山小舎の灯

花を中心としたブログ。
山小舎は想い出、そして今も憧れ。
信州の八ケ岳高原と、東京区部での撮影が殆どです。

日本固有の野草なのですが、まるで飾り物のようです。

2017-08-31 07:36:24 | 山野草
レンゲショウマ(蓮華升麻)

キンポウゲ科レンゲショウマ属
一属一種だけの植物、日本の固有種なのです。

名前の由来は、下から見るとまるで蓮の花のよう、そして葉っぱがサラシナショウマの葉に似ていることからきています。

日本全国、かなりの地域で見られますが、東京近辺では都下の御岳山の群生地が有名です。
今頃の季節には一目見ようと、列をなしてケーブルカーで観光客がやってきます。此処は日帰り縦走登山としても楽しい所なのですが、僕はこの季節には近付きません。



透明感のある上品な花姿ですね。
花弁のように見えますが、横に開いているのは実はなんです。
花は中で蕊を包み込むようにしている所なんですよ。
全体的には少しだけ苧環(オダマキ)の花に似ているような、、、

本当に仏間に飾りたいような花ですね。

田中澄江さんが「新・花の百名山」で甲武信岳を代表する花として紹介されましたが、例えば高尾山辺りでも見られますし、登山をされる方でしたら何処かで見掛けたのではないでしょうか。

がまた可愛いのです。
真ん丸で茎の先に一つ、特徴的で忘れられない姿です。
本当に飾り物と思っちゃいますよね。





サラシナショウマに似た葉も撮影したのですが、間違えて消去してしまいました、ごめんなさい。
あっ、でも2枚目の写真の奥の方に、ぼやけて少し見えています。

撮影場所;信州八ケ岳高原

幻の花、隔離分布する不思議な花、絶滅危惧種です。

2017-08-30 07:26:05 | 山野草
エンビセンノウ(燕尾仙翁)

ナデシコ科センノウ属の絶滅危惧種

約10日前にアップしたフシグロセンノウと同じ仲間です。



写真の花は橙朱色ですが、真紅の花もあります。

花弁が裂けて燕の尾に見えることから名前が付きました。

八ケ岳周辺と北海道の日高山系で自生が確認されている、隔離分布の不思議な花。
埼玉県秩父にもあるとのことですが、何年も消息を聞いていません。
あとは植物園にあります。(笑)

写真は信州八ケ岳高原での撮影ですが、此処でも個体数は数えるほどです。
盗掘にあって絶滅しても困るので、場所の詳細は教えられません。

盗掘で実際に絶滅しているかも知れない花を知っているものですから。
幻し中の幻しの花、アツモリソウは或る山に毎年見に行きましたが、盗掘のため暫く見ておりません。特定国内希少植物に指定されており保護対象ですので、場所は絶対に教えられません。



葉の基部は茎を抱くように対生しています。

フシグロセンノウと同じようですね。
こちらの節は黒くはありませんが。(笑)





エーデルワイスではありませんよ。

2017-08-29 06:38:33 | 山野草
雪ではありません。
小麦粉を掛けたわけでもありません。
ましてや、白粉でお化粧をしているわけでもありません。

ホソバノヤマハハコ  キク科ヤマハハコ属の花


これは多分雌花です。

白い綿毛に覆われてウスユキソウに似ていますが、近縁種ではあっても属は異なります。

白いのは総苞片で花弁ではありません。
花は真中の黄色いところ、キク科ですから筒状花なのですね。


これは多分雄花です。


葉は細いです。
東日本のヤマハハコ、西日本のホソバノヤマハハコと棲み分けされているようですが、信州はその境目に当たり両種が存在するようです。


ところで、ウスユキソウといえば日本のエーデルワイスと言われますが、本場は日本を含む東アジアで日本には10種くらいあるようです。
だから本当ならばエーデルワイスはアルプスのウスユキソウというべきかも知れませんね。

撮影場所は信州八ケ岳高原でした。

柚子の香りがしましたか?野菊の一つです。

2017-08-28 08:34:39 | 山野草
ユウガギク(柚香菊)

キク科ヨメナ属の花

名前の由来は柚子の香りがするから、、、でも僕にはよく分りません、臭覚が敏感な人ならば分かるのかな?

真上からのユウガギク。


野菊の一つです。

思いつく関東地方の野菊。
ノコンギク、カントウヨメナ、シロヨメナ、シラヤマギク、それとこのユウガギク、ほかにもあるけれど代表的なモノだけ。
ノコンギクとシロヨメナ、シラヤマギクはシオン属
カントウヨメナとユウガギクはヨメナ属

シロヨメナがヨメナ属ではないなんて、分かりにくいですね~。(笑)

真横からのユウガギク。


ヨメナ属とシオン属の見分け方。

ヨメナ属の総苞の形はカクテルグラスのよう、冠毛が短いので総苞と舌状花の間に冠毛が見えないのです。
シオン属の総苞の形はワイングラスのよう、冠毛が長くて横から見ると分かります。
シオン属は花の近くで茎分かれするので花が比較的かたまっており、ヨメナ属は茎分かれから花までが少し長いので花が比較的離れて見えます。



ユウガギクは他の野菊とは違って、茎分かれが直角に近く横に伸びるので花がゴチャゴチャして見えるのです。他の野菊はスッキリとしていますね。(上の写真参照)

ユウガギクの葉


ノコンギク、カントウヨメナ、シロヨメナの葉は似ていますが、シラヤマギクはハート形、そしてユウガギクは写真の様に切れ込みが大まかで丸く深く特徴的なのです。

東海地方以西にはカントウヨメナやユウガギクは存在せず、その代りヨメナオオユウガギクがあるのです。
なお、信州のヨメナ属はこのユウガギクだけでヨメナ・カントウヨメナの空白地帯と言われています。でも僕は数年前にカントウヨメナらしきものを見付けちゃいました。
シオン属はノコンギクもシラヤマギクもシロヨメナ、ゴマナなど存在しています。

撮影場所;信州八ケ岳高原


釣舟で何を釣る? いえいえ、釣られるのです。

2017-08-27 06:30:51 | 山野草
 釣られている船のお話。

 今の季節には満開の花。

 ツリフネソウ科ツリフネソウ属の花。

 ツリフネソウ(釣舟草)2種





 上がツリフネソウ(ムラサキツリフネ)、下がキツリフネ。

 日本の在来種にはもう一つあるらしいのです。
 僕は見たことはないのですが、何でも四国九州に咲くと言う花。

 ハガクレツリフネ

 ああ、葉隠って佐賀県だものね、だから西日本?
 いやいや、違う。
 武士道とは全く関係ございません。
 文字通り、葉の下に隠れるように咲くのだとか、一度見てみたい!

 何でも、ホウセンカとかインパチェンス等の外来種も同じツリフネソウ属の花だとのこと。





撮影場所;信州八ケ岳高原