別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

虫めづる

2006-08-04 | アートな時間

 女性も虫ずきのひとは結構いる。 わがブログにもそんな姫君がたくさんお出かけになった。 みにくい毛虫が、 思いがけない変身をとげる、なんと神秘的。 計り知れない不思議だ。  翅のうつくしさは言わずものがな。
 髪を耳にはさんで、熱心に見入る。 
 「人は實あり。本地尋ねたるこそ、心ばへをかしけれ。 堤中納言物語 蟲愛づる姫君 」 
 おなじ心地がする。

  写真は  藤島武二 「蝶」 1966年発行  原画は1904年の作    乱舞する蝶の数、 大小20頭ばかり。 これだけいてもうるさくない軽やかさだ。 日本画的。 ロマンに満ちている。 40年も経て、切手はすこし汚れている 
  彼は花や蝶を愛し、2000もの蝶を描いたそうだ。 「蝶供養帖」もある。

  藤島は与謝野鉄幹が主宰した「明星」や、晶子の歌集『みだれ髪』(1901年)の表紙でおなじみ。 流行のアール・ヌーヴォーを取り入れた。  晶子の「雁来紅」※ の挿絵は、髪に百合をかざし、 やわらかに波打つ巻き毛はまるでべつの生き物のようだ。 甘美な夢をみているのか、この女性はアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)の「サラ・ベルナールを讃えるポスター」 を模している。 
  切手はほかに 黒扇 がある、 原画は1908-9 (M41-2)の作品 ブリヂストン美術館所蔵。

 追記  ミュシャのポスターはこちらで  昨夜のNHK迷宮美術館ではミュシャを取り上げていた。 大阪堺に美術館があることも知った。 
     ※ 雁来紅 ガンライコウ 雁が来るころに葉が紅色になるところから ハゲイトウの別名        
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