龍馬・おりょうが湯治に訪れた 霧島の「塩浸温泉」

龍馬・おりょうが湯治に訪れた　霧島の温泉



　幕末の動乱期，倒幕派の先鋒に立ち活躍した坂本龍馬。小松帯刀，西郷隆盛らと親交のあった彼は，妻のお龍（おりょう）と霧島の地を訪れました。これが，日本初の新婚旅行とも言われています。－－鹿児島空港から，車で約10～15分－－－



　坂本竜馬がハネムーン場所として訪れたのが，鹿児島・霧島の塩浸（しおひたし）温泉。いま，その一角に龍馬と妻・お龍の銅像が建ちます。この旅が二人にとっては最良の時間で，つかの間の幸せであったのでしょう。

▼鹿児島市内－甲突川沿いのお龍の像－－


　龍馬とお龍（おりょう）が鹿児島を訪れたのは，明治維新の前年の慶応２年（１８６６年）である。その年の３月９日に寺田屋にて襲撃された竜馬は２８日にお龍と結婚する。盟友小松帯刀のはからいで傷の湯治のために鹿児島に向け出立したのは４月１４日。２４日には鹿児島に着き，７月１３日まで鹿児島に逗留しています。
　
　龍馬とお龍の新婚旅行の話は，姉・乙女宛の龍馬自筆による手紙によって，多くの人が知るところとなりました。

「吉井がさそいにて又両りづれにて霧島山の方へ行道にて日当山の温泉ニ止マリ，又しおひたしと云温泉に行。（略）」

　翌年の１０月には体制奉還があり，１１月１５日に，竜馬は暗殺されました。時に竜馬３３歳，お龍２８歳でした。


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　竜馬がつかった「塩浸温泉（しおひたしおんせん）」は，１８００年頃に発見されたと記録されています。国道２２３号線，天降川（あもりがわ）沿いに，塩浸温泉，ラムネ温泉，日之出温泉，出の湯温泉，新川渓谷温泉，安楽温泉，妙見温泉，日当山温泉といった，ひなびた温泉地が点在します。

◆◆坂本龍馬（１８３５－１８６７年）　　
　天保6年(1835)高知生まれ。薩長同盟を成立させ，明治維新を推し進めた幕末の志士。勝海舟に弟子入りし，薩摩藩家老・小松帯刀の協力で１８６５年に亀山社中をたちあげ、（のちの海援隊）をつくる。3年(1867)6月後藤象二郎と長崎から海路上京する船中で，独自の国家構想である「船中八策」をまとめた。同年11月中岡慎太郎と共に京都で志半ばで暗殺される。

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