ぼくの父親は警察犬の大会でチャンピオンになったほどの優秀な犬らしい。 その為、ぼくは過大な期待をかけられている・・・ でも、今のぼくには将来のことなんか全く関係ない!ただ目の前にある丸々太ったママの手とちょっと臭いパパの足、そして時々相手をしてくれるおばあちゃんの手をスキあらばかぶりつき、スキがないなら新築の家の壁をガリガリ引っ掻いてやることしか考えていないのだ。 パパは「れおんは人間で言うならばキムタクの子供に生まれたサラブレッドなんやから、育ちが悪いからバカな犬になったって言われんように、今からしっかり躾けておぼえさせなあかん!!」ってぼくを厳しく叱ってくれる。 ・・・トホホだよ・・・
パパは今までに犬を飼った経験がないせいか時々ぼくが恐いらしい。ぼくが興奮状態で歯を剥き出しにして怒っていると噛まれそうで恐いと言う。 そんなパパの命令はぼくには時々解らないことがある。例えば・・・ぼくはもうお座りしてるのに「お座り!お座り!」と言われても・・・これ以上座れませんけど・・・ 「まて!まてよぉぉぉぉっ!」と言いながらぼくの鼻先にごはんを差し出してくれる・・・そりゃまて!と言われても食べちゃうよねぇ・・・ ぼくもなかなか苦労が絶えないのです。