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任天堂の商標継続決定,特許庁 モンテローザ(笑笑)の請求退ける

2014-02-24 21:04:43 | 「身の丈」経営

 任天堂の家庭用ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」と,居酒屋チェーン「笑笑」を運営のモンテローザという,業界も事業分野も全く異なる企業が争うという知的財産をめぐる前代未聞の出来事の成り行きは,各方面から注目を集めた。使用用途も、意味も違うにもかかわらず、名称が同じだっただけで起こった今回の騒動。知財を守るという観点から,その結末が注目される。

任天堂の商標継続決定,特許庁 モンテローザの請求退ける

 居酒屋チェーン「笑笑」を運営するモンテローザが、任天堂がゲーム機で使う「わらわら広場」などの商標登録の取り消しを求めた審判で、特許庁は2月21日ま でに「消費者が商標を混同する恐れはない」として、任天堂が商標を引き続き使える決定を下した。モンテローザは「特許庁の判断を精査して対応を検討する」とコメントした。

  同社は2012年に、韓国企業が運営する日本式居酒屋が笑笑を模倣した商標を使用しているとして、韓国特許庁に商標無効の審判を申し立て、同庁に認められている。インドネシアでも模倣商標が見つかり、現地の裁判所に提訴している。

 特許庁は、飲食業界とゲーム業界は提供する商品やサービスが異なり、関連性が低いと判断。「任天堂に不正の利益を得ようとする意図があったとはいえない」と判断した。 任天堂は「適正な判断を下していただいた」としている。

 

 ◆モンテローザ  

 「白木屋」や「魚民」など国内外に1900店舗を展開するモンテローザ。この大手チェーンを率いるのが創業者で社長の大神輝博氏。大神社長は経営者の間でもよく知られる高速ランナーという。「日経ビジネス」2011年9月30日号のインタビュー記事“全社が「負けじ魂」”で突っ走る”でマラソンと関連づけて経営姿勢を,次のように語っている。

>>「マイペースを知ることが何より大切」

 5kmからフルマラソンまで様々な距離のレースに参加する。しかも、走り方は自己流ではない。陸上愛好家が集まるランニング組織「アトミクラブ」 に所属して、都内の陸上競技場で、週に1度は練習にも参加する。ベストタイムは5kmで19分57秒。フルマラソンは3時間40分という速さだ。
 もちろん記録ばかりにこだわっているわけではない。大神社長は「マイペースを知ることが何より大切」と言う。これは経営において強く実感していること。「とにかく出店は慎重に進める。勢いで大量出店して失敗した経営者もいる。焦らないことが大切」と語っている。
 また,大神社長はランニングにおける経営への効用を説く。それは3つ,「諦めない心がつくこと負けず嫌いになること。そしてマイペースが分かること」,だという。

会社名 株式会社 モンテローザ
本社所在地 〒180-8538 東京都武蔵野市中町1-17-3 白木屋三鷹ビル
設立 1983年5月23日
代表者名 代表取締役会長兼社長 大神 輝博
資本金 28億9,500万円
売上高 1,463億円 (平成25年3月期実績)
従業員数 社員数2,970、アルバイト従業員数25,970名 (平成25年3月末日在籍数)
事業内容 ・外食事業
居楽屋「白木屋」、 のみくい処「魚民」、 居楽屋「笑笑」、 個室空間「千年の宴」、 「ホルモンおいで屋」、 海鮮楽屋「福福屋」、 隠れ家ごはん「月の宴」、 SHO-CHU STYLE「くろ○」、 韓流居酒屋「グンチャン」、 「魚萬」、 築地直送仲買人「目利きの銀次」、 炭火焼鳥「めでた家」、 268円厨房「うちくる」、 カジュアルダイニング「Kocoro-ya」、 お好み焼き「みつえちゃん」、「山内農場」、隠れ家美食「竹取酒物語」、鉄板居酒屋「焼蔵」、 美食屋「かみふうせん」、 和食ダイニング「鶏のGeorge」、 「MonteCafe」、 ビア&レストラン「モンテビア」、 ゆば豆富料理「月の花」、 築地すし「魚銀」、 「俺の串かつ黒田」、つきじ「すしざむらい」、 「うまいごはん家」、 「笑っテル食堂」、 カラオケ「歌之助」、 アミューズメントダイニング「黄金虫」
複合カフェ事業
複合カフェ「ワイプ(wip)」
・ネイルサロン事業
「Nail&MakeUp MONTEROZA2008」
FC事業
「TSUTAYA」
計33業態
弁当宅配事業
「モンテ宅食」

 

 ◆任天堂--売上高は最盛期の3分の1に

 任天堂はWiiUを発売した昨年12月にわらわら広場という画面などを商標登録。対して,笑笑を展開するモンテローザはすでに「わらわら」「WARAWARA」などを登録している。モンテローザは今回、笑笑とWiiUの消費者の年齢層がほぼ重複するなどとして「自社商標の便乗は許されない」と主張した。だが、特許庁の見解は,商標登録の権利範囲は基本的に、商品やサービスのジャンル別に指定されている。つまり、居酒屋の商標権利は飲食関連業界のみに通用し、ゲーム業界にまでは,及ばない,ということである。

いま,任天堂は瀬戸際にある。営業赤字は3期連続。売上高はピーク時の3分の1にまで落ち込んでいる。スマートフォン全盛の時代に背を向けた経営姿勢のツケの結果である。かつてのゲームの王様は復活できるのか。
 据え置き型の「Wii(ウィー)」と携帯型の「ニンテンドーDS」が絶好調だった2009年3月期。任天堂は1兆8000億円を超す過去最高の売上高を記録し、実に5500億円もの営業利益を稼ぎ出していた。いま,そのおもかげはない。売上高は,最盛期の3分の1にまで縮んでいる。

 


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