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麺彩房

2005-05-07 10:36:27 | ラーメン店調査 (46~50点)
新井薬師の製麺所である「大成食品」のアンテナショップ。「麺彩房」一族は、現在首都圏各地に勢力を拡大しつつあり(「七人の侍」「夢うさぎ」など)、今後の首都圏ラーメン・シーンにおける台風の目となるだろうことはほぼ間違いない状況だ。その麺彩房一族の総本山がここ「麺彩房@新井薬師」である。

一応、平日は午後9時、休日は午後8時までというのが公式の営業時間であるが、あってなきがごとし。私のリサーチによれば、休日は午後4時前には既に営業が終了しており、平日においても午後6時、7時段階で営業確認の連絡を入れても、答えは「昼まででスープが切れてしまいました」の一点張りだ。つまり客数の多さに供給が追いつかない典型的な人気店のひとつであると言える。

実は昼の部でラーメンがなくなってしまうもう一つの理由があり、これは「麺彩房」独特の事情によるものと思われる。大盛、中盛のサービスが無料なのである。麺彩房の麺量は普通盛のらーめんで170g、つけそばで200gなのだが、大盛はそれぞれらーめんで250g、つけそばは何と400gにまで跳ね上がる。無料で麺量を倍にできるのだから、大盛を頼まない人は普通いないだろう。実際私が食べにいった時も、ひっきりなしに入ってくる客の何と全員が大盛を頼んでおり、「これは昼の部で営業が終了してしまうのも当然だ」と深く納得したのだった。

店内は簡素ではあるが木目の質感を活かした清潔感溢れるものであり、テーブル席は2人掛けのテーブルが2つと4人掛けのものがひとつ。カウンターは7席。そしてラーメン屋には珍しく、奥間に上がり座敷があり、こちらは8人掛けとなっている。単純に計算しても同時に23人を収容することができるので、ラーメン屋としてはそこそこ規模が大きい方である。

ちゃーしゅーそばの大盛りを注文した。間もなく供されたラーメンは「夢うさぎ」同様、華美ではないが、どの素材も突出して自己を主張することなく、各々の分をわきまえながら、穏やかに一杯の器の中に収まっているといった趣だ。ゲンコツと鶏ガラのほのかな甘味が否応なく食欲を増進させるところも同様である。とはいえ「夢うさぎ」の店主は、この「麺彩房」で修行を積んで独立した人なのだから、本来は順序が逆なのであるが。

雑味のない中細麺がスープの持ち味を最大限活かし切っている。これも「夢うさぎ」と変わりはない。具のチャーシューも秀逸。

麺:12点、スープ:16点、具:4点、バランス:9点、将来性:9点の計50点。

「麺彩房」勢力が拡大し、この水準のラーメンが首都圏の新たなスタンダードになる日が到来したらいったい地方のラーメン屋はどのように太刀打ちすれば良いのだろうか。そんな心配をしてしまう程水準が高いラーメンである。


所在地:新井薬師
支店:西日暮里
実食日04年1月

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