目黒駅を権之助坂を下り、山手通りと交差する角のコンビニを右折。そのまま山手通りを新宿方面に歩いて2分程度のところにある、お馴染み黄色い看板のお店。「ラーメン二郎」の系列店である。
この日は夜8時前に店に向かったが、何と、いつものような行列が見あたらない。山手通りを歩いていても、いつもの行列が見えてこないので、店の前に着くまでは本当に開いているのかどうか心配になったほどである。思わず引き返そうかと思ったが、同行者が「ちょっと待って下さい。開いてるようですよ。」と言うので店の前まで来てみたら、10席程度あるカウンターには客がびっしり埋まってはいるものの、席待ち先客はたったの1名しかいない。
夕食時の「目黒二郎」と言えば、通常は店の前に長蛇の列が連なっていて当然。15人待ちや20人待ちも珍しくはないのであるが、この日に限っては、運が良かったのかすんなりと店の中に入れた。席に着くまでの待ち時間は5分程度。首尾は極めて上々である。
この日はさほどの食欲がなかったため「大」を、パートナーは「小豚」を注文した。ちなみに価格は「大」「小豚」ともに600円である。最も基本的なデフォルトメニューである「小」は550円。
本店の「三田二郎」よりも50円高めの価格設定ではあるが、「二郎」の分量でこの価格設定はかなりお得感が強い。「小」で大体280グラム、「大」はそれよりも若干多めで350グラム~400グラムの麺量。「小」で通常のラーメン屋のラーメンの大体2倍弱程度の分量はあるが、最近は普通のラーメン屋のラーメンでも(都内にある限りは)大体600円程度の値段はする。
トッピングを訊かれ「ニンニク・あぶら・からめ」を指定。10分も経たない内に、ラーメンが出てきた。
茶褐色のスープの上に、白濁した脂が載り、その上に野菜が載り、そのまたさらに上に刻みニンニクが添えられている。「大」なので、丼のラインよりも、心持ち麺が飛び出しているような格好になるが、分量はさほど非常識であるとも思われない。「赤羽二郎」や「凛」で鍛えられていれば十分にクリア可能な分量だ。
ちなみに、多くのラーメン屋を食べ歩いていると、実際に食べる前であっても出てきたラーメンを見ただけで「ああ、この分量であれば、大丈夫だな」とか「この分量は苦戦するだろうなぁ」などといったコトが感覚的にわかってくるものである。この日、私のコンディションは必ずしも万全ではなかったが、それでも出てきた時に「ああ、これはいけそうだな」と完食を確信することができた。最近、「凛」や「べんてん」のお世話になっていることが多いから、相対的に少なく感じたのだろうか、それはわからないが、とにかく大のオトコであれば「大」であっても十分に完食できる分量だと思う。
ふと隣の席を見るとカップルが座っている。学生らしき小柄な女の子は「小」を食べていたが、麺はおろかスープの最後の一滴までをもペロリと飲み尽くしていた。この光景には私も驚いたが、いずれにしても、ラーメン業界全体が麺量多めの傾向にシフトしてきている今日においては、それほど目を見張るような分量でないことだけは確かであろう。
麺は、「三田二郎」譲りの柔らか目の極太麺。断面が多少扁平気味になっているのが特徴である。縮れ麺ではなくストレートではあるが、表面積が大きい極太麺なので、スープを良く絡めてウマイ。箸を持つ手を休めずにスルスルと口の中に入ってくる。喉ごしも爽快だ。
この店には以前も数回行ったことがあるのだが、この極太麺を受け止めるスープ、改めて飲んでみると案外味が濃い目だったので驚いた。慶應大学に通うこの日のパートナーは「うん、これは三田よりもちょっと味が濃いですね」と言っていたがその通りである。私は「からめ」のトッピングを頼んでいるので、デフォルトよりも味が濃くなっていることは当然なのであるが、デフォルトで頼んだパートナーのスープの色を見ても、「三田」よりは若干濃い目かなとの印象を抱いた。正確に表現すれば、塩辛さがやや前面に押し出されているようなスープであり、「三田」と「目黒」は味が薄いものと認識していた私にとっては意外な新発見である。パートナーは「味がわかりやすい分、三田よりも食べやすいですね」と言っていたが、これは好みの問題であろう。
具の野菜は多めのトッピングを指定しなかったが、デフォルトであれば分量は適度であり、野菜を食べるだけでお腹一杯になるという事態は回避できるだろう。ぶた(チャーシュー)は、あいにく私が食べた時に出てきたものはハズレであった。デフォルトには2枚のぶたが載るのだが、出てきたのは硬めの部位と脂の部分のみであり、いささか配慮が足りないのではないかと感じた。
全体として「二郎」のスタンダードラインを行く模範的なラーメンであると評価できるだろう。「二郎」に激しさ、超弩級のコッテリラーメンを期待して臨めば、いささかの肩すかしを食らわさせるかも知れないが、そうでない人にとっては、やはりそこは「二郎」。スケールは大きく、ボリュームは十分にある。
評価としては、麺12点、スープ14点、具2点、バランス8点、将来性8点の合計44点。
今回は、ぶたの質が悪かったことにより具の評価を悪くつけさせていただいたが、そこは腐っても「目黒二郎」。麺、スープ、バランス力などの他の要素で十分に具の不足を補ってくる。目黒というローカルレベルでは間違いなくトックラス、東京23区西部エリアに範囲を広げても有数の名店であろう。ただし、同系列の店として近くに「凛」があると考えた場合、どちらがより美味いのかと問われれば、「凛」に軍配が上がるかなといった感は否めない。しかしながら「「二郎」とはどういう食べ物なのか」を知る上では、模範となるようなベース店であろう。
所在地:目黒
実食日:03年12月
→採点方法について
この日は夜8時前に店に向かったが、何と、いつものような行列が見あたらない。山手通りを歩いていても、いつもの行列が見えてこないので、店の前に着くまでは本当に開いているのかどうか心配になったほどである。思わず引き返そうかと思ったが、同行者が「ちょっと待って下さい。開いてるようですよ。」と言うので店の前まで来てみたら、10席程度あるカウンターには客がびっしり埋まってはいるものの、席待ち先客はたったの1名しかいない。
夕食時の「目黒二郎」と言えば、通常は店の前に長蛇の列が連なっていて当然。15人待ちや20人待ちも珍しくはないのであるが、この日に限っては、運が良かったのかすんなりと店の中に入れた。席に着くまでの待ち時間は5分程度。首尾は極めて上々である。
この日はさほどの食欲がなかったため「大」を、パートナーは「小豚」を注文した。ちなみに価格は「大」「小豚」ともに600円である。最も基本的なデフォルトメニューである「小」は550円。
本店の「三田二郎」よりも50円高めの価格設定ではあるが、「二郎」の分量でこの価格設定はかなりお得感が強い。「小」で大体280グラム、「大」はそれよりも若干多めで350グラム~400グラムの麺量。「小」で通常のラーメン屋のラーメンの大体2倍弱程度の分量はあるが、最近は普通のラーメン屋のラーメンでも(都内にある限りは)大体600円程度の値段はする。
トッピングを訊かれ「ニンニク・あぶら・からめ」を指定。10分も経たない内に、ラーメンが出てきた。
茶褐色のスープの上に、白濁した脂が載り、その上に野菜が載り、そのまたさらに上に刻みニンニクが添えられている。「大」なので、丼のラインよりも、心持ち麺が飛び出しているような格好になるが、分量はさほど非常識であるとも思われない。「赤羽二郎」や「凛」で鍛えられていれば十分にクリア可能な分量だ。
ちなみに、多くのラーメン屋を食べ歩いていると、実際に食べる前であっても出てきたラーメンを見ただけで「ああ、この分量であれば、大丈夫だな」とか「この分量は苦戦するだろうなぁ」などといったコトが感覚的にわかってくるものである。この日、私のコンディションは必ずしも万全ではなかったが、それでも出てきた時に「ああ、これはいけそうだな」と完食を確信することができた。最近、「凛」や「べんてん」のお世話になっていることが多いから、相対的に少なく感じたのだろうか、それはわからないが、とにかく大のオトコであれば「大」であっても十分に完食できる分量だと思う。
ふと隣の席を見るとカップルが座っている。学生らしき小柄な女の子は「小」を食べていたが、麺はおろかスープの最後の一滴までをもペロリと飲み尽くしていた。この光景には私も驚いたが、いずれにしても、ラーメン業界全体が麺量多めの傾向にシフトしてきている今日においては、それほど目を見張るような分量でないことだけは確かであろう。
麺は、「三田二郎」譲りの柔らか目の極太麺。断面が多少扁平気味になっているのが特徴である。縮れ麺ではなくストレートではあるが、表面積が大きい極太麺なので、スープを良く絡めてウマイ。箸を持つ手を休めずにスルスルと口の中に入ってくる。喉ごしも爽快だ。
この店には以前も数回行ったことがあるのだが、この極太麺を受け止めるスープ、改めて飲んでみると案外味が濃い目だったので驚いた。慶應大学に通うこの日のパートナーは「うん、これは三田よりもちょっと味が濃いですね」と言っていたがその通りである。私は「からめ」のトッピングを頼んでいるので、デフォルトよりも味が濃くなっていることは当然なのであるが、デフォルトで頼んだパートナーのスープの色を見ても、「三田」よりは若干濃い目かなとの印象を抱いた。正確に表現すれば、塩辛さがやや前面に押し出されているようなスープであり、「三田」と「目黒」は味が薄いものと認識していた私にとっては意外な新発見である。パートナーは「味がわかりやすい分、三田よりも食べやすいですね」と言っていたが、これは好みの問題であろう。
具の野菜は多めのトッピングを指定しなかったが、デフォルトであれば分量は適度であり、野菜を食べるだけでお腹一杯になるという事態は回避できるだろう。ぶた(チャーシュー)は、あいにく私が食べた時に出てきたものはハズレであった。デフォルトには2枚のぶたが載るのだが、出てきたのは硬めの部位と脂の部分のみであり、いささか配慮が足りないのではないかと感じた。
全体として「二郎」のスタンダードラインを行く模範的なラーメンであると評価できるだろう。「二郎」に激しさ、超弩級のコッテリラーメンを期待して臨めば、いささかの肩すかしを食らわさせるかも知れないが、そうでない人にとっては、やはりそこは「二郎」。スケールは大きく、ボリュームは十分にある。
評価としては、麺12点、スープ14点、具2点、バランス8点、将来性8点の合計44点。
今回は、ぶたの質が悪かったことにより具の評価を悪くつけさせていただいたが、そこは腐っても「目黒二郎」。麺、スープ、バランス力などの他の要素で十分に具の不足を補ってくる。目黒というローカルレベルでは間違いなくトックラス、東京23区西部エリアに範囲を広げても有数の名店であろう。ただし、同系列の店として近くに「凛」があると考えた場合、どちらがより美味いのかと問われれば、「凛」に軍配が上がるかなといった感は否めない。しかしながら「「二郎」とはどういう食べ物なのか」を知る上では、模範となるようなベース店であろう。
所在地:目黒
実食日:03年12月
→採点方法について
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます