ネアカな日常

息抜きしてって。
寄ってって。

(*'-')ゞ

作家根性

2006年09月09日 | マスメディア

昨日の日経新聞の夕刊、15面。

坂東眞砂子さんのエッセイ、「でこぼこ」を読んで、作家根性を感じた。

坂東さんといえば、同、日経のコーナーに執筆した「子猫殺し」。

http://blog.goo.ne.jp/ranrarararan/e/f67e83e417c8a919ca0540d7cdaa9879

日経はこのまま首をすくめて、嵐が通り過ぎるのを待つかと思いきや、先日、

有識者(?)のコメントを出していた。

全体的に“激しく非難”ってのは、なかった。

まぁ、いろいろ都合もあるのだろう。

今日のエッセイ「でこぼこ」は、坂東さんの住んでいるタヒチの家の話。彫刻家

の友人につくってもらったその家は、まっすぐでなく、でこぼこで不便なことも多

い。でっぱりに体をぶつけることもしばしばらしい。

そこから「平らでまっすぐな道や空間は、人の反射運動能力も減退させる」

現代文明に警告を鳴らし、 「これは、人の意見についてもいえる。痛くない、快

適な、平らな意見が、今の社会では好まれ、ちょっとばかりでこぼこしていると

厭われる。痛いもの、耳にして快適でない意見に対しては、でこぼこ道と同様

に、平らにしようという動きが働く」

と執筆している。

──作家やのう。

どこにも「猫」を匂わせることは書いてない。

でも、あきらかに「子猫殺し」の反論を受けてのエッセイでしょ?

私は「子猫殺し」の内容について、どうこう言うつもりはない。

坂東さんは、なぜ、あえて「エッセイ」にしたのか? 

小説なら、逃げ道をつくれたのに。

そして、今回の「でこぼこ」。

文章を書く人間の、意地を感じた。

本来「エッセイ」は、ストレートなものが多い。(「子猫殺し」もそう)。

「でこぼこ」は、裏読みエッセイ。そのまま読むと、日常エッセイだが、行間には

びっしりとメッセージが。

こういうものを読むと、「作家の武器は、ペン一本」だと、しみじみ思うねぇ。

現代は、「武器はキーボード」の作家が大半だろうが。


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