、樹木や花といった自然がうまく組み合わせてあり、草月流と中華花芸の先生だったという夫人のセンスが、随所に生かされています。

また、環境やデザイン、素材には隅々まで心が配られており、ゴミ箱もこのように芸術的なものとなっています。ちょっとした場所にも小さな花が生けてあったり、すべてが自然に調和している環境は、そこに身を置くだけで心身がのびのびしてくるようです。

華陶窯の名物のひとつが、この「割稲仔飯」。割稲仔飯とは、近所総出で稲刈りをする時に、ご飯をまとめて作っておいて、手が空いた人から順番に食べる、という台湾の農家の伝統的食事です。セルフサービスのバイキングとなっており、家庭料理の素朴な味を楽しめます。

また、風が吹きぬける涼しい庭園にはカフェもあり、カフェ・オレを頼むと、このように、華陶窯で焼いた柴焼(日本で言う「焼締め」。釉薬をかけずに薪で焼き、薪の灰が自然の釉薬となった陶器のこと)のカフェ・オレ・ボウルでいただけます。華陶窯は台湾で芸術的な焼締めを作る第一人者で、生活の中でこうした民芸品を楽しむという文化を台湾で拡めていきたいそうです。

華陶窯では陶芸教室も体験できます。手びねりとろくろ、好きなものに挑戦できます。夏休みであることもあり、子供たちが多く、みんな楽しそうに粘土いじりをしていました。

こちらは今回案内していただいた陳景揚さん。創立者夫妻の息子さんです。(後ろに見えるのは登り窯。焼くものの量が少ないときには、もうひとつの窖窯(あながま)の方で焼くそうです。)

こちらに書いてある「爐火純青」は、道教の僧が長寿の薬を作るときに、炉の火の色が純青色になったら成功だとされたことから、技術が最高の域に達し、熟練しているという意味で使われる言葉。これは焼き物にもそのまま当てはまり、炉が1200度を越えて高温になると、青い色が見えるようになるそうですが、薪を燃やして炉の温度を高く上げるのは非常に高い技術を要する、ということです。

もし機会がありましたら、台湾の素敵な窯元を訪れる旅をしてみてください。(尾)

華陶窯 苗栗県苑裡鎮南勢里231
http://www.hwataoyao.com.tw

731日(金)の番組「文化の台湾」では、華陶窯の陳景揚さんのお話をお聴きいただけます。



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